ニューヨーク チェルシーのギャラリーめぐり

3日めは、今回お世話になったキュレーターの恩田さんにお願いして、チェルシーのギャラリーを案内していただきました。
前回はなにせ時間がなく、おまけに土地勘もなくWifiもなかったのでスマホも使えず、迷いに迷ってチェルシーにたどりついたのが6時近くでほとんど閉まっていて、開いていたところのはあまりよくなくて、びっくりして帰ってきたという惨憺たる結果でした。
やはりちゃんとわかる方に案内していただけるのはうれしい!
今回参加の作家さんは私の他に切り絵作家のKiyoraさんと同じく切り絵作家のSihoさん。
まずは予約がないと入れないというギャラリーから。
高級住宅街の一角、487とかかれた扉を開けて素敵な階段を上がっていくとリビングがあり、そこがギャラリーとして使われています。


動画がおもしろいのに、スマホからだと添付できないみたい!
小さな時計がばらばらに動いていて、いつのまにかかたちを作っている、という壁かけの作品がありました。
あと、こちらは書道から発展した作品。
モビールになってます。

こちらはミラーに外の緑が映り、おいてある緑色の粉の山と同色になるという作品。幅もあわせてある。
ここでないとおけません。

横から見ると…

こう。
壁の額も同じ作者で下の鏡を水にみたてるようです。
そのほかにもあったのですが、動画がアップできないのであきらめよう。
それぞれ全く違った作品たちでした。
ちなみになぜ予約制かというと、高級住宅街なので勝手に出入りしてもらうわけにはいかないからだそうです。

ハイ・ウォークを歩いてギャラリー街へ。

所々にオブジェがあります。

これはフレームになっていて、ハイ・ウォークから見ると下の街並みがアートに、下から見ると見ている人たちがアートになるというもの。

ハイ・ウォークから降りてむかったのがJames Cohan Gallery
広々とした空間の贅沢な使いかたに驚きます。

小さい同じサイズの作品を固めて並べて、外側はたっぷり空間をとる、という展示方法、かっこよいなぁ。

こちらはアフリカの布を使ったYinka Shoobarcの作品。
この本たちはそれぞれアフリカから連れてこられた人々の家族史だそうです。
最初の展示は天井までびっしりと本が並んだのだそうです。

こちらはそのアフリカの布で作った西洋の服。
美しいだけではなく強いメッセージ性があります。

次に行ったのはGeorg Billis Gallery

ちょうど日本人のグループ展中だったのですが、観るのに夢中でうっかり写真を撮り忘れました。(涙)
肝心なときになにやってるんでしょうねー。

あ、飛行機の搭乗時間が迫ってきました。
もうすぐ帰りまーす!
つづきはまた帰ってから!(≧▽≦)

ニューヨークグループ展にて

プロの方に撮っていただいた写真集が届きましたのでアップします。

ギャラリーめぐり、美術館めぐりの報告もしたいのですがいろいろ見すぎて整理がついてません…(笑)

アートの見方そのものが変わった体験でした。
もっと若いうちに行っておくんだった!
ま、今がいちばん若いんですよね。
こちら時間で明日の昼頃発ちます。
帰りたくなくなっちゃったけど、絶対また来る!ということで。

July 2017 NY Parasol Projects – Between the Lines

オープニングパーティ

オープニングパーティの前にホイットニー美術館に行ったわたくし。
とても眠くなったので少しだけお昼寝していくことにした。
シャワーを浴びてほんの30分…とおもったら寝過ごした!!!!
目覚ましも聞こえないくらい熟睡していたようで、開始までもうあと一時間を切っている。
そこから急いで化粧、着物を着てギャラリーへ。
30分の遅刻…。

じつはオープニングパーティなんて日本でもやったことがない。
まるっきり初めてで本当に人が来てくれるのか、見当もつかなかった。
…が!

ごった返してる!!!
こんなに賑わうとは思ってもみませんでした。
キュレーターの恩田さんやアートレイツさんの尽力あってのことでしょう。
二時間のあいだ、来客は途切れることがなく、ニューヨークのすごいキュレーターをご紹介いただいたり、充実したパーティでした。

キュレーターの恩田さんと金髪の方もキュレーター!美しい!

