2025年カレンダーとポストカード販売開始!

お待たせいたしました。今年もカレンダーを販売いたします!
カレンダーは昨年同様一部税込み2,200円とさせていただきます。
ポストカードセットは今年は14枚セットとなりますので1セット1,540円となります。

*カレンダーのご紹介*

1月「薫りこぼるる」

お庭に牡丹を植えたのは父で、父がもう亡くなってから19年たつ。ということは20年以上ここで育って
毎年お花を咲かせてくれているということだ。実は白はなくなり、淡いピンクは今年は咲かなかった。そしてこの牡丹色のこの子は小ぶりなお花をようよう咲かせてくれたのだ。最近の夏の暑さにやられているような気がするけどお世話がなってないことは否めない。

2月「祝福」お店の花は路地で咲くひと月前にやってくる。みんなのお庭で咲いてからだと売れないからね、とお花屋さん。
上手にコントロールされて春だと思って咲いた淡いピンクのお花は浮きたつようなオーラを放つ。春だよ!春だよ!とみんなを祝福しながら。

3月「メヌエット」ひらひらと薄いシフォンのドレスを纏った姫君たちが華やかに踊りだす。ラナンキュラスと聞いて思い浮かべるような
赤や黄色の単純な色ではなくて、最近のそれはなんとも深く上品でかつ艶やか。描いていると軽やかな音楽が聞こえてくるようだ。

4月「水音に」雨上がりの山道を歩く。まだくるくると巻いている羊歯の芽に光るダイヤモンドのような雫。遠く霞む峰々。
まだ黒い雨雲が遠くに見える。降る前に戻ろう。せっかく行った会津駒ケ岳はほとんどが雨の思い出だけどこういった一瞬が輝く。

5月「蒼い庭から」青い花を好んで植える母の庭にまた仲間が増えた。ペンステモン。ベル型というのか、ちょっと独特なお花のかたち。
茎も葉も上品な紫色がかった色。今までいた青い花たちと仲良く溶け込んでいる。今年もたくさん蝶々が来てくれたけれど微妙に顔ぶれが
変わっている。あんなにたくさんいたツマグロヒョウモンが随分減った。モンシロチョウは変わらず来てくれる。

6月「水無月の楽譜」紫陽花はよくつく。素敵な紫陽花をいただいてつけているうちにうちの紫陽花の種類はけっこう増えた。
ブルーがきれいに出ないのが悩みだけれど、微妙な紫のグラデーションで日々色が移り変わる。優しい旋律が少しずつ転調してゆくように。

7月「白日夢」死ぬほど暑かったのを覚えている。スケッチに行った森では木陰にも咲いていたのだけれど、やはり日向の子のほうが元気で
花付きもよい。日傘を三脚にくくりつけ、なんとか1時間スケッチを2回。いやほんと、真夏のスケッチは辛い。
それでも描かずにいられない美しさ。この暑さの中なぜこんな涼しげな顔で咲けるのだろう。時折揚羽が訪れる。暑さを忘れ、しばし夢の中へ。

8月「夢の如」あの日見た蓮。朝露をコロコロと残して凛と天を仰いでいた。暑さがよみがえってくるのは、スケッチをもとに制作していると
不意にあの日にタイムスリップするからだ。「泥より出でて泥に染まらず」暑さにも染まらず、騒がしい蝉の声にも染まらず、静かで涼しげ。

9月「木漏れ日」朝日が木々の間から紅葉した葉っぱを輝かせる。これはほんの一瞬のことだから現場スケッチではとても追いつかない。
写真を撮ってもなんだか違う。記憶と、いまいちな写真とであの日の輝きを手繰り寄せる。神様が一瞬あてたスポットライト。
あそこに居合わせた幸運に感謝しながら。

10月「秋日和」秋の木の実はいろいろあってあれこれ描きたくて描いているうちにスケッチがたまった。森に青い縞々の羽が落ちていたりする。
あのギャーギャーうるさいカケスのものだ。なんてきれいなんでしょう。秋にはお宝がたくさん。それらを組み合わせて紡いでみる。

11月「冬のあしおと」秋小春日和を選んで山茶花を描きにゆく。朝はきんと冷たかった空気が緩んで日差しが暖かい。
数10分ほどの間隔をあけてメジロの群れがやってきては蜜を吸う。決まったルートを周ってまたここに戻るのか、はたまた別の群れなのか、
見分けはつかない。その小さなさざめきを聞きながらもうすぐ来る本格的な冬をおもう。

12月「薄紅色」薄紅色の炎が舞う。シクラメンの良さがわかり始めたのは大人になってから。あの布施明さんのシクラメンの歌にある薄紅色、
真綿色、なんて美しい表現だろう。あの歌の意味も大人にならないとわからない。シクラメンのこの色はピンクではなく薄紅色。
瑞々しく笑う眩しい君。

表紙 
夏色の花がたわわに垂れ下がる。誰もが暑さに倦んでいるというのにきらきらと甘い蜜をたらし虫たちを呼びパーティを続ける。この逞しさ美しさ。

*ポストカードセットのご紹介*