絵を通して自分がいちばん表現したかったこと

出発がいよいよ一週間後に迫ってきました。
楽しみすぎて寝られない、というのはだいぶ収まってきて
落ち着きを取り戻しつつあります。
というのも体調崩したり(すでに回復)転んで怪我したり(たいしたことはないです)して
あまりばたばたできなくなっちゃったんですよね~。
そうっと何事も無理しないように過ごしております。

今日アップしたのは今回出す作品の中でいちばん小さいもの。


Fleeting moment 300mm x 300mm Mixed media


技法としては前回のLIFE(Red)と同じくミクストメディア。
蓮の葉の上のころころとした露。
これも20年前から水彩、日本画、木版画などで描いているモチーフです。
こうしたすぐにも消えてしまいそうな美しさを持つものに私はいつも惹きつけられるのです。
今回出す3点のテーマはどれもこの儚い瞬間の美、Fleeting moment。

出展するにあたって今年の4月にいちども行った事のなかったニューヨークに下見に行きました。
美術館はもちろん素晴らしかった!
けれどギャラリー街に行ってショックを受けました。
あれはもうすでに抽象でもない、
ミニマムアート、というのでしょうか
無機的なモノが置いてあるだけだったり
ストッキングを伸ばしてパネルに貼り付けてあったり
写真も素人が撮ったスナップのようなものを伸ばして展示してあったり
映像の展示も見たけれど、ひたすらソファーを壊してる映像だったり
太り気味のごく普通の女性がお風呂に入ってなにやら新聞記事を壁に貼り付けながら
ケーキをむしゃむしゃ食べていたり
・・・全くわかりませんでした。
美しいと思える作品がとても少なかった・・・ていうかほとんどなかった。
ここで発表して認めてもらえるんだろうか?
ここで発表する意味があるんだろうか?
これらを理解できなくて私にアーティストの資格はあるんだろうか?
かなりおちこんで帰ってきたのですが
もうやると決めてしまっていたので
できることを精一杯やることにしました。

ステートメントを書くにあたって今までやってきたことを思い出したり
私は何をいちばん表現したいんだろう?と改めてじっくり考えました。
さかのぼること16年?かな?
父が亡くなって誰でもいつかは死ぬ、というごくごくあたりまえのことに気がつき
大きなショックをうけたことがきっかけで
水に浮かぶ花びらを半抽象的に描きました。
手のひらに包んだ細かい砂が零れてしまうように
どんなにぎゅっとつかんだ大切なものでもいつかは失われてしまう。
悲しいことだけれど、だからこそいのちは美しい。
そういう思いをこめて描いていたのです。
そこから派生した半抽象画はデパートで発表して一枚も売れませんでした。
それ以来ずっと封印していたんだけれど
これがいちばんわたしのやりたいことなんじゃないかという結論にたどり着いたのでした。

数年前よりたくさんスケッチをこなし
いろんなスタイルの絵を描いて
自分の中ではグレードアップしたつもりです。
周りからは絵が変わった、といわれるのですが
自分の中では戻ってきた感じ。

ニューヨークの人々にはどう映るのかわかりませんが
伝わるものがあるとよいなとおもいます。

ギャラリー名:パラソルプロジェクト

アドレス:2 Rivington St, New York, NY 10002 アメリカ合衆国

2017・7・19~23

地図

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レオナルド×ミケランジェロ展

三菱一号館美術館で行われているレオナルド×ミケランジェロ展のブロガー内覧会に行ってきました。
彫刻が上か、絵画が上か、という論争が巻き起こるなかで双方の代表として矢面に立ったふたり。
レオナルドが立体的なものを平面で表現する絵画が上だと主張するのに対し、ミケランジェロはどっちも同じ才知に基づくものなんだから仲良くしようよ!と。

そしてミケランジェロは作品が完成しなかった23才も年上のレオナルドに対し、こんな言葉を公衆の面前で浴びせる。

これだけ見ちゃうと仲悪かったの?と思いますが、作品を見ていくと共通点がかなり多い。
素描を大切にしたこと、小さな立体の雛形を作っての考察法、解剖学に基づくしっかりした人物像…。

こういった素描は彼らの時代から本格的に行われるようになり、単なる下書きではなくそれ自体が美しく、作家の製作プロセスを示すものとなりました。
あらためて、ほんとうに美しいです!
赤チョークで描かれたものも金属ニードルで描かれたものも!
今回は一点撮りもOKだったので、こんな写真もアップできたのですが、ぜひ本物を近くで観てください!
感動ものです。
どちらの素描も優れているのですが、どちらかというとレオナルドは柔らかいタッチで、ミケランジェロは線で立体感を出しているかんじです。