作家の皆さんと。

こちらは日本人にみえますが、チベットの方です。
楽しかった!(≧▽≦)

銀座のギャラリーでもパーティをしているのを見かけますが、知り合いでないとなんとなく入りづらいですよね。
ニューヨークの方は木曜にオープニングパーティをするところが多いので、アート好きな方はあちこちまわって楽しむようです。
興味をもてば普段はアートをみない方も入ってきてくださいます。

しかし、ニューヨークの人は早口!
一ヶ月の特訓の成果はあまりなかったですなー。
もう少し難しい話もできるようになりたいです。

昨日はチェルシーのギャラリーめぐり、今日はMOMAにきています。
レポートはまた!

ニューヨーク到着

無事着きました!

ジェット・ケイ!
錦織選手が!(≧▽≦)

空港からホテルまでいくのにけっこう大変でした。
A列車に乗りたかったのでタクシーつかわず…

大変だったけど、おもしろかった。
いろいろな人が乗ってくるし、途中までは地上なので風景も楽しめます。

ホテルはダブルブッキングで直前に変わってしまったんだけど、ギャラリーから徒歩10分のとこにとっていただきました。
…のはずが40分かかった!

今回はWifi完備だから完璧!と思ってたのに。
中華街の近くだったのでおもしろいお店がたくさんありました。

乾燥きのこ屋さん。
果物も竜眼とかライチとかドラゴンフルーツとかちょっと変わったものを売ってます。
とりあえず竜眼ゲット!

…でやっとたどりついたギャラリー。

花の切り絵の作家さん、Kiyoraさんがもうすでにいらしてました。
なんて繊細なお仕事!

日曜日からもうNY入りしているそうです。
搬入にも立ち会ったとか。
とても素敵な方です♪

今日の夕方はオープニングパーティ。
午前中はホイットニー美術館に来てます。

座ると寝ちゃうーー。
夕方までがんばります。(*´ω`*)

ニューヨークへ!

ゆうべパソコンでやりたいことがたくさんあったのだけど、急にアップデートが始まってしまい、全く使えなくなってしまった。
今朝起きたらまだウイーーーンといっていたのでほっといて来てしまったけれど、帰るまでには終わってるかな?

そんなわけで、ブログの更新もままならず、空港での待ち時間にスマホから更新しております。

今回は贅沢して直行便に。
羽田空港からです♪

初めてゆっくり見て回ったけど、おもしろいお店がたくさんあるのですねー。
忍者Tシャツ、和の小物類はなんとなく想像つくのですが、ランドセルが売られているとは!
海外で流行っているときいたことあったけど本当なのね。

朝ごはんはやはり和食です。

ニューヨークレポは着いてからやるとして、今日お知らせしたいのはこちら。

柏市のいしど画材さん主催のお教室すべての合同発表会、いしどアートスクール絵画展。
私の水彩画教室と絵手紙教室の生徒さんたちが出してくださっています。
私も二点、水彩画を出してます。
他のお教室の作品も日本画、洋画、版画、絵本、児童画などバリエーションに富んでいて毎年見ごたえのあるものとなっています。
お近くの方、ぜひよろしくお願いいたします。

私は25日帰国予定ですので、26日のお昼頃か夕方行く予定です。

私の作品の写真を撮っておいたのにスマホからではアップできないわーー。
仕方ないのでモデルだけ。

この子です。(*´ω`*)
美しい!

現場で描きましたので臨場感あるスケッチかと。
動画は時間に余裕がなくて撮れませんでした。(家族が車使うから早く帰ってこいと!笑)
しかし暑かった!
蚊もすごかった!

動画はまた帰ったらなにかしら録ってアップしますのでお待ちくださいね。

もう一点は紫陽花。
これはお部屋で描いたのでまたちがう雰囲気です。
紙も高級コットン紙アルシュ。
ちなみに山百合はパルプ紙のラングトンです。
違いを見てみてくださいね。

このごろ私は現地でスケッチするときは主にラングトン、製作のときはアルシュなどのコットン紙を使っています。
パルプ紙はすぐに絵具がしみこまないので、絵具を動かして修正しながら描けます。その場でかたちを直しながら軽めに描けるので気に入っています。

コットン紙は地塗りが動かないので製作むき。発色もとても強く美しいです。(パルプの軽い感じも好きですが)
あ、でも風景にはコットン紙だな。

みなさまもいろいろ使ってみて下さい。
初めて使ったときに苦手!と思っても慣れるとよくなったりします。
特徴を考慮しつつ。

私が使っている
パルプ紙
*ラングトン◎
*ワトソンのホワイト⭕

コットン紙
*ウォーターフォード(コットン紙のわりにお値段がやさしい♪)⭕
*アルシュ◎(言わずと知れた高級紙!)
*セヌリエ◎
*デネブ◎

さて、搭乗時間が迫ってきました。
いってきまーす!

