予想外のこともあるさ


水仙祭りのあった土曜日。
太鼓の演奏やら
なんか温かい食べ物がふるまわれるらしい。
観光で来たならそれもよいのだけれど
あんまり混んでしまうとスケッチはできない。

じつはこの日、朝日狙いで早起きして待ってたんだけれど
残念な曇り空。
水平線ギリギリのところに
線のようにほそい雲の隙間があって
そこからは燃えるような赤がちら見えしてたんだけど
それが空に広がることはなく
もやっと朝が来た。
夜はすごい星空だったのに!

あてが外れたので早々に立ち去ることにして
近くの山へ。




石切り場?
建物に使う石を採る山だったらしく
道はあるんだけれど人はいない。
土曜日だったからお仕事の人もいなかった。

山肌がおもしろかったのでスケッチ。

思いがけないものに出会えるのも
醍醐味ということで・・・。

ところでお知らせです。
5月の銀座松屋さんの個展ですが
日程が変わりました。

4月29日(月祝)~ 5月3日(金祝)

となります。
よろしくお願いいたします。

・・・3日早まった!!!!

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マジックアワー

マジックアワーというのがあります。

夕方陽が沈んでもう夜が来たかと思いきや
ふっと美しい光があたりを包みます。

バタフライの親子と別れて道具を片付け
てくてく歩いているときにその時間は訪れました。



多々戸海岸のスケッチ(F6 水彩)

実はこのスケッチはその翌日のもの。
怖いくらいの美しい風景は
あっという間に消えてしまいました。
陽が沈みきってしまえばこの光はなくなります。
それに手元が見えないとスケッチも出来ません。

なので翌日、また夕方に行って
軽く鉛筆でかたちをとった状態で
日が沈むのを待ちました。
ところが!
前日と違って風が強かった!
あの鏡のような水面は現れませんでした。
夕日の色も前日のように赤くなかった。
もやっとした色の夕日
水路は風で波立っています。
がっかりしたけど前日の記憶とあわせて
なんとかスケッチ。
風が強いので画面は砂でざらざら。
絵具がきれいにのびません。
とんびが何度か水を飲みに来たので画面に入れちゃいましたが
それもイマイチだったかな。
本当によい瞬間を捉まえようと思ったら
もっと通わなくっちゃいけない、と痛感しました。
でもこれもいずれなんとか絵にしたいな、と思ってます。

サーファーにとっては
波の状態がよかったらしく
素晴らしいパフォーマンスが見られました。
前日は波待ちしている人が多かったけれど
この日は乗っている人が多かった。
うまく波に乗れるとほんとに気持ちよさそう。
上手な人はジャンプして回転したり。

いいなあ・・・

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夕日狙い?

昨日アップしたスケッチのあと
夕焼けを描こうと場所を選んでいました。

西はあっち。
だからここで待てばキラキラした夕日が
水面に写るはず。

とりあえずざっくり構図を決め
岸の形など軽く鉛筆で描きながら
お日様が沈むのを待ちます。

桟橋、というの?
テトラボットの重なるところからのびた
コンクリでできた突端に
三脚を立てる親子とみられる中年男性と若い女の子の姿。
彼らも夕日狙いかな。
画面に入れちゃおうかな。
うっすら人影を描き始めたんだけど
あれ?向きがちがうな・・・
夕日が撮りたいなら向こうにカメラを向けるはず。
なぜかカメラがこちら向き。

何を撮影するつもりなんだろう?

・・・と疑問をもったそのとき

突然男性が海に飛び込み
バタフライでこちらに向かって泳ぎだしました!!
女の子はそれをビデオに収めています。
その日は比較的暖かでしたが1月の海です。
サーファーだってドライスーツを着てます。
私の服装はダウンにもこもこのズボンに
毛糸の帽子にマフラー。
バッシャンバッシャンとバタフライでこちら岸につくと方向を変え
こんどはクロールで戻っていきました。
あっけにとられてみていると男性は桟橋にあがり
またその一部始終を女の子はカメラに収めています。
半そでに短パン。
決してスポーツマン体型には見えない
おなかぽっこりのごく普通の中年男性です。

自主映画かなんかの撮影?
なんかの罰ゲーム?