あ、この絵もありました。
ダ・ヴィンチコードに出てきたんじゃなかったっけ?
レオナルドの工房によるこの絵に関してはレオナルドの手が入っているのはキリストのおばあちゃんにあたる後ろの女性、と言われています。
近くで見るとわかるのですがたしかに顔のクオリティが全然ちがいます。
マリアとキリスト、もうちょっとがんばろうよ…( ´△`)

どちらも筋肉の描写に余念がありません。
当時は女性を描くにも男性モデルを使ったのだそうです。

はい、たしかに!

くるみの袋!(笑)

あとおもしろかったのがレダ対決。
ギリシャ神話に出てくるお話を題材にしているのだけど…
こちらがレオナルド。

この絵は本人の手ではないのですが、構想は彼のもの。
けっこう気持ちの悪い絵です。
レダは美しいのですが、白鳥の目付きのやらしいこと!
卵から生まれているこどもたち。
気持ち悪いのに目が離せなくなります。

ミケランジェロはこちら

うーん、官能的~。
でも比べてしまうとこちらのほうが常識的なかんじがします。

レオナルドが作る予定だった馬の群像はブロンズが戦争で砲弾を作るのに使われてしまったため手に入らなくなって頓挫。
たくさんの素描を残しただけとなりました。
この描写、本当にすごいです。
実際によい馬を持っている兵舎に出向いて描いていたのだそうで、相当な情熱をもって描いたのが伝わってきます。

ちなみにミケランジェロ。

もちろんすっごく上手いし的確な線で表現してますが、あまり熱は感じないかな。

2番目にアップした写真のミケランジェロの言葉はレオナルドのこの馬の彫刻作品が見たかった、という残念な気持ちが言わせたものだったのかもしれません。
本当に残念。
レオナルドは完成しなかった作品が多いんですよね。

すっかり長くなりましたが、最後に見ごたえたっぷりな彫刻作品を。

ミケランジェロのキリスト像。
これは2000年にミケランジェロの作品と判明したものだそうです。
といっても…

わかりますか?ほほからあごにかけて、大理石に筋が入っています。
これに気付いたミケランジェロは製作を放棄、続きは別の方が彫ったのだそう。

キュレーターの方によると左手と足はミケランジェロの彫刻らしいです。

ここと

ここね。

で、この作品の第2弾、本人の手によるキリスト像は写真のみの展示。
でもこの今日本にいるやつのポーズのほうが好きだなぁ。
全裸のキリスト像というのはとても珍しく、ミケランジェロだから許されたのでは、とのことです。
ギリシャ彫刻のような逞しく美しいキリスト様です。

これを日本に持ってくるのは本当に大変だったみたいですね。
大切にしっかり梱包されてきたのですが、ついてきた向こうの方にきいてもどっちが前だかわからず、こっちかな?と言われた方を前にして梱包を解いたら見事に逆だったそうで!(笑)
また包んでクレーンで持ち上げて直したのだそうです。
そしてこれは撮影OK!(混み具合によってはできなくなるかもしれないとのことです。)
窓を開けて自然光で見せてくださるそうです。
これはぜひ、昼間来たいものですなー。
あと、おすすめは図録だそうです。
ブロガー内覧会は閉館後に行われたので買えなかったのですが、日本の専門家が最新情報をもとに執筆したのだそうで、大変興味深い内容となっているとのことです。
気になる~。

昼間のキリスト像を見に来るのと、図録を買いにもういちど来ないと!

レオナルド×ミケランジェロ展
三菱一号館美術館にて
2017/6/17(土)~9/24(日)
http://mimt.jp/lemi/

透明水彩の特徴を生かす!