落ち椿の美学 そしていよいよニューヨーク


もうほぼほぼ出国に関してはやることもないのですが、
「行くまでに済ませてほしいこと」
がけっこうあり
朝からジェノベーゼソースを作ったり(母が育てたバジルが大きくなったので緊急!?)
母のオカリナチームの舞台衣装のシャツにプリントしたり
妙なことでバタバタしております。

先日DMができたということで送られてきました。

10人展、全く知らない方ばかり。
お名前でググって作品の素晴らしさにびびってみたりしてます。
きっと見ごたえのあるものとなるでしょう。
現地からレポートします♪

私の3枚目の作品はこちら。


LIFE(White) 606mm x 455mm Mixed media


技法としては前回のLIFE(Red)やFreeting momenntと同じくミクストメディア。
LIFEと対になってます。
美しい姿を残したままぽとりと落ちる椿は
構想を抱いたまま何年もしまったままでした。
もっと画面をおおきくできるのなら
亡くなったわたしの相棒、黒猫のあんみつさんを登場させたかった。
赤と黒、落ちる陰・・・
帰国したらまた取り組んでいこうと思います。

荷造りはだいたい完了。
わすれもののないように!

ギャラリー名:パラソルプロジェクト

アドレス:2 Rivington St, New York, NY 10002 アメリカ合衆国

2017・7・19~23

地図

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絵を通して自分がいちばん表現したかったこと

出発がいよいよ一週間後に迫ってきました。
楽しみすぎて寝られない、というのはだいぶ収まってきて
落ち着きを取り戻しつつあります。
というのも体調崩したり(すでに回復)転んで怪我したり(たいしたことはないです)して
あまりばたばたできなくなっちゃったんですよね~。
そうっと何事も無理しないように過ごしております。

今日アップしたのは今回出す作品の中でいちばん小さいもの。


Fleeting moment 300mm x 300mm Mixed media


技法としては前回のLIFE(Red)と同じくミクストメディア。
蓮の葉の上のころころとした露。
これも20年前から水彩、日本画、木版画などで描いているモチーフです。
こうしたすぐにも消えてしまいそうな美しさを持つものに私はいつも惹きつけられるのです。
今回出す3点のテーマはどれもこの儚い瞬間の美、Fleeting moment。

出展するにあたって今年の4月にいちども行った事のなかったニューヨークに下見に行きました。
美術館はもちろん素晴らしかった!
けれどギャラリー街に行ってショックを受けました。
あれはもうすでに抽象でもない、
ミニマムアート、というのでしょうか
無機的なモノが置いてあるだけだったり
ストッキングを伸ばしてパネルに貼り付けてあったり
写真も素人が撮ったスナップのようなものを伸ばして展示してあったり
映像の展示も見たけれど、ひたすらソファーを壊してる映像だったり
太り気味のごく普通の女性がお風呂に入ってなにやら新聞記事を壁に貼り付けながら
ケーキをむしゃむしゃ食べていたり
・・・全くわかりませんでした。
美しいと思える作品がとても少なかった・・・ていうかほとんどなかった。
ここで発表して認めてもらえるんだろうか?
ここで発表する意味があるんだろうか?
これらを理解できなくて私にアーティストの資格はあるんだろうか?
かなりおちこんで帰ってきたのですが
もうやると決めてしまっていたので
できることを精一杯やることにしました。

ステートメントを書くにあたって今までやってきたことを思い出したり
私は何をいちばん表現したいんだろう?と改めてじっくり考えました。
さかのぼること16年?かな?
父が亡くなって誰でもいつかは死ぬ、というごくごくあたりまえのことに気がつき
大きなショックをうけたことがきっかけで
水に浮かぶ花びらを半抽象的に描きました。
手のひらに包んだ細かい砂が零れてしまうように
どんなにぎゅっとつかんだ大切なものでもいつかは失われてしまう。
悲しいことだけれど、だからこそいのちは美しい。
そういう思いをこめて描いていたのです。
そこから派生した半抽象画はデパートで発表して一枚も売れませんでした。
それ以来ずっと封印していたんだけれど
これがいちばんわたしのやりたいことなんじゃないかという結論にたどり着いたのでした。

数年前よりたくさんスケッチをこなし
いろんなスタイルの絵を描いて
自分の中ではグレードアップしたつもりです。
周りからは絵が変わった、といわれるのですが
自分の中では戻ってきた感じ。

