お正月にスケッチに行ったのは伊豆のごろごろとした岩だらけの海岸、その名も「いがいが根」という海岸だった。
その名にふさわしくイガイガした荒っぽい岩が海岸を覆い、砂浜なんてちっともない。
そんな場所にこの植物は生えていた。
まず赤い実が目を引く。
うちにもあるテリハノイバラ。
何処にでもある蔓薔薇だ。
何処にでもあるったって、こんな栄養も少ない土すらほとんどないこんな岩場でよく育ったものだ。
こんなつややかな美しい実をたわわに実らせて。
スケッチで日が暮れてしまったので薄闇のなか、ちょっぴりいただこうと手を触れたらしたたかに刺された。ものすごいかぎづめがしっかりと付いている。
いた!いた!と言いながら2枝ほどなんとか折り取った。
うちのテリハノイバラにはなぜかとげがない。
小鳥が運んできてくれたものだけど。
それはそれで扱いが楽でよいのだけれど、この野生のノイバラのワイルドな美しさに心奪われた。
動画では一か所から描き進めていますが、この方法は初心者さんにはあまりお勧めできません。
ある程度経験を積んで、全体の仕上がりをイメージしながら描けるようになってからね。
初めはやはり全体の構図をざっくりとってからあちこちに手を入れつつ全体的に仕上げるのが近道です。
紙はホワイトワトソンを使用してますが、これが意外と扱いが難しい。
お値段がお手頃なので初心者さんが手を出しやすいのですが、初めはもう少し重ね塗りが効く紙を選んだ方がいいかも。
これはできたら一発でキメたい紙なのです。
そして一発でキマるとうっとりするような鋭い発色となります。
鮮やかで軽やかなしあがりを求める方にお勧め!
【使用画材】
ホワイトワトソン F4
透明水彩(シュミンケ・W&N・ホルベイン)
筆(不朽堂 長穂彩色(小))
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