5月に行った新潟のスケッチの様子をまだアップします。
ちょうど新芽が吹き出すころで
ちいさなかわいらしい野の花でいっぱいでした。
5月は山菜採りにもよい季節です。
ただ、お山の所有者がいらっしゃるのでむやみに採ってはいけません!
まずは定番?!
ショウジョウバカマ。
葉っぱのかたちをお猿さんの袴に見立てています。
初めて見たお花その1、アズマシロガネソウ。
高さ10cmほどの実に可憐なお花で、道路わきに群生していました。
3時をまわるとみるみるお花が閉じてしまいましたが、
立派なカメラを持った男性がこれを撮るために探していたようで
すぐ横で撮りはじめました。
わたしが描いていた花がいちばんかっこよかったらしい。
でしょでしょ!
描く前にうろうろしていちばん素敵なのを選んだんだもん。
でも一瞬遅かった!
さっきまで全開だったのに。
まあ、半閉じの状態も可愛いんですけどね。
去ってゆく高級車のナンバーは品川だった。
人のことは言えないけど
わざわざ遠くからこの小さなお花のために
よくいらしたものだ!
ちなみに屋外スケッチでは素材選びはもちろん、
場所を選ぶのもとても重要。
きれいな固体があったとしても
よい角度で安定した姿勢を長時間取れる場所でないと
よいスケッチはできないのです。
こういった下を向いたお花だと
見上げる角度で描きたいので
車道わきの斜面、というのはなかなかありがたいポジションです。
5月といえども雪の残る新潟。
そんなに寒くはないのに雪が描ける
大変恵まれた環境なのです。
この日は霧がとても素敵だったのですが
ともすると真っ白になり
ぱらぱらと雨も落ちてきたりします。
描いていたらここにもカメラの人が現れて
三脚を立て始めたのですが
すうっとまた霧が濃くなって何にも見えなくなってしまいました。
そういう意味では写真のほうが大変かな。
絵ならある程度記憶で補うことができるけれど
写真はその時ダメだといくらさっきは素敵だったって思っても撮れないもんね。
この絵は中景にちょこっと透明水彩も使っていますが
ほぼ絵墨で仕上げてます。
絵墨のことをご紹介するためにリンクを張ろうとググッたら
作品画像、私の絵が多い!(笑)
ブログから流れたのかなあ?
4つ上の行、「絵墨」のとこクリックして見てみてください。
きのことかムラサキシキブとかホトトギスは私の絵です。
買うなら四角いプラスチックのケースに入ったのを6色、
紙箱で持ち歩くのがいちばん軽くてよいです。
梅皿のはかっこいいけど重いしかさばるので持ち歩く方はやめたほうがよいです。
1色なくなったら補充できないし。
ぜんぶきれいになくなれば梅皿として使えますけどね。
絵墨の注意点。
使わないとめっちゃ乾燥します!
ぱりぱり剥けてきたらいくらお水をつけても、お湯でふやかそうとしても
黒い粉がとれるだけで全く絵具として機能しません。
あきらめて新しいのを買いましょう。
まめに使うのがいちばん。
ま新しいのが6色、紙箱に入っているとどれも真っ黒に見えて色の区別がつきづらいのですが
よく使っていると色がわかりやすくなります。
混ざっている顔料か染料が浮かんでくるのかなあ?
ちなみにこの風景画が微妙にぽつぽつしているのは霧雨のあとです。
カメラマンさんが帰ったあと、ほんとうに降りだしてあわてて片付けました。
そして初めて見たお花、その2
イワウチワ。
イワカガミのようにつややかな葉っぱなのですが
お花が全くちがいます。
透明感のある淡い桃色の薄い花びらは
なんとも魅惑的ですが
どんなにがんばってもあのとおりに描けません。
何度も何度もトライ。
描けない、描けない、と苦し楽しい時間を過ごしました。
日が暮れ始めてふと目をあげると
雪の残った森のなんと美しいこと。
マジックアワーってやつですね。
日暮れ前の一瞬の光。
手元がよく見えないまま描きなぐり、
あとで少し手を加えました。
もっともっと美しいものがたくさんあって
もっともっと描きたいものがあったのですが
時間も体力も限りがあります。
またこんどね、と泣く泣くお別れして来ました。
今回、動画を撮りたかったのですが、バッテリーや容量がなくなる問題をこの時はまだ解決していなくて
(最近はバッテリーとSDカードを買ったのでやや克服)
過程過程で写真を撮っての編集です。
夢中になると写真のことを忘れてしまって
ヌケヌケなので参考にはならないかもしれませんが
雰囲気は伝わるかな?
ではこちらからどうぞ!
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ショウジョウバカマ(猩々袴)
学名:Heloniopsis orientalis
科名:メランチウム科ショウジョウバカマ属
分布:北海道から九州までの、やや湿った場所。
主な開花期:低山では3~4月であるが、高山では雪渓が溶けたあとの6~7月になる。
花が赤いのを猩々(中国の伝説上の動物のこと)になぞらえ、根生葉の重なりが袴に似ていることから名付けられたとされる。
花言葉:「希望」
アズマシロガネソウ(東白銀草)
学名:Shortia uniflora
科名:キンポウゲ科シロカネソウ属
別名:エチゴシロカネソウ
原産地:日本の固有種
分布:秋田県から福井県の日本海側の谷沿いの湿った所
主な開花期:4-5月
食欲不振や神経痛に効能があるとされ、民間薬として利用されている。
花言葉:「幸せになる」
イワウチワ(岩団扇)
学名:Shortia uniflora
科名:イワウメ科イワウチワ属
原産地:日本の固有種
分布:本州の中国地方以北の山地帯の林内や林縁。
主な開花期:4-5月
和名は葉の形状が団扇に似た形状であることに由来する。
花言葉:「春の使者・適応力」