また秋のスケッチ、そしてお勧めの展覧会


また秋のスケッチ、ヘクソカズラ。
可愛そうな名前・・・
確かにニオイは特徴的だけど
そこまで臭くはないよ~。



ヘクソカズラのスケッチ(F4 水彩)


今日から教室が始まりました。
久しぶりのお教室、やっぱり楽しいです♪

で、教室でも年賀状でも何人かの方に言っていただいたのですが
以前ご紹介した三菱1号館美術館でやっている
フィリップス・コレクション展がよかったと。

ブログの紹介記事はこちら

いわゆる有名どころね、という絵画展ではなく
個人のこだわりコレクションなので
有名な作家の作品でありながら
一味違う感覚で楽しめるのです。

調子に乗って最近観たとてもよかった展覧会をご紹介します。
渋谷の文化村ミュージアムで開催している
国立トレチャコフ美術館所蔵 ロマンティックロシア
という展覧会。
ポスターの美女に惹かれて行ってきましたが
まず風景画に圧倒されました。
細かく描写されているのだけれど
なんともいえない爽やかさが漂っています。
ロシアの森ってこんなに美しいのね。
私は特にイワン・シーシキンの作品に惹かれました。
樫の木のなんて美しいこと。
雨上がりの森の清清しさ。
日本とはまたちがう自然の美しさを
繊細な筆致で見事に描き上げています。

グリゴーリー・ミャソエードフの「秋の朝」からも
しばらく離れられませんでした。
香りたつような黄金色に紅葉した木々は
観るひとを森の奥へといざないます。
妄想の中でうっかり熊に出会いそうになりました。(笑)
行ったこともないロシアの森の秋を堪能。

そして件のポスター。
あのクラムスコイの名作《忘れえぬ女ひと》。
鳥肌がたちました。

高校生の時に読んだ
「アンナ・カレーニナ」が印象的で
ちょうど昨年読み返したところだったのですが
これはまさにアンナだ!と思いました。
この絵のモデルについては未だ謎だそうです。
でもわたしの中ではアンナそのものです。
古い体制に挑むように
自分の心に正直に恋に走った女性。
社会からは完全に爪弾きにされ
後ろ指をさされ
生き生きとしていた彼女もついに心を病んで
残酷な結末を迎えます。
なんて酷い話だ!と忘れられなかったのですが
まだ心を病む前の
毅然と世間に立ち向かう
まさにアンナのイメージ。
ぞっとするような冷たさをたたえた視線と
高級そうな黒い服は
後の不幸を暗示するようです。

高校生の頃、私が自分の部屋として使っていた部屋は
元は父の妹である叔母の部屋で
読書家であったらしい彼女の本棚には
世界文学全集がずらりと並んでいました。
ドストエフスキーにすっかりはまり
カフカを読んでわけわからんけどおもしろ!となり
スタンダール、トーマス・マン、フローベールもそこで読みました。
もう内容も作家名も忘れてしまったものもありますが
半分以上は読破したと思います。
その辺の古臭い本に出てくる女性は
つまらない旦那に愛想をつかして
新しい恋に走るも
必ず不幸になりました。
アンナは汽車に飛び込み
ボヴァリー夫人は砒素を飲みました。
こんなの読んでたから
結婚が遠のいたのか??

・・・それはともかく
いまだにその本のなかで出会った女性のイメージが
生き生きと蘇ってくることにおどろきました。
文学、芸術、おそるべし!

今年はもっと本を読もう。

そしてこの展覧会にはほかにも素晴らしい作品がいっぱいでしたので
27日までですが、ぜひ行ってみてくださいね!

追伸、ミュージアムショップ、超可愛いです♪
チェブラーシカグッズやマトリョーシカがたまらん。。。

ヘクソカズラ(屁糞葛)

学名: Paederia scandens
科名:アカネ科ヘクソカズラ属
別名:ヤイトバナ、サオトメバナ 中国植物名では鶏屎藤(けいしとう)
花期:7月から9月頃
分布:日本各地、東アジアに分布。

葉や茎に悪臭があることから屁屎葛(ヘクソカズラ)の名がある。
花弁は白色、中心は紅紫色であり
その色合いが灸を据えた跡のようなのでヤイトバナ(灸花)の別名がある。
干して水分を飛ばした果実、または生の実を薬用とする。

花言葉:「人嫌い」 「誤解を解きたい」 「意外性のある」

私、木下美香についてはこちらにいろいろ!
よろしくね♪

三菱1号館美術館 フィリップス・コレクション展にいってきました

三菱1号館美術館のブロガー内覧会に行ってきました。
今何をやっているかというと…
フィリップスコレクション展!

米国で最も優れた私立美術館の一つとして知られるワシントンのフィリップス・コレクション。
設立100周年を迎えるのだそうです。
いわゆるモダンアートのコレクションで、ゴッホ、ピカソ、ブラック、クレー、カンデンスキーなどなど超有名どころ目白押し。

ああ、よくあるやつね、と思ってはいけない!

フィリップスさんのこだわりがすごいのです。
まず入ってすぐの部屋で違和感。
この絵たちが並んでます。

※写真は特別な許可を得て撮らせていただいてます。

なんか不思議でしょ?
普通のコレクション展って、例えばピカソならピカソをまとめて並べてあるとか、風景画なら風景画とか人物画でくくってあるとか、年代順とか、なんらかの規則性がある。
けど、この部屋にある絵に共通点が見いだせない。

その謎はキュレーターさんのお話を伺って解けました。

フィリップスコレクションのほうから、そういったくくりでの展示はNGといわれ、enjoy!と言われたのだそうです。
そこで打ち出したのが、購入した時期順展示!
そうきたか!!