動揺が隠せないまま
夕日がいい感じになってきたので
とりあえず人影は消して
スケッチ続行・・・



多々戸海岸のスケッチ(F6 水彩)

描いているうちに夢中になって親子のことはすっかり頭からなくなってました。

が、どこからどうまわってきたのか
描き終わったころ2人が前を通りかかりました。
濡れたTシャツもそのままに
どう見ても寒いでしょ・・・><

「あの~、バタフライしてましたよね?
 寒くないんですか?」

「毎年やってるんですよ。
 水温は16度くらいはあるから寒くないです。」

いやいやいやいや寒いって。
それに水から出たらさすがに寒いでしょ・・・

「ああ、こっちでは夏は泳ぎます。
 こっちは水がつめたいんですよね。」
と先にスケッチした漁船の出口の水路を指して言う。
「はあ・・・」

なんで動画を撮ってたのかも聞きそびれましたが
SNSにでもアップしてるのかも?
それとも本人の記録?

すごい人がいるもんだ。。。

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船の出口

この海岸はサーファーでいっぱい。
いいなあ、とっても楽しそう。
ちょっとやってみたいけれど
私がやったら怪我するのがオチだろうな。

サーファーたちを横目に
ちょっと奥にいくと
漁船がおいてあるエリアになる。
岩のかたちが素敵だったので
近づいてみると
岩がえぐれてトンネルのようになっており
そこから出られるように漁船がつないであった。

岩の隙間から
きらきらと光が差し込み美しい。



多々戸海岸のスケッチ(F6 水彩)

こんな狭い岩場から
出づらいのではないかしら、と思いながら描いてたら
この船のオーナーと思われる漁師さんが来た。
日に焼けた顔には
くっきりと海の男らしい皺が刻まれ
瞳がここの海みたいに澄んでいる。

「すみません、お邪魔してます。」

「いやいや大丈夫大丈夫!絵描いてるの?見せて!」

ほぼ描きあがっていたのでお見せしたら

「この岩なんてそのまんまだね!いや~そっくり!」

とほめてくださった。
毎日ここを見ている方に言われたのだから
やっぱり嬉しい。
こんな狭いところから海に出るのは
大変じゃないかときいてみた。

「これはね、今満ちてるけどひくんだよ」

潮が引くと岩を伝ってさっと出られるのだそうだ。

「台風なんかくると大変だよ。あっちまで潮がくるからね。
 絵、もっかい見せてよ。すごいな。」

海の景色は天候で一変するのだろう。
澄んで穏やかな今の景色からは想像もつかないくらいに。

オーナーさんの許可が出たので
もう一枚角度を変えて描かせてもらった。



多々戸海岸のスケッチ(F6 水彩)

今、これらのスケッチをもとに日本画を製作中。
仕上がったらアップしますね~。

・・・いつになるやら。

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花のいのちは短くて


先月後半にまた下田の海岸にスケッチに行きました。
水仙祭がまだ行われているはず!
先月はまだちょっと早かったんですよね。

ところがもうほとんど終わりがけ・・・

まだ先月のほうがよかったかも・・・

最後の水仙の香りに包まれながら
風景をスケッチしてきました。



爪木崎海岸のスケッチ(F6 水彩)

シラスも禁漁期間に入っちゃったので
釜揚げシラスもお預け・・・。

でも海をいっぱい描いてきましたので
またぼちぼちアップしていきます。

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たまには葱など


雪、微妙に降りましたね。
大雪?といわれていたのでちょっとわくわくしましたが・・・。

でも寒いことは寒い!
こんな日はこもってお絵かきがいちばん。

お庭にいつも来ている鳩の夫婦が
窓際のナツメの木にとまってじっとしていてくれたので
暖かい部屋の中からじっくりスケッチできました。
こんな雪の日は鳩さんもじっとしているしかないのかな。
ごはんはうちであげてるので
探しに行かなくってもいいし。

スケッチはまた後日アップしますね。

今日は教室で描いた葱を。。。



葉たまねぎのスケッチ(F4 水彩)

