雪のうちに


春一番が吹いた。

朝は穏やかで暖かい自転車日和だったので
とてもまよったんだけど
午後から風が強い予報。
このごろの天気予報はよくあたる。
それに先日転んでからちょっと慎重になってる。
個展前にムリはすまい。。。
そんなわけで電車GO!!

正解だったね。

今日は野の花を描く、という講座だったのだけれど
前回まで何もないよ~といったかんじだったのに
咲いてる咲いてる!
カラシナもハナダイコンもコブシもハナニラも春蘭まで!!
スケッチに行きたい気分でいっぱい。

もう春はきてる。

雪のうちに
S0号  和紙、岩絵具、箔

2月に咲いた節分草。
昨年いただいてまた今年も可愛いお花を咲かせてくれた。
いちばん小さいパネルに描いてたら
雪が降ってきたので
画面の中にも降らせてしまった。
暦の上では春だったのに大雪。
この歌はまさにぴったり。
鶯の涙に思いをはせるとはねぇ・・・

雪のうちに春は来にけり鶯のこほれる涙いまやとくらむ                                     藤原高子

雪がまだ降っているのに、もう春が来てしまった。 冬の間じゅう凍っていた鶯の涙は、今はもうとけているであろうか。

巻第一 春歌上 二条后の初春をよまれた御歌。 まだ凍りつく寒さでも、立春と聞くだけで春を近くに感じる。 凍っていた鶯の涙もとけて、もうすぐ鳴き始めるだろう。 春にさきがけて鳴く鶯にいちはやく春を感じる。 二条后の勅勘が許されないうちに年を越えた意を含むという。

木下美香日本画展
2014年3月20日(木)~26日(水)
10:00am-8:00pm(最終日は4:30pm閉場)
池袋 東武 6F1番地 美術画廊 絵画サロン
 

朧月夜


作品リストを作っていたらこんな夜中になってしまった。
早寝早起き!がモットーのわたくし。
めずらしい夜半の投稿。

しかし驚いた。
絵が全然足りない!!って焦っていたのがうそのよう。
ちゃ~んと足りてましたYO!
計算がうまくできていないのですな・・・

朧月夜
20×20cm  和紙、岩絵具、箔

ベランダのアネモネの蕾がそろそろと頭をもたげ始めた。
このお花が咲く時期はまさに暖にあらず寒にあらず。
ぬるい夜風に沈丁花の香り。
そんな春の夜は猫も浮かれる。

照りもせず曇りもはてぬ春の夜の おぼろ月夜にしくものぞなき                            大江千里

【照りもせず そうかといって曇り切ってもしまわない
春の夜の朧月夜に及ぶものはないなあ。

漢詩の一句を題とした句題和歌である。この和歌は白氏文集巻14の「嘉陵夜有懐二首」(嘉陵の夜、おもうことあり、二首)のうちの第2首目。

不明不闇朧朧月  照りもせず、くもりもせず、ろうろうたる月。

不暖不寒慢慢風  暖にあらず、寒にあらず、まんまんたる風。

独臥空牀好天気  独りむなしき、床にふすに、よき天気なり。

平明閑事到心中  平明(夜明け)の、しずかなりし事、心の中に到れり。

 

燃ゆれども


昨日額屋さんに最後の作品を送り、ひと安心。
でもなんてギリギリ!!
いつも待ってもらってほんとうにありがたい。

けれどきれいなクリスマスローズなんか咲いちゃうと
あ、これも!!
なんで思っちゃうんだよね~。

きっと搬入の日までなにかしら描かずにはいられないこととおもう。

受験生がギリギリまで英単語覚える、みたいな
なんか最後の最後までやれることはやろう、みたいな。。。?

燃ゆれども
30×30cm  和紙、岩絵具、箔

蛍袋のスケッチに雨はつきもので
ほとんどのスケッチに雨粒のあとがある。
しっとりした雨の似合う花。
これは設定としては雨上がりの夕方。
水蒸気の粒が見えるような湿度の中
浮かび上がるシルエット。

たおやかでちょっと風がふくと
倒れてしまいそうな見た目だけれど
秘めた強い思いを宿していそうなこのお花に
この歌を添えた。

夕されば蛍よりけに燃ゆれどもひかり見ねばや人のつれなき(古今562)
                            紀友則

【通釈】夕方になると、私の思いは蛍よりひどく燃えるけれども、蛍と違って光は見えないので、恋人は冷淡な態度をとるのだろうか。

【補記】当時の常識からすると、夕方に男の訪れを待つ女の立場で詠んだ歌ということになる。心は蛍に劣らず燃えているのに、光を発するわけではないので、人にはこの思いが伝わらない。そのことを悲しむ心が余情になっている。