そんなわけで作家もモチーフも一見バラバラなのです。

が、彼らなりの遊びというか理屈があるようです。
例えば

このゴヤの「セント・ぺテロの悔恨」という、
キリストの処刑後、キリストを知っているかときかれて3回も知らない、と
シラを切ってしまったことを後悔する悲壮感漂う絵のとなりが
ピカソの半抽象の生命力あふれる闘牛の絵だったりするのです。
(ピカソのこの絵は撮影不可…)
ぺテロさんの絵の構図にご注目。
三角になってますね。
これは静かな三角。
闘牛の絵は躍動感溢れる三角の繰り返し、というわけで三角つながりなんだそうです。

私の好きな部屋の構成は

ニコラ・ド・スタールの「ソー公園」のとなりに
ヘンリー・ムーアの「家族像」(彫刻。ちなみに写真不可)
そのとなりに

ゴッホの「道路工夫」
そのとなりが

アングルの「水浴の女(小)」

そのとなりにモディリアーニ来ちゃいます!(笑)

この並び、すごくないですか?

公園→家族と樹木→並木道に人物→人物→曲線美

と連想ゲームみたいなかんじです。
実際見ていて、その謎解きができるかはともかく、
まったく趣の違う名画が並ぶので飽きません。
アングルの静謐な人物のとなりにモディリアーニ!
やるなあ・・・。

この部屋のこの壁は動物つながり…

うんうん、歩いてる歩いてる!

ん?動物?

と思うでしょ?
この絵の題名は「白い縁のある絵のための習作」byカンデンスキー

大作のための習作の一部で、馬にのって槍をもち竜に突進していく場面なんだそうです。
画面やや右下の白い線が槍。
背中を丸めて馬にのっている人が見えるでしょうか?
竜の姿もあります。

と、心の目でみる(笑)のも楽しみのひとつ。

あと有名なドガの踊り子シリーズ。

この絵の中央左手に黒いシルエットがあります。
先生が身体をひねって動きを教えてるのですが、そのひねりつながりで…

ロダーン!(笑)

こうして連想ゲームも楽しめるし、作品のクオリティーもめちゃくちゃ高いので1日いられそうな展示でした。

ちなみにミュージアムショップも相当気合いが入っていて、複製画はもちろんすばらしく
1/12のミニチュアがすっごくかわいい!

で、これが本場のフィリップスコレクション美術館の1/12のミニチュア。

写真に撮っちゃうと縮尺がわかりづらいですね・・
でもちっちゃいの!
ソファーの布までちゃんと型をおこして
作ったのだそうです。
これは非売品。
でもどうしても、という方がいたら考えます、とのことです。
いくらするんでしょ?(笑)

グッズは基本平面で、作品を持ち帰る気分でお買い物♪というかんじです。
今回、平面作品は68点ですが、ポストカードはなんと64種類!
ほぼほぼありますぜ!
そして明日から全種類セットが超お買い得5000円で1日限定五個売られるそうです。

この方がグッズ開発についてめっちゃアツく語って下さいました。

個人的にはポストカード何枚かとノートとカレンダーが買いたかったなー。
また行っちゃおうかなー。

かなりのお勧めの展示です♪(о´∀`о)

ぜひお時間作って行ってみてくださいね。

フィリップス・コレクション展!

三菱1号館美術館にて2019年2月11日(祝)まで!

浅井忠の京都遺産

昨日泉屋博古館で行われたブロガー内覧会に行ってきました。
催し物はこちら。

「浅井忠の京都遺産」

暗めの油絵を描いてた人?
くらいの知識しかなかった わたしですが
それは彼の人生の前半。
東京美術大学で黒田清輝とともに教鞭をとっていた浅井忠は
すでにその画業が完成に近づいていたときに
1900年のパリ万博、フランス留学を経て
変化する。

フランスの風景、特にグレー村に魅せられ
明るい風景を現場で描くことに打ち込んだ。

パリ万博では
その前に席巻した日本の意匠が
アールヌーボーに取り入れられ
より洗練された美しいものとなっているのに対し
伝統的な日本の工芸品が美術とみなされなかったことに衝撃をうけ
そこで京都高等工芸学校(のちの京都工芸繊維大学)設立のために来ていた
中澤岩太と出逢い
同校の図案化教授就任の依頼を受けた。

今回の展示はこの京都工芸繊維大学の美術工芸コレクション。
なかなかみられないものだと思う。

この泉屋博古館は住友コレクションの保管、展示、研究をしている機関で
京都にあるのが本館、
六本木にあるのは分館。

散逸したり戦争で焼けてしまったりはありましたが
400年もの間に集められたコレクションの一部を管理しています。

京都繊維大学の設立に対しても住友春翠さんがずいぶんと尽力されたとのことで
ここでの展示となっているようです。

工芸の旧態然としたスタイルに危機感を覚えた彼らは
この京都工芸繊維大学であたらしい工芸を作るべく
資料となる美術品をたくさん購入しました。

ポスターも折りたたんでもってきたそうです。
家紋のようなもようをあしらっていたり
日本の影響が見られます。


金属のような輝きをたたえるティファニーのガラス工芸品も
研究のため小さいものを何種類も持って帰りました。

これもティファニー。エレガント!

