宍戸錠さんの思い出


暖冬、と思って油断してたら今日は寒かったですね。

やはりお日さまが出ないと寒いです。
タイトルのところの画像は昨日の夕方、北風がふいてよく冷えた自転車での帰り道から。
ふとみたら富士山が見えたので嬉しくなって撮りました。
左端のほうにちっちゃく写ってます。
今日アップするのはタマアジサイの枯れたもの。
お教室の生徒さんからお借りして描きましたが、茶色く枯れた中にもなんとなく紫が残っていました。

ところで、宍戸錠さんが亡くなりましたね。

実は1度だけ、飲みに連れていっていただいたことがあります。
ムサビを卒業して本当にすぐ、みんな仕事を始める前だったと思います。同級生4人で初めてのグループ展を六本木にあった大学関係のギャラリーでやりました。
宍戸錠さんはそこの階下のバーの常連さんで、たまにギャラリーにも顔を出して飲みに連れていって下さることがあるという噂がありました。
はたして、彼はふらっと立ち寄って下さり、私たちをバーに連れていってくれました。
ところが、私たちはまだ20代。
錠さんの作品をほとんど見たことがなく、世間知らずで年代の違う方との交流も少なくて会話をうまく盛り上げる術をもちません。
SNSなどなかった時代、芸能人なんてはるか遠い存在で緊張もします。
若いだけが取り柄の私たちと呑んでも彼はつまらなかったのでしょう、
そのうち、お説教が始まりました。
「展覧会で100人は集められないと成功とはいえないぞ」
まだ美大を出たばかりの私たちは友達(ほとんどかぶってる!)と同級生、家族くらいしか集められませんでした。前述のとおりSNSなどなかったし、知名度もないし、4人がかりでも100人なんて程遠かった。
彼は言いながら怒り始めました。
私たちは黙って聞くしかありません。
そのうち激昂してバン!とテーブルを叩き、私たちは震え上がりました。
するとにやっと笑うではありませんか。
そう、お芝居だったのです。
今なら、本物の宍戸錠のお芝居を生で見られた、と感動したかもしれません。
けれど当時は冗談とわかっても怖くて、早く帰りたかった。(笑)
ほんと、もったいなかったな。
もっといろいろお話を伺えばよかった。
若すぎて、錠さんの魅力が全然わかってなかった。
テレビのニュースをみて思い出した
今から20年以上も前のお話でした。

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