菜の花の思い出


昨日までの蒸し暑さはどこへやら
千葉は随分涼しいです。
昨日までの暴風もすっかり静かになりました。
ところによっては雨がものすごいようで
ニュースをみてびびってます・・・><
みなさま、お気をつけて!!!

今日アップするのは珍しく注文を受けて描いた絵です。

出逢いは2回目の池袋東武での個展でした。
水彩画中心に出してまして
その中でもわたしの気に入っていた
山で描いた可憐な花々の絵を購入してくださったのが
U様でした。

それから何度か個展にお運びいただいてましたが
何年か前のギャラリーでの個展のときに
奥様を亡くされたお話をされ
奥様が入院されている病院に通う道すがらに見た
美しい菜の花が一面に咲く風景が忘れられないとおっしゃってました。
一緒にその道を歩かれたのだったか
一緒に歩きたいと想ったのだったか
その一面の菜の花は奥様の思い出と強く結びついているようでした。

わたしもわかります。
父が入院していた病院の屋上から見た
真っ赤な夕焼けを背景にした真っ白な富士山は
父への想いと強く結びついていて
今も冬の息を呑むような夕焼けと富士山を見ると
胸が痛みます。

いつか菜の花と月とを入れた夫婦の絵を描いてほしい
いつでもいいから、と言われてました。

それからずっと気にはしてました。
でも難しくて
なかなか手がつけられませんでした。

がとうとう昨年末、お手紙をいただきました。
菜の花、満月、夫婦の影を入れた水彩画をお願いします、と。
急ぎません、と添えていただいてましたが
奥様への気持ちを考えるとなんとか早く応えたいと思いました。

お願いして奥様の写真を送っていただき
菜の花のスケッチもし直して
取り組みました。

けどね、やっぱり難しいのです。
言われたものを全部普通に入れると
どうもポスターのような
説明画のような
なんともいえないものになってしまいます。
何度か描きなおしましたが
納得がいかず
結局3月の個展には間に合わず
個展後にじっくり取り組むことにしました。

そしてやっと・・・



菜の花の想い(36cm×51cm水彩)

やっと納得のいくものが描けました。

U様にも気に入っていただけたようで
本当によかった。

大切なパートナーを亡くされた方の気持ちは
本人にしかわかりません。
どれだけ悲しくつらいことだったろう、
一緒にしたいこと
一緒に行きたい場所が
まだまだいっぱいあったのだろうと想像します。
亡くされたあともずっと何年も想い続け
美しい思い出を
かたちに残したいと思われる気持ちに
なんとか応えられたのなら
こんなに嬉しいことはありません。

絵描きというのは
災害時とか非常時とか
いざというときはなんの役にも立ちません。
東日本大震災のときに痛感しました。
でも心の支え、潤い、ちょっとでも
そういう風にお役に立てることがあればいいなと
常に思っています。

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