ニューヨークの人々にはどう映るのかわかりませんが
伝わるものがあるとよいなとおもいます。

ギャラリー名:パラソルプロジェクト

アドレス:2 Rivington St, New York, NY 10002 アメリカ合衆国

2017・7・19~23

地図

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レオナルド×ミケランジェロ展

三菱一号館美術館で行われているレオナルド×ミケランジェロ展のブロガー内覧会に行ってきました。
彫刻が上か、絵画が上か、という論争が巻き起こるなかで双方の代表として矢面に立ったふたり。
レオナルドが立体的なものを平面で表現する絵画が上だと主張するのに対し、ミケランジェロはどっちも同じ才知に基づくものなんだから仲良くしようよ!と。

そしてミケランジェロは作品が完成しなかった23才も年上のレオナルドに対し、こんな言葉を公衆の面前で浴びせる。

これだけ見ちゃうと仲悪かったの?と思いますが、作品を見ていくと共通点がかなり多い。
素描を大切にしたこと、小さな立体の雛形を作っての考察法、解剖学に基づくしっかりした人物像…。

こういった素描は彼らの時代から本格的に行われるようになり、単なる下書きではなくそれ自体が美しく、作家の製作プロセスを示すものとなりました。
あらためて、ほんとうに美しいです!
赤チョークで描かれたものも金属ニードルで描かれたものも!
今回は一点撮りもOKだったので、こんな写真もアップできたのですが、ぜひ本物を近くで観てください!
感動ものです。
どちらの素描も優れているのですが、どちらかというとレオナルドは柔らかいタッチで、ミケランジェロは線で立体感を出しているかんじです。

あ、この絵もありました。
ダ・ヴィンチコードに出てきたんじゃなかったっけ?
レオナルドの工房によるこの絵に関してはレオナルドの手が入っているのはキリストのおばあちゃんにあたる後ろの女性、と言われています。
近くで見るとわかるのですがたしかに顔のクオリティが全然ちがいます。
マリアとキリスト、もうちょっとがんばろうよ…( ´△`)

どちらも筋肉の描写に余念がありません。
当時は女性を描くにも男性モデルを使ったのだそうです。

はい、たしかに!

くるみの袋!(笑)

あとおもしろかったのがレダ対決。
ギリシャ神話に出てくるお話を題材にしているのだけど…
こちらがレオナルド。

この絵は本人の手ではないのですが、構想は彼のもの。
けっこう気持ちの悪い絵です。
レダは美しいのですが、白鳥の目付きのやらしいこと!
卵から生まれているこどもたち。
気持ち悪いのに目が離せなくなります。

ミケランジェロはこちら

うーん、官能的~。
でも比べてしまうとこちらのほうが常識的なかんじがします。

レオナルドが作る予定だった馬の群像はブロンズが戦争で砲弾を作るのに使われてしまったため手に入らなくなって頓挫。
たくさんの素描を残しただけとなりました。
この描写、本当にすごいです。
実際によい馬を持っている兵舎に出向いて描いていたのだそうで、相当な情熱をもって描いたのが伝わってきます。

ちなみにミケランジェロ。

もちろんすっごく上手いし的確な線で表現してますが、あまり熱は感じないかな。

2番目にアップした写真のミケランジェロの言葉はレオナルドのこの馬の彫刻作品が見たかった、という残念な気持ちが言わせたものだったのかもしれません。
本当に残念。
レオナルドは完成しなかった作品が多いんですよね。

すっかり長くなりましたが、最後に見ごたえたっぷりな彫刻作品を。

ミケランジェロのキリスト像。
これは2000年にミケランジェロの作品と判明したものだそうです。
といっても…

わかりますか?ほほからあごにかけて、大理石に筋が入っています。
これに気付いたミケランジェロは製作を放棄、続きは別の方が彫ったのだそう。

キュレーターの方によると左手と足はミケランジェロの彫刻らしいです。

ここと

ここね。

で、この作品の第2弾、本人の手によるキリスト像は写真のみの展示。
でもこの今日本にいるやつのポーズのほうが好きだなぁ。
全裸のキリスト像というのはとても珍しく、ミケランジェロだから許されたのでは、とのことです。
ギリシャ彫刻のような逞しく美しいキリスト様です。