エミール・ミュラー。
当時艶消釉や結晶釉など新技法による特徴的な釉薬で高い評価を受けていたそうです。

にゃー!
猫様です。
ベルリン王立磁器製作所。

お花の意匠が美しい・・・

ジョルナイによる海草モチーフのベース。
この玉虫色の不思議な光を放つエオキシン釉を開発したところで
日本の釉薬研究にも大きな影響を与えた。

・・・とまあ、まだまだ写しきれないほどの
一流の美術工芸品を買い集めてきたわけです。

素晴らしいお金の使い方だと思いませんか?
これが日本の工芸の美意識を上げ
技術を上げ
今も見る人を楽しませてくれる・・・
ほんとうのすごいお金持ちは
志も高いのね。

次のセクションでは浅井忠はじめとする
ゆかりの画家たちの作品が展示されています。

浅井のグレー村の水彩スケッチなど。

有名どころのこちらを写真に撮ったので
アップしておきますね。

写真は特別な許可を得て撮ってます。

廊下に出ると内国勧業博覧会の作品がさらっと並んでいます。
そこを通り過ぎて
次のセクションではその京都高等工芸学校で実際に使われた資料と
浅井忠の図案による作品、図案集

住友家の欧州陶器

教材として購入した近代陶器

・・・とならんであります。

フランスからもってきた
アールヌーボーの図案集

こちらが浅井忠の図案集から「瓜」

浅井と工芸家のコラボでできた美しい蒔絵の箱。
これ、すっごく綺麗です・・・
池田秋悦

載せきれないですが、素敵なものたくさんでした。

陶磁器はわたし、あまり詳しくないので
ろくに写真もとらなかったのですが
そんな私でも
これでお茶を出されたらびびるなぁ、というような
凝ったデザインのティーセットがならび
その先に近代の作品がありました。


谷波山

上品で柔らかな美しさ。
彫刻科出身だというこの彫りの繊細さ。
磁器のことは何もわからないけれど
見入ってしまいます。



これも波山。

れも。

日本美術協会展で金碑第一席を受賞した作品だそうです。

学校の資料や研究のため随分とお金をかけたのが伺えます。

なかなか見られないお宝、お時間ありましたらぜひ。

特別展 「浅井忠の京都遺産―京都工芸繊維大学 美術工芸コレクション」

開館期間
2017年9月9日(土)―10月13日(金)
午前10時00分~午後5時00分(入館は4時30分まで)

開館期間中の休館日
休館日:月曜(9/18・10/9は開館、9/19(火)・10/10(火)は休館)
入館料
一般 800円(640円) / 学生600円(480円) / 中学生以下無料
20名様以上の団体の方は(  )内の割引料金
港区民(在住・在勤か在学)の方は証明書提示にて無料

レオナルド×ミケランジェロ展

三菱一号館美術館で行われているレオナルド×ミケランジェロ展のブロガー内覧会に行ってきました。
彫刻が上か、絵画が上か、という論争が巻き起こるなかで双方の代表として矢面に立ったふたり。
レオナルドが立体的なものを平面で表現する絵画が上だと主張するのに対し、ミケランジェロはどっちも同じ才知に基づくものなんだから仲良くしようよ!と。

そしてミケランジェロは作品が完成しなかった23才も年上のレオナルドに対し、こんな言葉を公衆の面前で浴びせる。

これだけ見ちゃうと仲悪かったの?と思いますが、作品を見ていくと共通点がかなり多い。
素描を大切にしたこと、小さな立体の雛形を作っての考察法、解剖学に基づくしっかりした人物像…。

こういった素描は彼らの時代から本格的に行われるようになり、単なる下書きではなくそれ自体が美しく、作家の製作プロセスを示すものとなりました。
あらためて、ほんとうに美しいです!
赤チョークで描かれたものも金属ニードルで描かれたものも!
今回は一点撮りもOKだったので、こんな写真もアップできたのですが、ぜひ本物を近くで観てください!
感動ものです。
どちらの素描も優れているのですが、どちらかというとレオナルドは柔らかいタッチで、ミケランジェロは線で立体感を出しているかんじです。

あ、この絵もありました。
ダ・ヴィンチコードに出てきたんじゃなかったっけ?
レオナルドの工房によるこの絵に関してはレオナルドの手が入っているのはキリストのおばあちゃんにあたる後ろの女性、と言われています。
近くで見るとわかるのですがたしかに顔のクオリティが全然ちがいます。
マリアとキリスト、もうちょっとがんばろうよ…( ´△`)

どちらも筋肉の描写に余念がありません。
当時は女性を描くにも男性モデルを使ったのだそうです。

はい、たしかに!

くるみの袋!(笑)

あとおもしろかったのがレダ対決。
ギリシャ神話に出てくるお話を題材にしているのだけど…
こちらがレオナルド。

この絵は本人の手ではないのですが、構想は彼のもの。
けっこう気持ちの悪い絵です。
レダは美しいのですが、白鳥の目付きのやらしいこと!
卵から生まれているこどもたち。
気持ち悪いのに目が離せなくなります。

ミケランジェロはこちら

うーん、官能的~。
でも比べてしまうとこちらのほうが常識的なかんじがします。

レオナルドが作る予定だった馬の群像はブロンズが戦争で砲弾を作るのに使われてしまったため手に入らなくなって頓挫。
たくさんの素描を残しただけとなりました。
この描写、本当にすごいです。
実際によい馬を持っている兵舎に出向いて描いていたのだそうで、相当な情熱をもって描いたのが伝わってきます。

ちなみにミケランジェロ。

もちろんすっごく上手いし的確な線で表現してますが、あまり熱は感じないかな。

2番目にアップした写真のミケランジェロの言葉はレオナルドのこの馬の彫刻作品が見たかった、という残念な気持ちが言わせたものだったのかもしれません。
本当に残念。
レオナルドは完成しなかった作品が多いんですよね。

すっかり長くなりましたが、最後に見ごたえたっぷりな彫刻作品を。

ミケランジェロのキリスト像。
これは2000年にミケランジェロの作品と判明したものだそうです。
といっても…

わかりますか?ほほからあごにかけて、大理石に筋が入っています。
これに気付いたミケランジェロは製作を放棄、続きは別の方が彫ったのだそう。

キュレーターの方によると左手と足はミケランジェロの彫刻らしいです。

ここと

ここね。

で、この作品の第2弾、本人の手によるキリスト像は写真のみの展示。
でもこの今日本にいるやつのポーズのほうが好きだなぁ。
全裸のキリスト像というのはとても珍しく、ミケランジェロだから許されたのでは、とのことです。
ギリシャ彫刻のような逞しく美しいキリスト様です。

