真夏の一番暑い時期にピークを迎えるお花はそう多くない。
その数少ないお花のひとつ、キツネノカミソリ。
彼岸花の仲間で春に出た葉っぱが消えた頃
にょきにょきと蕾がはえてくる。
ひとつひとつはすらりとかぼそいけれど
夏の深緑の木陰で群生しているさまは美しい。
あれだけ一面オレンジ色だったのに終わるのが早い。
まさにきつねにつままれたよう。
びっちりお仕事が入っていた先週とちがって
今週はのんびりペース。
お墓参りも済ませたし特にお出かけの予定もなし。
描きかけの絵を広げたり
読みかけの本をつみあげたり
たまには映画も観たいなぁ、なんてすっかりインドアをきめこんでいる。
今のうちに大きめの絵を仕上げて
きのこ版画もつくるんだ!
宣言しとかないとやらないからね。
キツネノカミソリ(狐の剃刀)
学名:Lycoris sanguinea
科名:ヒガンバナ科 ヒガンバナ属
開花期:8月~9月
分布:本州から九州に生育
ヒガンバナと同様に、花が咲くときには葉がない。
早春からスイセンに似た葉を展開し、夏草が茂るころには葉が枯れる。
その後に花茎を形成し、花を咲かせる。
キツネノカミソリはお盆ころに、ヒガンバナはお彼岸に花を咲かせ、なにやらご先祖様と因縁のある植物である。
名前の由来だが、これは細長い葉っぱをカミソリに見立てて付けられたと言われている。
なぜキツネと付くのか、キツネが生息するような場所に自生するのか、キツネが使いそうなイメージからなのか、それは憶測の域を出ない。
花の色をキツネの色に見立てた、葉がない状態でいきなり花がにょっきり伸びてくる姿が、キツネに化かされたようだからという説もある。
上ノ入遺跡(神奈川県平塚市)からは、キツネノカミソリと思われる炭化した球根が出土しており、
縄文時代には食用にされていたのではないかとも言われている。
球根は良質のデンプンを含有するが、毒性のある物質も含まれており、普通そのままでは食用にできない。
花言葉:「妖艶」