昨日掲載のNY行きについて
いろいろな方から応援の言葉をいただき、実際翻訳をしてくださるという方まで現れました。
ほんとうにほんとうにありがとうございます!
無謀かもしれませんが、海外での発表は夢でもありましたので
楽しんでがんばって来たいとおもいます!
さらなる応援、よろしくおねがいいたします。

今日は軽めのスケッチのアップです。
教室で描いたスプレー薔薇。

水彩画といってもたくさんの技法があり、
作家さんによって描き方も手順もまちまち。
なのであんまりこうしましょう!と型にはめたくないのです。
ただ、この日生徒さんから汲み取ったお悩みは
けっこうな数の方々に共通すると思います。

この方はしっかりとした描写力を持っていて(以前ボタニカルアートもちょっとやっていたそう)
出来上がった絵には全く問題ないのですが
ご本人は自分の絵に満足していません。
もっとふわっと優しいタッチで描きたい、とおっしゃるのです。
こういう方は意外と多いです。
ふわっとなるかどうかはともかく、問題をあげるならば
モノの色にとらわれすぎてしまっているのです。
美しいお花の色を再現したいという気持ちはよくわかります。
でも花は黄色、葉っぱは緑、と塗り分けると塗り絵のようになってしまいます。
上手い方は特にきっちり描けちゃうので説明的になりがち。
陰になっている部分、光っている部分がどういう風に見えるか比較して
モノの色にとらわれない影色をつかむことが大事です。
いろいろな方法があるのですがとりあえず手っ取り早く塗り分けから脱出する方法。

もういきなり黄色をざっくりとおいてしまいます。
私は下描きなしで色をおきますが、初めは鉛筆で描いたあとでもいいです。
お花の部分はもちろん、葉っぱや茎になる予定のところも大雑把に乗せちゃいます。
乾かないうちに薔薇の真ん中の赤っぽいところの色をちょんちょんとさしていきます。
緑の予定のところにもぽんと青をのせます。
この時点ではびちゃびちゃ。
でも全体の雰囲気はとれてる、といったかんじです。
そんで乾くまで待ちます。

ここが大事なのでもういちど。

乾くまで待ちます。

多少はみ出ても足りなくて白いところが残っても大丈夫なのである程度ぱっぱっと色を乗せたら乾くまで触らないでくださいね。
絵具の色の美しさに酔いしれる感じ?
子供のころクレヨンでがりがりと好きな色をぬりたくったあの感じ?
楽しんで!

それからいつものとおりに描いてみてください。
それだけで随分ちがうはず。
こういうことを説明しながらこの絵を描いたのだけれど
一緒にやってもらってもなかなかうまくいかなかったですね。
最初に乗せる色が弱い(薄すぎる)のと全体の雰囲気を捉えきれていないのかな。
細かいところ、たとえば花びらの重なっているところとかについつい目が行っちゃうのですが
最初はもっと大まかでよいのです。

あと、このやり方でおもしろいのは黄色が下に入っているので
青を乗せると透明水彩の特徴、下の色が透けて緑になります。
なので葉っぱを描くときに青だけで描くところもあると変化がでます。
私はこの絵の葉っぱ部分はほとんど青で描いています。
ちょこっと緑混ぜたり黄色混ぜたりもしていますが。
そうして緑を作っていくと緑の絵具に頼らなくても
緑に見せることができるのだと実感できると思います。

最初から上手くはいきません。いかなくてもよいのでちょこっと試してみてね♪

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ニューヨークでのグループ展情報は以下のとおり♪

ギャラリー名:パラソルプロジェクト

アドレス:2 Rivington St, New York, NY 10002 アメリカ合衆国

2017・7・19~23

ニューヨークでグループ展


最近、ブログが進まず申し訳ありません!
スケッチをしていないわけではないのだけど
ちょっとバタバタしております。
今月、ニューヨークでグループ展に参加します!
3点のみの出品ですが
初の海外展示、ほんとうに楽しみ。

ギャラリー名:パラソルプロジェクト

アドレス:2 Rivington St, New York, NY 10002 アメリカ合衆国

2017・7・19~23

地図

わたしは19日にNYに立ちます!

作品はすでに送ってあるのだけど
いろいろ足りないことが思い浮かんでしまい、
ひとりであせっている状態。
遠足前日、寝られない!という状態がここ1ヶ月ほど続いており
さすがに落ち着かねば・・・というかんじです。

とりあえず一点アップ。


LIFE(Red) 606mm x 410mm(M12) Mixed media


この桜の花びらシリーズは父が亡くなった年に始まったので
かれこれ16年くらいになりますか・・・

海外で発表するのは初めてなので勝手のちがいに戸惑います。
むこうのキュレーターによると
額に入れないのが一般的で
作品も日本のようにたくさんは並べないで空間を贅沢に使うのだそう。
ポートフォリオとよばれる作品集と
ステートメントを用意するようにいわれました。

ス、ステートメント・・・?

ステートメントとはアーティストの声明文。
どんなコンセプトでどういう風に作品を作っているのか、
何を表現したいのかを文章で表すわけです。
そんなもの、書いたことない!
おまけに英文!?