ちなみにこの絵の額装は済んでいて
今週木曜日から予告的に東武さんに飾られております。
お近くを通りかかることがあれば見てみてくださいまし。

木下美香日本画展
2014年3月20日(木)~26日(水)
10:00am-8:00pm(最終日は4:30pm閉場)
池袋 東武 6F1番地 美術画廊 絵画サロン

3年


あっという間に3年が過ぎた。
いままで磐石だとおもってたものが
がらがらと崩れた日。
いろいろなことが望むように進まないけれど
希望は捨てずに。

ちいさな鐘の音
20×40cm  水彩

ひさかたの


個展前でパニクッているけれど
普段どおりお仕事はある。
毎日こもっているわけにはいかないんである。
とかいいながらルンルン出かけるのは
やっぱり人と会うのは楽しいんであるね。
日曜日の絵手紙教室、
いそいそと朝から木瓜の花を切ったり
ふきのとうを探したり
最近凝っているスープジャーでおかゆをセットしたり・・・
そうそう、このスープジャー、すばらしいの!!
文字通りスープを暖かいまま持ち歩くための
太目の水筒みたいなものなんだけれど
生のお米を大さじ2杯入れていちどお湯で温めてから
それを捨ててあらためて熱湯を注いで3時間ほどおくと
なんとおかゆができてる。
応用してスープのもととかチーズとかいれとくと
リゾット風にもなる。
ネットでググるといろんなレシピも出てるしね。
最近のお弁当はもっぱらスープジャー。
ちょっと足りないけど
お昼にふうふう熱いものをいただけるのはとっても幸せ。
そんなこんなでたのしく準備して
さてそろそろ出かけようか、という時間になった頃
急に腹痛が・・・
なんだろう、昨日大好きな干しプルーンを食べ過ぎたのか?
アーモンドも山のように食べた。
月イチのやつもそういえば近い・・・
気持ち悪い冷や汗でびっしょりになりながら
しばらくトイレにこもって
いろいろ出し切ってやっと治まったけれど
不覚!30分も遅刻してしまった。

昨日の午前のクラスの皆様、申し訳ありませんでした!

お昼のスープジャー、いつもは足りないのに
この日はジャストサイズ。

それでも夕方にはすっかりよくなって
近くのスーパーの店頭で焼いていた鶏のグリルを
しっかり買って帰りましたとさ。

ひさかたの
30×30cm  和紙、岩絵具、箔

出来上がった絵の写真をならべてみると青ばっかり!!
赤系は今のところ葉書の絵とこれくらいだ~!
これからもう少し出てくる予定であります。

桜は本当に大好きで
咲きだすとおろおろきもちが落ち着かない。
明日はどこでスケッチしようか、
時間はとれるか、早起きしなきゃ、とそんなかんじ。
せっかく早起きして行っても
風が強くて枝がわっさわっさ揺れて描けなかったりもする。
雨が降ることもある。
ろくにスケッチできないうちに散ってしまう、
それだけは避けたい!!!
今年は個展の時期と開花期が重ならないかが
もっぱらの心配事。

ひさかたの光のどけき春の日に しづ心なく花の散るらむ                          
                      紀友則

【通釈】日の光がこんなにものどかな春の日に、
どうして桜の花だけは散っていってしまうのだろうか

【補記】この歌は紀友小倉百人一首にも収録されている。
ちなみに紀友則は土佐日記で有名な紀貫之のいとこにあたる。
「ひさかたの」は「光」にかかる枕詞。「ひかりのどけき」は「のどかな光」と訳している。ここで言う「花」とは「桜の花」のことで、「暖かくなってきた春の日なのに桜の花だけはさっさと散っていってしまうのはなんでだろうか」という寂しい気持ちを表した、とても日本らしい歌。

物思い


今日も寒かった~~!!
それでもお庭やベランダのクリスマスローズが次々咲きだして
うきうきする。
お庭に咲いているのは濃い紫の。
ベランダのはピンクとうす緑のグラデーションと
紫がかったピンク。
寒いけれど春はもうすぐそこ。

物思い
30×30cm  和紙、岩絵具、箔

今日の絵は5月の庭に咲くニゲラとワスレナグサ。
五月雨のあとのスケッチを組み合わせて描いたもの。
そういえば秋に文化村のミュージアムショップで買った
フランス産の種ミックス、そろそろ植えなくっちゃ。
ドライフラワーに適したお花のミックスなんだけれど
ニゲラの立派なの?みたいなお花がが袋に描いてあった。
どんなのが出てくるかわからないって
ちょっとわくわくする~!