これを日本に持ってくるのは本当に大変だったみたいですね。
大切にしっかり梱包されてきたのですが、ついてきた向こうの方にきいてもどっちが前だかわからず、こっちかな?と言われた方を前にして梱包を解いたら見事に逆だったそうで!(笑)
また包んでクレーンで持ち上げて直したのだそうです。
そしてこれは撮影OK!(混み具合によってはできなくなるかもしれないとのことです。)
窓を開けて自然光で見せてくださるそうです。
これはぜひ、昼間来たいものですなー。
あと、おすすめは図録だそうです。
ブロガー内覧会は閉館後に行われたので買えなかったのですが、日本の専門家が最新情報をもとに執筆したのだそうで、大変興味深い内容となっているとのことです。
気になる~。

昼間のキリスト像を見に来るのと、図録を買いにもういちど来ないと!

レオナルド×ミケランジェロ展
三菱一号館美術館にて
2017/6/17(土)~9/24(日)
http://mimt.jp/lemi/

今日のアネモネと暁斎展


桜の開花宣言があってすぐだけれど
また冬に逆戻りしたかのような冷たい雨。
アネモネちゃんもじっと耐えている。

先日、渋谷の文化村ザ・ミュージアムで開催中の
「ゴールドマンコレクション これぞ暁斎!世界が認めたその画力」展ブロガー内覧会に参加してきた。
写真はその日限りの特別な許可を得て。
(ただし1点撮りは不可、ということだったので見づらいかもですが・・・)

暁斎は江戸~幕末の画家で
狩野派、南画、浮世絵、西洋画など
いろんな画法を学んだ方。
その作品はその勉強熱心さで得られた画力に裏打ちされた
バラエティーに富んだもの。
観ていて楽しいものが多い。

入り口の動く地獄太夫。

地獄太夫も彼のお気に入りのテーマだったらしく
室町時代の伝説の遊女、地獄太夫に一休和尚が
悟りを開かせたというおはなしをテーマに
何点も描かれている。
地獄模様の着物をまとった地獄太夫と
ユーモラスに描かれた一休さんと骸骨。
なかにはシルクハットをかぶった骸骨もいて
日本人も西洋人も同じようにいずれは死ぬのだ、という
禅の世界を感じさせる。

暁斎、といえばカラス。
ゴールドマンさんのコレクションだけでも一空間カラスで埋め尽くせるくらい。
ほんとうにたくさん描いたらしい。
生き生きと今にも鳴き声がしそうなカラスたち。

狩野派を学んだ成果が結集しているこのあたりの作品。
見事な筆使いで猿が描かれている。
動物画がとっても生き生きしていて
ねずみ、猫などがとってもかわいかった。
写真がいまいちだったので載せませんが
ぜひ本物を!

個人的には浮世絵作品がユーモアたっぷりで
観ていて面白くて時間を忘れるようだったのだけれど
やっぱり細かいので1点撮り不可では写真にうまく写らない。
これもぜひ実物を!

そして多かったのが蛙ちゃんたち。
蛙好きにはたまらない!!
曲芸をしている蛙の図もあったりして
楽しい♪

印象に残った怖い絵。
尾上菊五郎さんが幽霊を演じるのに参考にしたというこの幽霊画
ぞっとするほどリアル。
なんと亡くなった奥さんの死に顔をデッサン、
それを元に作画したのだという。
左右の目のそれぞれ金箔銀箔が薄く切って施されており
相当のこだわりを感じる。
左側は下図。

さいごにユーモラスな作品を。
百鬼夜行図の屏風。
こちらもお化けだけれど怖くない。

本格的な絵から浮世絵、ユーモラスな動物や神様
怖い絵や可愛いお化け、春画まである
ボリュームたっぷりの
「ゴールドマンコレクション これぞ暁斎!世界が認めたその画力」展は開催中4月16日(日)まで!
渋谷の文化村ザ・ミュージアムにて

アネモネ
学名:Anemone coronaria   
科名 / 属名:キンポウゲ科 / イチリンソウ属(アネモネ属)
和名:ボタンイチゲ(牡丹一華)
原産地:ヨーロッパ南部~地中海東部沿岸地域
主な開花期:2月~5月

古くから人との関わりが深く、神話や伝説にも多く登場しているアネモネ。
ヨーロッパ南部から地中海東部沿岸地域の原生地から各地への伝播には、十字軍や巡礼者が関わっている。
「anemo」が風という意味を持ち、「one」が子や娘という意味を持つ。
アネモネは、春に咲く花で、大きさも小ぶりなので春の風に吹かれて揺れる様子から名付けられたと言われている一方で
ギリシャ神に登場する風の神ゼフュロスと恋に落ちるアネモネという名前の女神が語源だという説もある。

花言葉:「はかない恋」「恋の苦しみ」「見捨てられた」「見放された」


木下美香個展
は4月27日~30日
ワークショップ、27日は残りわずか、28日は満員となっております。

ジュリア・マーガレット・キャメロン展


キノコナイトでとよたキノ子さんにいただいた立派なひまわり。
帰りの電車が意外と混んでいたので人に花粉をつけてしまいそうでひやひや。
捨てないといけないかも、と一瞬思ったけれど
可愛いからもったいなくてできない。
Tシャツ販売用の袋を持っていたことを思い出して
しおしおになったひまわりを
しゅっとつっこんで持って帰ってきた。
帰ってから水切りをして一晩置いたらみごと復活!
美しい姿を見せてくれた。
捨てなくてほんとによかった!