葉たまねぎ、として売られてました。
たまねぎがまだ小さいうちに抜いたものらしいです。
基本的に葱類はあまり好きではないので
わたしは食べませんが
描くにはなかなか素敵ですよね。

さて、明日は月に一度の絵手紙講座。
水彩紙の色紙に春の花を描きます!
けど朝は寒そう・・・><
みんな来てくれるかなあ・・・・
ほぼこの見本どおりのお花をそろえました。
絵手紙、といいつつ明日は水彩画講座ですね。
いわゆる「絵手紙」はほとんど描かないので
そろそろ講座名を変えたいなあ、と思ってますが
よいアイデアが浮かびません。
いろんな画材を使って実際に送ったり飾ったり
実用的でありながら描くことを楽しむ!みたいな講座なんですが
こう・・一言で現せないんですよね~。
アイデア募集中!

明日は多分空きはありますので飛び込み大歓迎ですよ~!

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春一番が吹いて


第一月曜日は二つ教室をもってます。
午前中は花野井の東急ビレッジ内「はなみずき」。
ここはサークルの顧問?というかたちで
運営はここの地域の方が自主的にやってくださっています。
みんな近所の仲良しさんなので
わいわいと楽しい雰囲気。

午後のクラスはすぐ近くの松葉町。
もともとは坪ショップのような手作りのものを売るお店の中でやっていた教室ですが
いまはお店はお休み中。
店主のご自宅でお茶やお菓子をつまみつつ
楽しく絵を描いております。
お菓子食べながら描けるのはここだけだな~www
(ここは第三月曜も開催。月2です)

これは店主のMさんが育てていらっしゃる苔玉ちゃん。
苔玉でこんなに見事にお花を咲かせられるなんて!!!



苔玉に蘭 スケッチ(F4 水彩)


今日はとても悲しいことがありました。
この松葉町の教室にいらしていた生徒さんのひとりが亡くなられたのです。

彼女はがんを克服したものの不整脈があり
病院通いが欠かせなくなってましたが
心がとても強い方で
愚痴や弱音などは全く口にしませんでした。
詩をたしなみ
洋裁も編み物もされ
70を過ぎてからピアノを習い始め
私の教室ではパステル画を描いてました。
いつも自作の素敵なお洋服をまとい
可愛い手編みの帽子をかぶっていらっしゃいました。
物静かでしたが芯の強さがあって
絵も粘り強く最後まで仕上げてきました。
出来上がった絵はやさしくなんともいえない味わいがあります。

教室後にみんなでご挨拶に伺いました。
お通夜が始まる前でしたがご主人ともお話できました。

夜中の3時ににこにこと起きてきたので
2人で1時間ほどお話をされたのだそうです。
そしてもう遅いからそろそろ寝よう、と言って布団に入り
翌朝起きたらすでに冷たくなっていたそうです。
身の回りはきちんと整理されていたとのこと。
なんとすばらしい最期。
常々彼女のように年を重ねたいと思っていましたが
最期も本当にうらやましいようなものでした。
お顔も先月お教室にみえてからぜんぜん変わっていなくて
いまにも起きだしそうでした。
玄関には彼女のパステル画が2つ飾ってあり
少しは人生を楽しくするお役に立てたのかなあ、としみじみ眺めました。

お宅を出ると吹き荒れていた春一番はぴたりとやんでいて
綺麗な夕焼けが欅並木をくっきりと浮かび上がらせていました。

2月22日のミニ水彩画教室参加者募集中!

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くるくるの春


今日は暖かかった千葉です。
昨日朝の通勤時に見えた筑波山は真っ白でしたが
帰りはほぼ元の色に。
そんな淡雪だったから冷凍庫にもならずにすんだのでしょうね。

待ち遠しい春。

そんな思いをこめて描いた一枚。



SPRING(SM 水彩)