まず日本語で書くのにえらい時間がかかりました。
そして今、翻訳中・・・
やばい、できてない。。

とりあえず日本語でざっくりいうと
私が目指しているのは儚く消える一瞬の美を捉まえたい、ということ。
普段わたしたちは今の世界が刻々と変化し
いつか終わりが来ることを知りながら日々暮らしている。
自分も自分の大切な人もいつか死ぬ、これは動かしようのない事実。
その移ろいゆくことへの喜びも悲しみも儚いからこそ美しい。
現場でのスケッチにこだわるのもその移ろいを肌で感じることができるから。
水彩は一瞬の美を捉まえるのにとても適しているのだ。
それを重ねて削って削ってひとつのイメージにもっていく。
そうしてできたのが今回の作品たち。

ざっとこんなことを言いたいのだけど・・・

あといろいろ英訳しなくてはならないものがたくさん。
ブログはあきらめるとして、ホームページはなんとかしないと。
フェイスブックも個人のアカウントとは別にアーティストのページを作りました。

https://www.facebook.com/micakinoshita22cat/

で検索できるそうです。
まだなんにもアップしてないけどそのうち増やすのでよろしくお願いします♪

そして初めて英会話スクールというものに通い始めました。
ええ、今月からですとも。
めっちゃ詰め込んでます。

この絵に関して技法的なことをいいますと
ジャンルとしては日本画かな。
日本画というと水墨画と混同する方が多いのですが今はちょっとちがいます。
昔は南画とかを習得した方が描いてました。
基礎としてそういうものがあったのは確かです。
でも今日本画と呼ばれているものは
和紙や絵絹に膠と岩絵具をつかって描いたものです。
とはいえ今はキャンバスに描く人も板に描く人もいるし
膠も樹脂でできたものがあるしアクリルとまぜて描く人もいます。
洋画だか日本画だか一見してわからないものもあります。
このジャンル分けに関してはナンセンスだという意見も多いのです。
もともと西洋から洋画が入ってきたときにそれと分けるために作られたジャンルなので
あまり意味はないかも。

とりあえずこれは日本画っぽいです。
紙はレジンペーパーといって樹脂を練りこんだ
薄いのにとても丈夫な紙を使っています。
伝統的な動物膠ではなくレジン(樹脂)膠を使用。
絵具は胡粉や水干や岩絵具などちゃんと日本画で使うものも使ってます。
でも最近は顔料もよく使います。
安いし、ちゃんと選べば色あせや色浮きもないからです。
日本画っぽい、ではかっこつかないので
「ミクストメディア(混合技法)」ということにしておきましょう。

そんなわけでわたしの日本画教室では邪道?と思われるようなものも使います。
動物膠は手間がかかる上に腐ったり割れたりかびたり・・・あまりよくないので
レジンを使っています。
色鉛筆なんかも使います。

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5月の新潟のスケッチ 動画?もあるよ!


5月に行った新潟のスケッチの様子をまだアップします。
ちょうど新芽が吹き出すころで
ちいさなかわいらしい野の花でいっぱいでした。

5月は山菜採りにもよい季節です。

ただ、お山の所有者がいらっしゃるのでむやみに採ってはいけません!

まずは定番?!
ショウジョウバカマ。
葉っぱのかたちをお猿さんの袴に見立てています。

初めて見たお花その1、アズマシロガネソウ。
高さ10cmほどの実に可憐なお花で、道路わきに群生していました。
3時をまわるとみるみるお花が閉じてしまいましたが、
立派なカメラを持った男性がこれを撮るために探していたようで
すぐ横で撮りはじめました。
わたしが描いていた花がいちばんかっこよかったらしい。
でしょでしょ!
描く前にうろうろしていちばん素敵なのを選んだんだもん。
でも一瞬遅かった!
さっきまで全開だったのに。
まあ、半閉じの状態も可愛いんですけどね。

去ってゆく高級車のナンバーは品川だった。
人のことは言えないけど
わざわざ遠くからこの小さなお花のために
よくいらしたものだ!