五月雨に 物思ひをれば ほととぎす 夜深く鳴きて いづちゆくらむ                        
                     紀友則

【通釈】夜遅く、雨の音をぼーっと聞いていると、ほととぎすの鳴き声が聞こえてきた。
あのほととぎすは、そして私は、これからどうなるのだろう・・・

恋しけば


今日は教室が午前と午後、ちがう場所で行われる。
午前の授業が終わるとすぐ移動。
今日はモチーフの用意もあるのであわただしい。
教室のある画材売り場から今日のモチーフお野菜を買いに行くのに
緩やかな坂になったオートレーンに乗る。
エレベーターの階段のないバージョン?
動く歩道の坂道バージョン?
ああいうやつね。
急いでいたものだからせかせか歩いたら
つるり滑って思いっきり転んだ。。。

「アメノヒハ タイヘンスベリヤスクナッテオリマス」

・・・君、ちょっとおそかったね・・・

あんまり痛くてすぐには立ち上がれなかった。
幸か不幸か周りには誰もいなくって
オートレーンは無情に動いていく。
このままでは吸い込まれる~!!
そんなわけないか。
終点直前にやっとよろよろと立ち上がった。

おしりが割れた~~><

痛いけど急がねばならぬ。
変な姿勢で野菜を選び、車で移動。
マイッタ。

夜になってすこしよくなってきたけど
プールはサボり。
あわてるとろくなコトがないの巻。

恋しけば
20×40cm  和紙、岩絵具、箔

去年は藤を描くのになかなか苦労した。
忙しくてなかなかいけなかったところに
やっと時間ができたと思ったら
2日とも風が強くて揺れる揺れる・・・
藤の花のグレープのような独特の香り。
さわやかな五月の空気。
待ち遠しい限り。
今年はタイミングがあいますように。

恋しけば形見にせむと我がやどに 植ゑし藤波今咲きにけり                          
                      山部赤人

【通釈】恋しい時には、あの人を思い出すよすがにしようと、我が家の庭に植えた藤――その花が今咲いたことだ。
【補記】この「今」とは、恋人に逢えず恋しく思っている現在。予期したとおりに花は恋人の「形見」となったのである。時の流れのうちに恋の経緯をほのかに暗示しつつ、逢えない恋人への思いが滲む、余韻の深い作。

八重咲くごとく


寒い日が続くけれど今日みたいに陽射しがあると
自転車通勤がきもちよい。
あちこちから梅の香り。
スケッチに行きたいなあ。
でもとてもそんな余裕がない今日この頃。
毎回おもうのだけれど
どうして余裕をもって準備ができないんだろう・・・?
でもここ1ヶ月ほどの集中力たるや
自分で言うのもなんだけれどすばらしい!
すごい勢いで作品が仕上がっていくのであった。

・・・ずっとこうだったらいいのに。

八重咲くごとく
F6号  和紙、岩絵具、箔

雨が降る日の紫陽花は格別に美しい。
でもお外でスケッチするのは雨があがってからのことがほとんど。
雨の中描いたこともあるけれど
油断すると絵具が流れる。
雨粒がぽちぽちあたった画面は好きなんだけど。

添えた歌は万葉集から。
長寿を言祝ぐ歌。
今日は母の誕生日だ。

あぢさゐの八重咲くごとく弥(や)つ代にをいませ我が背子見つつ偲はむ
                          
                      橘諸兄

【通釈】紫陽花の花が八重に咲くように、御代八代も何代も、健勝でいらしてください、そして花を眺めては貴方を思い出しましょう。

【補記】天平勝宝七歳(755)五月、丹比国人(左大臣多治比嶋の孫)邸での宴に招かれ、紫陽花に寄せて詠んだ歌。宴の主人である国人の長寿を言祝(ことほ)ぐ。当時の紫陽花は今言うガクアジサイだったらしいが、国人宅の庭には八重咲きの変種が咲いていたのだろう。因みに紫陽花を詠んだ歌はこの作を含め万葉集に二首のみ。

個展のお知らせ


ブログ滞りがちな今日この頃・・・
個展の準備でワタワタしております。

先日できてきたご案内ハガキがこちら。


今日宛名書きが済んだので来週あたり届くと思います。
ただ、こちらにいただいた枚数が少なめだったため
不行き届きがあるかと思います。
FBとかでご連絡できそうな方とかは届かないかも~><
ひらにご容赦くださいませ。。。

わたしは毎日行く予定でおりますが
アサイチとか夜6時以降においでになる場合は
ご一報くださいね!

あと手土産等のお気遣いはなさらないようお願いいたします。
来て下さるだけで十分嬉しいのです。

ほんとだった


ふだんなら自転車通勤をたのしむところだけれど
今日は雪の予報。
昨日の暖かさからは想像もつかない。
ほんとに降るの~~??
疑いつつ電車で出かけたけれど
おうちに着くころには一面真っ白に!
いくつになっても雪がふるとなんだかわくわくしてしまう。
あとで湿った重い雪かきが待っているとしても。

ひと時
30cm×60cm  和紙、岩絵具、箔

雪のように白い山百合の花。
真夏の蒸し暑い中にあってもどこか涼しげにみえるのは
雪を連想させるからなのか。

さはいへどそのひと時よまばゆかりき夏の野しめし白百合の花

   『みだれ髪』 与謝野晶子