霜がおりるようになると
椿の色は悪くなる。
端っこが青黒くなってしまうのだ。
まだ葉がやわらかいうちに喰われてしまったのだろうか
レースのようになってしまった葉にはすでに犯人はのこっていない。
それでもけなげに咲いている。
12月の椿の色。
昨日の冷たい雨、今日の冷たい空気
まさに真冬の到来。
ひんやりした空気に身をすくめたけれど
ふと見上げたお空の美しさに息を呑む。
ヤブツバキ(藪椿)
学名: Camellia japonica
科名:ツバキ科ツバキ属
別名:ツバキ(椿)、ヤマツバキ(山椿)、Camellia(カメリア)、Common Camellia(コモン・カメリア)
開花期:12~4月
原産地:日本(本州~九州)、台湾、朝鮮半島
日本に自生している野生種はこのヤブツバキと、その変種とされるユキツバキとヤクシマツバキの3種。
「つばき」の名は、葉に艶があることから「艶葉木(つやはき)」から転訛したもの、
あるいは葉が厚いので「厚葉木(あつはき)」から転訛したなど諸説ある。
いずれにしても古い時代に既に「つばき」と呼ばれていたようで
古事記にも「都婆岐(つばき)」が現れ
「日本書記」には”海石榴(つばき)”の字で登場する。
万葉集には9首でツバキが詠われている。
「吾妹子を 早見浜風 倭(やまと)なる 吾がまつ椿 吹かざるなゆめ」など。
これらはこの「ヤブツバキ」あるいはその変種の「ユキツバキ」であるとされている。
種子を絞って得る「椿油」は、高級食用油、整髪料や古い時代には灯りなどの燃料油としても利用されてきた。
Camellia は17世紀のチェコスロバキアの宣教師「Kamell カメル」さんの名にちなむ。
椿はカメルさんが18世紀に東洋からヨーロッパにもたらしたことで広まった。
英名でも「カメリア」と呼ぶ。
花言葉:「贅沢、おしゃれ、至上の愛らしさ、謙遜の美徳、わが運命は君の手にあり」