先週ジュリア・マーガレット・キャメロン展のブロガー内覧会に参加してきた。
実は彼女のことはなにも知らなかった。
ポスターが素敵だったので観たいなとは思っていたのだけれど。

デジカメにはない美しい質感。
絵画を描くように撮られた写真には
物語性ももりこまれており
写真展というよりは
カメラを使った絵画展といった趣。
宗教画の実写版のような写真群は
観ていてとてもふしぎな気持ちになる。

今回はこのイベントの日のみ特別に写真を撮ることを許可していただいてるんだけど
1点撮りは不可なのでちょっと見づらいのはご容赦くださいませ。

ちなみに普段も写真OKの部屋があります!

聖書の中の登場人物をイメージして撮られた作品。

彼女が写真を撮り始めたのは48歳のとき。
妹から写真機をプレゼントされたのがきっかけ。
当時は写真機が発明されてから約20年。
庶民にいきわたったわけではなく
彼女が上流階級の婦人だったから触れられたのでしょう。
けれどお金持ちのご夫人の趣味、というには
当時のカメラを扱うのはとても大変。
コロディオン湿板方式という技法で
ネガは大きなガラスの板。
(彼女の最初のカメラは30.5cm×25.2cm、2台めは38×30.5cmの板が入る大きさだった)
今の写真サイズよりずっと大きいそのガラス板が入る大きさのカメラ。
木製のその重いカメラはもちろん手で持ってぱしゃっと撮るわけにはいかない。
スタンドで固定して撮影。
シャッターもないのでキャップの開閉でシャッターを切る。
前述のガラスの板を炭酸ソーダ等を用いて磨き
コロディオン水溶液を中央に注いで全体に回しガラスを覆い
暗室で硝酸銀水溶液に浸して感光性を与える。
ホルダーに入れたこのガラス板をカメラにセットして撮影。
ISOは0.1~1で銀の状態で変わるそうだ。
今のカメラは100~1500だからものすごい低さ!
彼女の場合は露光時間をほかの写真家よりもさらに長めにとっていたそうで
モデルさんは動いてはいけない。
撮影したそのネガはまだ湿っているうちに暗室に戻してピロガロールに浸して現像する。
ネガ像の現れたガラス板を水洗して残った銀をとりのぞき
シアン化カリウムまたはチオ硝酸ナトリウムの水溶液に浸して定着させて水洗し
ワニスをぬって保護する。
なので暗室をカメラのすぐそばにセットしなくてはならない。
撮影用のセットをしつらえ
テント式の暗室を用意し
重いカメラを持ち歩く。
小柄な彼女には相当な重労働だったことでしょう。

日本の傘を持ったこどもたち。

彼女は独学で写真技術を身につけ
自ら博物館に作品を売り込み
記録媒体にすぎなかった写真を
芸術の次元にひきあげたフロンティア。
生気あふれる人物像
巨匠の表現に倣った表現を追求し
わざとピントをずらしたり
薬品のむらによる揺らぎをそのまま作品の一部とみなしたり
ネガに傷をつけるという大胆な表現も試みた。

ポスターになっている美しい作品。

これだけ斬新でしかも女性
たたかれないわけがない。
バッシングはかなりひどかったようだけれど
彼女は全然負けなかった。
そこがほんとうにすごいとおもう。
ずっと自分の表現を高めていった。

この作品なんか、ぞくっとするほど美しい。
墓場の天使という題がついていた。
キリストがよみがえったときにいた天使がモチーフだという。

彼女のたくましさ。
ダーウィンなど有名人の肖像も撮っている。
内面や知性までにじみ出てくるような
素晴らしい写真。

たしかにお金がかかることだから
いくらお金持ちだからといっても
稼がねばね。

とても印象的だった写真。
どこかうつろな目のこの女性はキャメロンの名づけ子だそうで
24歳で夫を亡くして寡婦になってしまったという。
彼女の結婚前の写真も展示してあるのだけれど
そちらはきりりとレンズを見つめ返す強い瞳が印象的だった。

家族をモデルにした写真。
絵画的要素がかなり多い。

最後のほうの部屋には同時代のカメラマンたちの作品や
彼女の影響をうけた人たちの作品が展示されててそれも興味深い。
点数も多いしついつい足を止めてしまうので
最低2時間は確保して観にいってくださいね~。

ジュリア・マーガレット・キャメロン展
2016年7月2日(土)~9月19日(月・祝)三菱一号館美術館

開館時間 10:00~18:00(金曜、第2水曜、会期最終週平日は20:00まで)
※入館は閉館の30分前まで
休館日 月曜休館(但し、祝日の場合と9月12日は開館)
お問い合わせ 03-5777-8600(ハローダイヤル)

ヒマワリ(向日葵)

学名:Helianthus annuus
科名:キク科
別名:ニチリンソウ(日輪草)、ヒグルマ(日車)、向日葵を音読みしてヒュウガアオイ
開花時期:7月-8月
原産地:北アメリカ

和名の由来は、太陽の動きにつれてその方向を追うように花が回るといわれたことから。
ただしこの動きは生長に伴うものであるため、実際に太陽を追って動くのは生長が盛んな若い時期だけである。
ヒマワリの原産地は北アメリカ大陸西部であると考えられている。
既に紀元前からインディアンの食用作物として重要な位置を占めていた。
1510年、スペイン人がヒマワリの種を持ち帰り、マドリード植物園で栽培を開始した。
日本には17世紀に伝来している。

花言葉:「あこがれ」 「私の目はあなただけを見つめる」「崇拝」「熱愛」「光輝」「愛慕」「いつわりの富」「にせ金貨」
 

久々のおでかけ


先日スケッチした山百合。
いちばん開いた状態で。

ヤマユリ(山百合)
学名:Lilium auratum Lindl.
科名:ユリ科ユリ属
花時期:7~8月
分布:日本特産のユリ。北海道と関東地方や北陸地方を除く近畿地方以北の山地の林縁や草地に分布。
別名:鳳来寺百合(ほうらいじゆり)
花言葉:荘厳、威厳 人生の楽しみ 純潔、飾らない愛