これも松屋さんのプレゼンに持っていった作品です。

元のスケッチは昨年の春に取材に行った新潟で描いた
クジャクシダの芽。
くるくるとあちこち向いた芽がなんともかわいらしくて
なんとか作品にしたいと思ってました。

いっぱいいっぱい描きたいものがあって
なかなか絞れないんだけれど
絞らないと終わらないんだよね~。
結局個展の前の日まで何か描いてると思います。www

ところで昨日は守谷のジョイフルの日本画教室
今日は取手ボックスヒル内の取手カルチャー水彩画教室と
2日続けて茨城に遠征してまいりました。

私の日本画教室はこのジョイフルの教室だけで人数は多くないのですが
ほんとうにいろんな方がいます。
まるっきり絵は初めての方、
ほかの絵画をずっとやってた方
通信で本格的に日本画をされている方
ジョイフルのほかの店舗で画材の担当をしている方・・・
基本、描きたいものを好きなように描いていただいて
わからないことがあったら聞いてもらうかんじでやってます。
まず描き始める前にどうしたいのかしっかりお聞きして
手法を一緒に考えます。
道具を出して描き始めたらすぐ終わり、となってしまうのがいやだったので
もともと2時間月2回だったのを
昼休みを挟んで10時~15時、月イチにしてもらいました。
これでずいぶん効率よくなりました♪
第一金曜10時~15時です。

取手カルチャーは始まって間もない
わたしの中ではいちばん新しい教室です。
システムも独特で
ワンクール1時間半なので
そんなんじゃ描き終わらない、とワガママいいまして
3時間、月イチにしてもらいました。
これも独特なのですが、駐車場から店舗に入る入り口が
10時にならないと開かないので
始まりが10時10分。
13時までぶっ通しで描きます♪
(お腹すきます♪)
もうひとつ独特ポイント、
途中でお茶が出ます。www
なかなかないですよね、お茶が出る教室!
ちょっと嬉しい。
第一土曜10時10分~13時

そんなかんじの茨城教室。
どっちの教室もずいぶん遠くから通ってくださる方がいるので
遠い、などと文句言えません。
こころして
よい絵を描くお手伝いをしたいと思ってます。

2月22日のミニ水彩画教室参加者募集中!

ギャラリー平左衛門さんでのグループ展は3日(日)まで!

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お知らせ♪


たくさんのスケッチは血肉となって作品になります。
一昨年見に行った節分草は踊るようにまだ心の中に。



節分草(13×35cm 水彩)

今年はぜひまた見に行きたいと思ってます。
寒いけどね・・・><

ところでこういった作品をしつこく持ち込んで
何度も見ていただいていた銀座松屋さんですが
ついに日にちが決まりました!!!

ゴールデンウィーク真っ只中

4月29日(月祝)~3日(金祝)の5日間です。

今からドキドキ。
日本画と水彩画とどっちも展示する予定です。

春はスケッチも行きたいし
作品も作らなきゃなので忙しくなりそう・・・

そんなわけでしばらくはスケッチツアーとか
江戸川台付近での特別教室とかはお休みします。
よい季節なのにすみません・・・

6月以降また企画しますね!

で、これが決定する前に企画した最後?!の特別教室。
2月22日(金)に美味しいランチ付きのミニ水彩画教室を開催します。

場所は江戸川台駅から徒歩8分の「和風ダイニングわっ嘉」さんです。
驚くべき鯖定職でおなじみ!
ここはマジ美味しいです。

で、水彩紙の色紙にお花を描きます。



姫辛夷のスケッチ(F4  水彩)


こんなかんじの枝モノがいいかな、と思ってますが
そこはほかにいいお花があったら変わるかも。

色紙代が別にしてありますが
何枚か描きたい人や
お持ちのスケッチブックに
大きく描きたい人もいらっしゃるかとおもうので
そこはご自由に。
なのでお申し込みの際は色紙の要不要をお伝えくださいね。
初心者大歓迎です。
経験者の方には片ぼかしでふんわり描く描き方をお教えします。
お申し込み、お問い合わせはこちら

お待ちしてまーす!