これを日本に持ってくるのは本当に大変だったみたいですね。
大切にしっかり梱包されてきたのですが、ついてきた向こうの方にきいてもどっちが前だかわからず、こっちかな?と言われた方を前にして梱包を解いたら見事に逆だったそうで!(笑)
また包んでクレーンで持ち上げて直したのだそうです。
そしてこれは撮影OK!(混み具合によってはできなくなるかもしれないとのことです。)
窓を開けて自然光で見せてくださるそうです。
これはぜひ、昼間来たいものですなー。
あと、おすすめは図録だそうです。
ブロガー内覧会は閉館後に行われたので買えなかったのですが、日本の専門家が最新情報をもとに執筆したのだそうで、大変興味深い内容となっているとのことです。
気になる~。

昼間のキリスト像を見に来るのと、図録を買いにもういちど来ないと!

レオナルド×ミケランジェロ展
三菱一号館美術館にて
2017/6/17(土)~9/24(日)
http://mimt.jp/lemi/

透明水彩の特徴を生かす!


昨日掲載のNY行きについて
いろいろな方から応援の言葉をいただき、実際翻訳をしてくださるという方まで現れました。
ほんとうにほんとうにありがとうございます!
無謀かもしれませんが、海外での発表は夢でもありましたので
楽しんでがんばって来たいとおもいます!
さらなる応援、よろしくおねがいいたします。

今日は軽めのスケッチのアップです。
教室で描いたスプレー薔薇。

水彩画といってもたくさんの技法があり、
作家さんによって描き方も手順もまちまち。
なのであんまりこうしましょう!と型にはめたくないのです。
ただ、この日生徒さんから汲み取ったお悩みは
けっこうな数の方々に共通すると思います。

この方はしっかりとした描写力を持っていて(以前ボタニカルアートもちょっとやっていたそう)
出来上がった絵には全く問題ないのですが
ご本人は自分の絵に満足していません。
もっとふわっと優しいタッチで描きたい、とおっしゃるのです。
こういう方は意外と多いです。
ふわっとなるかどうかはともかく、問題をあげるならば
モノの色にとらわれすぎてしまっているのです。
美しいお花の色を再現したいという気持ちはよくわかります。
でも花は黄色、葉っぱは緑、と塗り分けると塗り絵のようになってしまいます。
上手い方は特にきっちり描けちゃうので説明的になりがち。
陰になっている部分、光っている部分がどういう風に見えるか比較して
モノの色にとらわれない影色をつかむことが大事です。
いろいろな方法があるのですがとりあえず手っ取り早く塗り分けから脱出する方法。

もういきなり黄色をざっくりとおいてしまいます。
私は下描きなしで色をおきますが、初めは鉛筆で描いたあとでもいいです。
お花の部分はもちろん、葉っぱや茎になる予定のところも大雑把に乗せちゃいます。
乾かないうちに薔薇の真ん中の赤っぽいところの色をちょんちょんとさしていきます。
緑の予定のところにもぽんと青をのせます。
この時点ではびちゃびちゃ。
でも全体の雰囲気はとれてる、といったかんじです。
そんで乾くまで待ちます。

ここが大事なのでもういちど。

乾くまで待ちます。

多少はみ出ても足りなくて白いところが残っても大丈夫なのである程度ぱっぱっと色を乗せたら乾くまで触らないでくださいね。
絵具の色の美しさに酔いしれる感じ?
子供のころクレヨンでがりがりと好きな色をぬりたくったあの感じ?
楽しんで!

それからいつものとおりに描いてみてください。
それだけで随分ちがうはず。
こういうことを説明しながらこの絵を描いたのだけれど
一緒にやってもらってもなかなかうまくいかなかったですね。
最初に乗せる色が弱い(薄すぎる)のと全体の雰囲気を捉えきれていないのかな。
細かいところ、たとえば花びらの重なっているところとかについつい目が行っちゃうのですが
最初はもっと大まかでよいのです。

あと、このやり方でおもしろいのは黄色が下に入っているので
青を乗せると透明水彩の特徴、下の色が透けて緑になります。
なので葉っぱを描くときに青だけで描くところもあると変化がでます。
私はこの絵の葉っぱ部分はほとんど青で描いています。
ちょこっと緑混ぜたり黄色混ぜたりもしていますが。
そうして緑を作っていくと緑の絵具に頼らなくても
緑に見せることができるのだと実感できると思います。

最初から上手くはいきません。いかなくてもよいのでちょこっと試してみてね♪

木下美香の水彩画教室、日本画教室のご案内はこちら

ニューヨークでのグループ展情報は以下のとおり♪

ギャラリー名:パラソルプロジェクト

アドレス:2 Rivington St, New York, NY 10002 アメリカ合衆国

2017・7・19~23

ニューヨークでグループ展


最近、ブログが進まず申し訳ありません!
スケッチをしていないわけではないのだけど
ちょっとバタバタしております。
今月、ニューヨークでグループ展に参加します!
3点のみの出品ですが
初の海外展示、ほんとうに楽しみ。

ギャラリー名:パラソルプロジェクト

アドレス:2 Rivington St, New York, NY 10002 アメリカ合衆国

2017・7・19~23

地図

わたしは19日にNYに立ちます!