ところで先日、東京駅近くにある三菱三号館美術館で行われている
「画鬼暁斎ー幕末明治のスター絵師と弟子コンドル」
に行ってきた。
わたしにとって暁斎といえば妖怪画、美人画、かえるの浮世絵のイメージ。
でも実は浮世絵や春画などの大衆向けの絵から
古典的な南画の山水までなんでもこなすマルチな天才画家。
万博に出展した烏の絵が最高賞を受賞したこともあり
当時は有名な超人気画家だったのだけれど
作品があまりに多岐にわたっていたため
後世ジャンル分けができず、
そのころの人気のわりに知名度が下がってしまったのだそう。

コンドルさんといえば、鹿鳴館、旧岩崎邸はじめ明治時代の近代的な建築物のデザインを手がけた
有名なロンドン出身の建築家。
日本文化の研究家でのあり、中でも日本の絵画が好きだったそうで
明治10年に20代で暁斎に弟子入り
明治22年暁斎が亡くなるまで親しい関係は続き
「暁英」の雅号をもっていた。

今回の展覧会ではコンドルさんの絵も出展されていて興味深い。
まさに日本の水墨画、といった絵であったり
暁斎の絵の模写であったり
絵を描く暁斎の姿の水彩画であったり
本業の建築のデザイン画も展示されていて
こちらも多岐にわたる。

弟子、といってもほんとうに中がよかったらしく
一緒に日光に写生に行ったり
いろいろお出かけもしているようす。
お客様が多かった暁斎の日記には
コンドルの姿がたくさん描かれていて
あまりにたくさん出てくるので
スタンプまで作ってしまったそう。
絵日記はこんなかんじ。

*写真は特別な許可を得て撮ってます。


もう終わってしまった前期と開いてあるところがちがうのだそう。
左のページにコンドルさん、いらっしゃいますねー。

このほかにも日記は何冊かあって
こまごまマメに筆を動かしていた暁斎の姿が浮かんできます。

この絵日記のある部屋にあるのはコンドルのコレクションで
100年ぶりくらいに来日した貴重な作品群だそうです。

万国博覧会で最高賞を受賞した烏の絵は100円の値がつけられた。
この100円というのは5~6人家族の一般的な年収に当たるくらいの高値だったため
なぜかと質問が殺到。
それに対して暁斎は、これはからす一羽の値段ではなく
それまで研鑽してきた技に対する対価だと答えたという。
以来100円烏と呼ばれ注文がひきもきらなかった。

そんな烏たちと鳥たち

さすがですな~。

受賞した烏も別のお部屋に展示されてますのでぜひご覧あれ!

私の好きな妖怪シリーズ、化け猫~~♪

こちらの化け猫ちゃんの絵は小さいのですが
別室でこの化け猫ちゃんと記念撮影できる場所があります。

有名な美人画もちゃんと観られます。
下図から観られるのがうれしい。
こうして名作は作られるのですね~。

9歳のときに川で生首を拾って写生をしたというエピソードをもつ暁斎。
妖怪絵はユーモラスだけどどこかリアリティーがあります。
そして9相絵といわれる、死体の絵、かなりリアル・・・><

この右側の絵は狼が生首を咥えているのですが
ほんと、見たことある人しか描けないリアルさです。
狼にも会った事があるんだそう。

写生を重んじたという暁斎。
1日に描く量もハンパなく多かったようです。

最近さぼり気味の写生、ちょっと活が入りました。
やっぱり写生だよ~!!

今回はブロガー内覧会、ということで特別に写真を撮らせていただいたのですが
1枚撮りは不可、クローズアップも不可、ということで
あまり素敵な写真でなくて申し訳ありません。

このほかにもお見せしたかったのが
戦うかえるちゃんたちや、扇子をもった蟹たち
などユーモラスな作品。
一応写真はとったのですが細かすぎて引きの写真では全然伝わらない!

あと写真不可だったこれもユーモラスな春画の数々。
グロテスクではなくぷぷっと笑っちゃうようなもので
笑い絵、ともよばれるそうです。

画鬼暁斎は9月6日まで三菱三号館美術館にて。

MicaKatolaのブログ、アップしました。

パスキン展の報告とMicaKatolaのお知らせ


久しぶりのアップ。
実はMicaKatolaの展示が来月末に決まり、少々立て込んでおりました。
カトラも忙しい中どんどん新作を生み出しているもよう。
とりあえず今できているのをこちらでチェックして見てやってくださいませ。
池袋西武のサンイデーウィークリーショップにて2月25日~3月3日です。

今日載せたスケッチはほとんど落書きですな。
冬はななめから日が差すので
お部屋いっぱいに光があふれる。
こんなに心地よいのに
毎年ここに寝そべっていたはずの彼女のすがたが見えないのは
なんともさびしい。

ところで去る1月20日、パナソニック汐留ミュージアムで行われている
パスキン展のweb内覧会に参加してきた。
パスキン、といえばあの真珠いろの肌の女性像の・・・とおもうけど
実のところなんにも知識なし。
ありがたいことに知識豊富な学芸員の方のお話が伺えたので
右から左、と抜けないうちに書いておくのでお付き合いください。

