三菱1号館美術館のブロガー内覧会に行ってきました。
今何をやっているかというと…
フィリップスコレクション展!
米国で最も優れた私立美術館の一つとして知られるワシントンのフィリップス・コレクション。
設立100周年を迎えるのだそうです。
いわゆるモダンアートのコレクションで、ゴッホ、ピカソ、ブラック、クレー、カンデンスキーなどなど超有名どころ目白押し。
ああ、よくあるやつね、と思ってはいけない!
フィリップスさんのこだわりがすごいのです。
まず入ってすぐの部屋で違和感。
この絵たちが並んでます。
※写真は特別な許可を得て撮らせていただいてます。
なんか不思議でしょ?
普通のコレクション展って、例えばピカソならピカソをまとめて並べてあるとか、風景画なら風景画とか人物画でくくってあるとか、年代順とか、なんらかの規則性がある。
けど、この部屋にある絵に共通点が見いだせない。
その謎はキュレーターさんのお話を伺って解けました。
フィリップスコレクションのほうから、そういったくくりでの展示はNGといわれ、enjoy!と言われたのだそうです。
そこで打ち出したのが、購入した時期順展示!
そうきたか!!
そんなわけで作家もモチーフも一見バラバラなのです。
が、彼らなりの遊びというか理屈があるようです。
例えば
このゴヤの「セント・ぺテロの悔恨」という、
キリストの処刑後、キリストを知っているかときかれて3回も知らない、と
シラを切ってしまったことを後悔する悲壮感漂う絵のとなりが
ピカソの半抽象の生命力あふれる闘牛の絵だったりするのです。
(ピカソのこの絵は撮影不可…)
ぺテロさんの絵の構図にご注目。
三角になってますね。
これは静かな三角。
闘牛の絵は躍動感溢れる三角の繰り返し、というわけで三角つながりなんだそうです。
私の好きな部屋の構成は
ニコラ・ド・スタールの「ソー公園」のとなりに
ヘンリー・ムーアの「家族像」(彫刻。ちなみに写真不可)
そのとなりに
ゴッホの「道路工夫」
そのとなりが
アングルの「水浴の女(小)」
そのとなりにモディリアーニ来ちゃいます!(笑)
この並び、すごくないですか?
公園→家族と樹木→並木道に人物→人物→曲線美
と連想ゲームみたいなかんじです。
実際見ていて、その謎解きができるかはともかく、
まったく趣の違う名画が並ぶので飽きません。
アングルの静謐な人物のとなりにモディリアーニ!
やるなあ・・・。
この部屋のこの壁は動物つながり…
うんうん、歩いてる歩いてる!
ん?動物?
と思うでしょ?
この絵の題名は「白い縁のある絵のための習作」byカンデンスキー
大作のための習作の一部で、馬にのって槍をもち竜に突進していく場面なんだそうです。
画面やや右下の白い線が槍。
背中を丸めて馬にのっている人が見えるでしょうか?
竜の姿もあります。
と、心の目でみる(笑)のも楽しみのひとつ。
あと有名なドガの踊り子シリーズ。
この絵の中央左手に黒いシルエットがあります。
先生が身体をひねって動きを教えてるのですが、そのひねりつながりで…
ロダーン!(笑)
こうして連想ゲームも楽しめるし、作品のクオリティーもめちゃくちゃ高いので1日いられそうな展示でした。
ちなみにミュージアムショップも相当気合いが入っていて、複製画はもちろんすばらしく
1/12のミニチュアがすっごくかわいい!
で、これが本場のフィリップスコレクション美術館の1/12のミニチュア。
写真に撮っちゃうと縮尺がわかりづらいですね・・
でもちっちゃいの!
ソファーの布までちゃんと型をおこして
作ったのだそうです。
これは非売品。
でもどうしても、という方がいたら考えます、とのことです。
いくらするんでしょ?(笑)
グッズは基本平面で、作品を持ち帰る気分でお買い物♪というかんじです。
今回、平面作品は68点ですが、ポストカードはなんと64種類!
ほぼほぼありますぜ!
そして明日から全種類セットが超お買い得5000円で1日限定五個売られるそうです。
この方がグッズ開発についてめっちゃアツく語って下さいました。
個人的にはポストカード何枚かとノートとカレンダーが買いたかったなー。
また行っちゃおうかなー。
かなりのお勧めの展示です♪(о´∀`о)
ぜひお時間作って行ってみてくださいね。
三菱1号館美術館にて2019年2月11日(祝)まで!