作品はすでに送ってあるのだけど
いろいろ足りないことが思い浮かんでしまい、
ひとりであせっている状態。
遠足前日、寝られない!という状態がここ1ヶ月ほど続いており
さすがに落ち着かねば・・・というかんじです。

とりあえず一点アップ。


LIFE(Red) 606mm x 410mm(M12) Mixed media


この桜の花びらシリーズは父が亡くなった年に始まったので
かれこれ16年くらいになりますか・・・

海外で発表するのは初めてなので勝手のちがいに戸惑います。
むこうのキュレーターによると
額に入れないのが一般的で
作品も日本のようにたくさんは並べないで空間を贅沢に使うのだそう。
ポートフォリオとよばれる作品集と
ステートメントを用意するようにいわれました。

ス、ステートメント・・・?

ステートメントとはアーティストの声明文。
どんなコンセプトでどういう風に作品を作っているのか、
何を表現したいのかを文章で表すわけです。
そんなもの、書いたことない!
おまけに英文!?

まず日本語で書くのにえらい時間がかかりました。
そして今、翻訳中・・・
やばい、できてない。。

とりあえず日本語でざっくりいうと
私が目指しているのは儚く消える一瞬の美を捉まえたい、ということ。
普段わたしたちは今の世界が刻々と変化し
いつか終わりが来ることを知りながら日々暮らしている。
自分も自分の大切な人もいつか死ぬ、これは動かしようのない事実。
その移ろいゆくことへの喜びも悲しみも儚いからこそ美しい。
現場でのスケッチにこだわるのもその移ろいを肌で感じることができるから。
水彩は一瞬の美を捉まえるのにとても適しているのだ。
それを重ねて削って削ってひとつのイメージにもっていく。
そうしてできたのが今回の作品たち。

ざっとこんなことを言いたいのだけど・・・

あといろいろ英訳しなくてはならないものがたくさん。
ブログはあきらめるとして、ホームページはなんとかしないと。
フェイスブックも個人のアカウントとは別にアーティストのページを作りました。

https://www.facebook.com/micakinoshita22cat/

で検索できるそうです。
まだなんにもアップしてないけどそのうち増やすのでよろしくお願いします♪

そして初めて英会話スクールというものに通い始めました。
ええ、今月からですとも。
めっちゃ詰め込んでます。

この絵に関して技法的なことをいいますと
ジャンルとしては日本画かな。
日本画というと水墨画と混同する方が多いのですが今はちょっとちがいます。
昔は南画とかを習得した方が描いてました。
基礎としてそういうものがあったのは確かです。
でも今日本画と呼ばれているものは
和紙や絵絹に膠と岩絵具をつかって描いたものです。
とはいえ今はキャンバスに描く人も板に描く人もいるし
膠も樹脂でできたものがあるしアクリルとまぜて描く人もいます。
洋画だか日本画だか一見してわからないものもあります。
このジャンル分けに関してはナンセンスだという意見も多いのです。
もともと西洋から洋画が入ってきたときにそれと分けるために作られたジャンルなので
あまり意味はないかも。

とりあえずこれは日本画っぽいです。
紙はレジンペーパーといって樹脂を練りこんだ
薄いのにとても丈夫な紙を使っています。
伝統的な動物膠ではなくレジン(樹脂)膠を使用。
絵具は胡粉や水干や岩絵具などちゃんと日本画で使うものも使ってます。
でも最近は顔料もよく使います。
安いし、ちゃんと選べば色あせや色浮きもないからです。
日本画っぽい、ではかっこつかないので
「ミクストメディア(混合技法)」ということにしておきましょう。

そんなわけでわたしの日本画教室では邪道?と思われるようなものも使います。
動物膠は手間がかかる上に腐ったり割れたりかびたり・・・あまりよくないので
レジンを使っています。
色鉛筆なんかも使います。

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