ジュール・パスキン(本名ジュリウス・モディカイ・ピンカス)はブルガリア出身。
裕福なユダヤ系の商人の息子でありました。
その後父の仕事の関係で家族でルーマニアに渡り
そのころの慣わしでウィーンで中等教育を受けます。
伯母や女中たちなど優しく面倒をみてくれるような女性に囲まれて育ったようで
その辺が後の作品の素地になったようです。
父が商人であったのに絵が描きたかったことももちろんあったのですが
娼館への出入りやそこの女将と深い中となったことから
父親と衝突、家を出てウィーンで絵の勉強を始めます。
その後ミュンヘンに行くのですが
もう早速その鋭い視点と観察力、卓越した素描力を認められ、
人気風刺雑誌ジンプリツィシムスと19歳で専属契約を結びます。
なのでお金にも困らず、気前もよかったので
友達もたくさん。
人気者だったようです。

なるほど、男前。
そのころの作品・・・といっても
今回は特別な許可を得て写真を撮ってます
1枚撮りは禁じられているためこんな写真ですみません・・・なんもわかんないね。
実に細やかなアカデミックなデッサンでした。

けれどやはり挿絵ではなく絵画が描きたかった彼は2年後パリに移住。
ミュンヘン時代の仲間の歓迎を受け
友人たちのアトリエを訪れて油彩の研鑽を積みました。
アカデミー・マティスの創設にも協力しました。
いろんな画家の影響をうけていたこのころの作品。
後の奥さんとなるエルミーヌの肖像画は発表しなかったそうです。

順風満帆でしたが1914年、第一次世界大戦が勃発
エルミーヌとともにロンドンを経てニューヨークに渡ります。
寒さが苦手だったようでキューバ、ニューオリンズにも長期滞在。
画壇の流行や他人の目を気にせず製作できる楽しさを満喫し
南国ではあたたかい色使いを得て
とてもよい体験だったようです。
この地が気に入ったようで、アメリカ国籍を取得しました。

第一次世界大戦が終結し1920年、パリに戻ります。
アメリカでの有意義な体験によって芸術は円熟の域に。
あの震えるような溶け込むような輪郭線をもつ
真珠母色の絵がついに生まれました。

この写真はほんっとひどいけれど
あの美しさは本物を観るしかないですよ~。
図録もチェックしたけれどあの輝くような美しさは伝わってこない。
震えるような線も背景と溶け込むような美しいグラデーションも
吸い込まれるように美しいのに写真にはうまく写らないようです。

あとあまりにわたしの写真がヒドイので載せなかったけれど
晩年のころ、パリ時代のエッチングもとても素敵です。
その前の落書きのように描かれた作品も軽快でユーモラスだったのだけれど
晩年のサロメや放蕩息子の版画はじっくり見入っちゃいます。

10代で家を出てから母親のお葬式にしか帰らなかったというパスキン。
ほんとうは帰って仲直りしたかったのかもしれません。

彼は45歳で自殺してしまいました。
理由は・・・
不倫関係にあったリュシーとのこと、
お酒の飲みすぎで肝臓をいためていたこと
これもお酒のせいでうつ病の兆候もあったこと
娼館通いで病気にもなってたようです。
さらに大きな画廊との契約の締結、
これで画業の自由を奪われたように感じたようです。
いろいろ重なっての最期。
まだまだ素敵な絵が描けただろうにと思うと残念。

なんとなく太宰治を連想するのはわたしだけ?

こんな終わりでしたが、絵はあくまで明るく繊細で優しさを感じます。
ぜひぜひ本物、観てくださいね~!

生誕130年 エコール・ド・パリの貴公子 パスキン展 
1月17日~3月29日 
パナソニック 汐留ミュージアム

新江ノ島水族館


アジサイをアップする前に梅雨が明けてしまいそうだ!
とりあえずひとつだけアップ。
うちはピンクの紫陽花ならきれいに咲くのだけれど
青がうまく出ない。
こちらはお向かいのお宅におじゃまして
描かせていただいたもの。

海のような青。
きれいだなぁ。

先日新江ノ島水族館の特別企画 「ナイトアクアリウム」の3Dプロジェクションマッピング体験イベントに行ってきた。
ただでさえ大好きな水族館。
特にここはくらげで有名なので一度は行ってみたいと思っていた。
それが夜のお魚を見せてくれる上にプロジェクションマッピングまでやるという。


入り口がもう不思議な感じに・・・

お魚を見つつ歩いていくと
足元に海ほたるの寄せては返す映像が映る。

その先の大きな水槽には半透明のスクリーンがかかっていて
そこに映像が映る。


写真ではわかりづらくて歯がゆいのだけど
きれいな映像と
後で悠々と泳ぐ本物のお魚のシルエットとが合わさって
次々と幻想的な美しい世界が浮かび上がる。
何度見ても見飽きない。

そして「海月の宇宙」という3Dプロジェクションマッピング。
これも美しかった~!!


普通に見ていても幻想的でふしぎな生き物、海月。
それに映像が加わって一緒に海で泳いでいるような・・・
潜水艇で旅しているような・・・


美しいアカクラゲ。

やっぱり素敵なイソギンチャクと熱帯魚。

オーシャンカフェではこんな素敵な飲み物も♪
カシスオレンジ、いただきまーす!

このカフェの近くにペンギンやアザラシがいてかわいかった!
どうやって寝るのか見てみよう!というのが
夜の水族館の醍醐味だけど
時間が早かったみたいでまだみんなおきてた。。。

夜行性のお魚が活発になったり、光ったり
昼間とはちがう姿が見られるらしい。

明日、7月20日から開催~。

特別企画 「ナイトアクアリウム」
7月20日(日)~11月30日(日)
※8月1日(金)、9月20日(土)、9月27日(土)、9月28日(日)、10/18(土)、10/24(金) 他 期間中お休みあり
17:00~20:00

こども展にいってきた


ベル状のお花、好き!
鈴蘭みたいなかわいいお花がこの時期はいろいろ咲く。
ここの森ではナルコユリ、ホウチャクソウ、アマドコロ、と
似たお花が咲いている。
これはアマドコロ。

昨日は六本木森アーツギャラリーで行われているこども展の
ブロガー特別内覧会の参加してきた。
正直に言って特別内覧会でなければスルーしちゃうくらい
ノーマークだった。
でもおはなしを聞くとノーマークだったことが恥ずかしいような
とってもレアな展覧会なのだ!