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グループ展のお知らせ


寒さボケでお知らせを忘れていました!
実は先週の木曜日から始まっていたグループ展。

秋にお世話になった運河のギャラリー平左衛門さんです。

平左衛門倶楽部、結成!www

こちらにゆかりのある作家、ということで
お声がけいただきました。

吉野誠さんというのは
流山出身の方で
まだ肖像写真にしか使われていなかったカメラで
日本で始めてこういった何気ない風景の写真
芸術写真を撮った方なのだそうです。

ギャラリーの正面はもちろん吉野誠さん。


昔のプリントの味わいはなんともいえません。

この写真のタイトル、「知られぬ花」によせて
華をテーマにいろんな分野の作家の作品が並んでおります。

隣に並んだ小さな作品は何年かぶりに筆をとったという作家さんの水彩画。


部屋の真ん中には蓮の中にまします仏様。


花芯はほんものの蓮の実が使われてます。


右から、徳島の作家さんの日本画
平左衛門さんに現れる妖精、森さんの写真
馬艶さんの水墨画


なんとも素敵な一輪挿し!



木版画は高齢の女性作家のもの。
暖かな味わい・・・
薔薇の絵は後藤伸也さん。


お人形さんがお出迎え。


廊下の突き当たりには
印象的な大きな写真作品。


烏瓜が素敵に飾られてます!

このほかにも折鶴で作ったお花や
柿渋で加工したバッグなどいろいろな作品がありました。

全部載せきれないので
ぜひ、観にいってくださいね。

そしてわたしは水彩画を一枚出しました。


この「華」という書が出品されるのを知ってたので
それにあわせた作品を描きました。


隣に飾っていただけてとっても嬉しかったです。


カトラさん、もう観に来てくれました。

なのでお約束のコレ!


胡桃と無花果のケーキ&コーヒー!
うまうま♪

ちなみにランチはひよこまめのカレーと大根の煮物セットのどっちか。
う~!どっちにする?!

お庭ですが、梅がもうすぐ開きそうです。
見ごろにはちょっと早いかもですが
チェックしたいところ。


落ち椿は何度か描いたモチーフです。

この絵は2日がかりで描きましたが
その間の晩にめずらしく夢をみました。

横に長いテーブルがあり
友達と並んでパイプ椅子に座って焼かれるのを待っているのです。

焼かれる?

もう死んでしまったのか
死ぬのを待っているのか
そこはとても和やかで怖さも感じませんでした。
抹茶色のテーブルセンターが敷かれていたのが印象的。
私はまだ学生でした。
でもまわりの友達は学生時代の友人と今の友人とが混ざっているようでした。
私の右側から順番に立って出て行きます。
いよいよ迫ってきたころ
お皿に乗せられた片目が私の前に置かれました。

あれ?私目を取ったんだっけ?

怖さはみじんもなく淡々と眺めながら周りの人と談笑してました。
そして私が呼ばれたので周りの人に挨拶をして立ち上がりました。
何か大事なことを一言言わなくちゃ、とおもって
口から出た言葉は

「いちどでいいから就職したかったな」

でした。

あれ?私就職したことなかったっけ?あれ?あれ?

・・・と現実に引き戻され、目が覚めました。

こわっ!
なんて怖い夢だ。
とすっかり目が覚めてしまいましたが
夢のことを考えているうちに
亡くなった友達のことを思い出しました。
ムサビの日本画科は人数が少なくて
私の年は29人でしたが
もう2人も亡くなっています。

胃がんで亡くなったSちゃんは私よりよっぽど才能があったし
気持ちも優しくてとても誠実な人でした。
その当時、私は博物館のミュージアムショップで働いていて
身体を壊してたので今は無職だという彼女に
一緒にここで働かないかと勧めました。
でもまたそのあとに体調が悪くなってしまったので
それはあきらめました。
今考えるとあんなやせ方をしていたのに
なぜ気がつかなかったのでしょう。
元気になったら一緒に働けると思い込んでました。

もう一人は青天の霹靂でした。
編集でバリバリ働いてるとばかり思っていたのに
いきなりの訃報。
涙腺のがんで片目を摘出
それでも再発してしまって亡くなったということでした。
絵を描いてた人間が片目を失うことを選ぶなんて
どれだけの決意でしょう。
周りを気遣う思いやりのある人でした。

まだ美しいままに散ってしまった2人。
彼女らの気持ちに思いを馳せて続きを描きました。

華は美しいけれど
同時にどこか悲しい。
終わりがあるからこそ美しいのを
どこかで感じさせるからなのだろうね。

私、木下美香についてはこちらにいろいろ!
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