2009年~10年、モネの睡蓮の間で有名なパリのオランジュリー美術館で
20万人以上がつめかけたという特別展
“Les enfants modèles”(「モデルとなった子どもたち」と「模範的な子どもたち」のダブルミーニング)
を日本向けに再構成したものだそう。
子供の絵というのはプライベート性が高く
それゆえ出品作品のほとんどが個人蔵だという
なかなか観られないものばかりなんである。

ポスターのインパクト、ハンパない・・・


つっこみどころ満載。
きちんとしたデッサンはなされていない。
脚のかたち、おかしいし。
立ってるの?座ってるの?いやいや空気椅子っぽい・・・
そして何よりかわいくない!(笑)
持ってる人形も含めて!
でもなんとも不思議な魅力があっていちどみたら忘れられない。
そんなに大きな絵でもないのにぐっと引き寄せられる。
作者のアンリ・ルソーは50を過ぎてから画家を志したそうで
アカデミックな美術教育は一切受けていない。
彼の才能を認めたのはかのピカソ。
本物の前に立つと青い空とお花畑に浮かんだ少女の顔から目が放せない。
どこか悲しげである。
ルソーは6人ものこどもを亡くしたのだそうで
それも影響しているのかもしれない。

カリエールの「病気の子ども」という絵も印象的だった。
全体にモノトーンの霧のかかったような画面に母親に抱かれたぐったりとした赤ちゃんが浮かぶ。
当時の子どもの死亡率は高く
成人できるのは50%ほどだったそうだ。

もうひとつのほうのポスターの絵は普通にかわいい。


この子はジュリー・マネ。
女流画家ベルト・モリゾと印象派の画家マネの弟ウジェーヌ・マネの間に生まれた娘である。
この絵を描いたのはルノワール。
この絵があった部屋には母親であるモリゾが描いたマネとジュリー、もう少し大きくなったジュリーと犬の絵
ルノワールのこの絵をもとにモリゾが製作した版画
成人して画家になったジュリーが甥っ子を描いた絵
さらには大人になったジュリーの姿を描いたものもあって
ジュリーの成長を見ることができる。

代々画家の家系、というおうちは多いそうで
この展示を企画されたオランジュリー美術館の元館長、エマニュエル・ブレオン氏の家系もそのようなおうちのひとつ。
入ってすぐのところにあったそれぞれ別に丸い額に入った美少年と美少女の絵は
ブレオン氏の祖先で成長して結婚するのだけれど
もちろん描かれた当時はこどもだったのでそのようなことになるとは誰も知らなかった・・・

以下は会場の一部の写真。
*今回は特別の許可を得て撮影してます。


右の絵の賢そうな男の子、
文化人類学者として有名なクロード・レヴィ・ストロースの幼少時代だそうです。
・・・ごめん、しらないです・・・
左の少女、かわいいですなあ。


こちらは風景画の巨匠、クロード・モネの3人の子どもたち。
もちろん非売品、というかじぶんたちのために描いた絵なのでずっとモネ家にあり、
今はマルモッタン・モネ美術館の所蔵となっているそうな。


こちらはルノワールの息子たち。
あれ?息子??
女の子の格好??
そう、男の子の死亡率が高かった時代
ヨーロッパでは7~9歳になるまではげんかつぎで
男の子よりも丈夫な女の子として育てる、ということがおこなわれていたそうだ。
とくにルノワールは慎重で髪の毛を切ることすら禁じていたそう。
いちばん右はのちに映画監督になったジャン・ルノワールで
かなり面影がある・・・!

モーリス・ドニの作品たち。


どの子もかわいらしく、特徴が出ていて作者の愛情を感じる。
9人もこどもがいたんだそうな。
船に乗った男の子の絵。
この子は長じて船乗りになったのだそう。

このほか印象的だったのがピカソがこどもと遊ぶために作ったデッサンの切り抜き。
こどもと一緒になって遊ぶ姿が浮かぶよう。
写真撮影は不可だったので載せられないのが残念。

小難しい知識がなくても純粋にこどものかわいい姿を楽しめる展示。
ぜひ観にいってみてくださいまし。

内覧会中はあとでブログに載せなきゃ、とメモメモしてばかりいたので
わたしももういちどゆっくりこどもたちに会いに行きたいな。

「こども展」
会場 森アーツセンターギャラリー(六本木ヒルズ 森タワー52階)
会期 2014年4月19日(土)~6月29日(日)※会期中無休
開館時間 10時~20時 (火曜日は17時まで)※入館は閉館の30分前まで
お問い合わせ <ハローダイヤル>03-5777‐8600

アマドコロ(甘野老)
学名:Polygonatum odoratum
科目クサスギカズラ科(キジカクシ科)アマドコロ属
別名:イズイ
分布:ヨーロッパ・東アジアに分布。
花期:4月~6月

茎や根茎には甘みがあり、山菜として食用にされる。
春に伸びた芽を摘んでおひたしなどに
根茎は特に晩秋が旬とされ、天ぷらにすると美味とされる。
アマドコロとナルコユリは姿がそっくりでぱっと見で判断が付きにくい。
アマドコロは茎にゆるい角(かど)が付いており、
ナルコユリは茎の断面が円形で茎をさわっても引っかかりがない。
他にも花の付け根の形状の違いなどもある。
茎の違いから「まるこゆりにかくどころ」(ナルコユリ→茎がまるい:アマドコロ→茎がかくばっている)
と語呂合わせで憶えるとよいかも。

花言葉:「元気を出して」「心の痛みの分かる人」