ちなみに屋外スケッチでは素材選びはもちろん、
場所を選ぶのもとても重要。
きれいな固体があったとしても
よい角度で安定した姿勢を長時間取れる場所でないと
よいスケッチはできないのです。
こういった下を向いたお花だと
見上げる角度で描きたいので
車道わきの斜面、というのはなかなかありがたいポジションです。


 
5月といえども雪の残る新潟。
そんなに寒くはないのに雪が描ける
大変恵まれた環境なのです。
この日は霧がとても素敵だったのですが
ともすると真っ白になり
ぱらぱらと雨も落ちてきたりします。

描いていたらここにもカメラの人が現れて
三脚を立て始めたのですが
すうっとまた霧が濃くなって何にも見えなくなってしまいました。

そういう意味では写真のほうが大変かな。
絵ならある程度記憶で補うことができるけれど
写真はその時ダメだといくらさっきは素敵だったって思っても撮れないもんね。

この絵は中景にちょこっと透明水彩も使っていますが
ほぼ絵墨で仕上げてます。

絵墨のことをご紹介するためにリンクを張ろうとググッたら
作品画像、私の絵が多い!(笑)
ブログから流れたのかなあ?

4つ上の行、「絵墨」のとこクリックして見てみてください。
きのことかムラサキシキブとかホトトギスは私の絵です。

買うなら四角いプラスチックのケースに入ったのを6色、
紙箱で持ち歩くのがいちばん軽くてよいです。
梅皿のはかっこいいけど重いしかさばるので持ち歩く方はやめたほうがよいです。
1色なくなったら補充できないし。
ぜんぶきれいになくなれば梅皿として使えますけどね。

絵墨の注意点。
使わないとめっちゃ乾燥します!
ぱりぱり剥けてきたらいくらお水をつけても、お湯でふやかそうとしても
黒い粉がとれるだけで全く絵具として機能しません。
あきらめて新しいのを買いましょう。
まめに使うのがいちばん。
ま新しいのが6色、紙箱に入っているとどれも真っ黒に見えて色の区別がつきづらいのですが
よく使っていると色がわかりやすくなります。
混ざっている顔料か染料が浮かんでくるのかなあ?

ちなみにこの風景画が微妙にぽつぽつしているのは霧雨のあとです。

カメラマンさんが帰ったあと、ほんとうに降りだしてあわてて片付けました。

そして初めて見たお花、その2
イワウチワ。

イワカガミのようにつややかな葉っぱなのですが
お花が全くちがいます。
透明感のある淡い桃色の薄い花びらは
なんとも魅惑的ですが
どんなにがんばってもあのとおりに描けません。

何度も何度もトライ。

描けない、描けない、と苦し楽しい時間を過ごしました。

日が暮れ始めてふと目をあげると
雪の残った森のなんと美しいこと。
マジックアワーってやつですね。
日暮れ前の一瞬の光。
手元がよく見えないまま描きなぐり、
あとで少し手を加えました。

もっともっと美しいものがたくさんあって
もっともっと描きたいものがあったのですが
時間も体力も限りがあります。
またこんどね、と泣く泣くお別れして来ました。

今回、動画を撮りたかったのですが、バッテリーや容量がなくなる問題をこの時はまだ解決していなくて
(最近はバッテリーとSDカードを買ったのでやや克服)
過程過程で写真を撮っての編集です。
夢中になると写真のことを忘れてしまって
ヌケヌケなので参考にはならないかもしれませんが
雰囲気は伝わるかな?

ではこちらからどうぞ!

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ショウジョウバカマ(猩々袴)
学名:Heloniopsis orientalis
科名:メランチウム科ショウジョウバカマ属
分布:北海道から九州までの、やや湿った場所。
主な開花期:低山では3~4月であるが、高山では雪渓が溶けたあとの6~7月になる。

花が赤いのを猩々(中国の伝説上の動物のこと)になぞらえ、根生葉の重なりが袴に似ていることから名付けられたとされる。

花言葉:「希望」

アズマシロガネソウ(東白銀草)
学名:Shortia uniflora
科名:キンポウゲ科シロカネソウ属
別名:エチゴシロカネソウ
原産地:日本の固有種
分布:秋田県から福井県の日本海側の谷沿いの湿った所
主な開花期:4-5月

食欲不振や神経痛に効能があるとされ、民間薬として利用されている。

花言葉:「幸せになる」

イワウチワ(岩団扇)
学名:Shortia uniflora
科名:イワウメ科イワウチワ属
原産地:日本の固有種
分布:本州の中国地方以北の山地帯の林内や林縁。
主な開花期:4-5月

和名は葉の形状が団扇に似た形状であることに由来する。

花言葉:「春の使者・適応力」

展覧会のおはなし


また少しサボってしまったブログ更新。
今日のスケッチは柏葉紫陽花。
柏の葉のように切れ込みの入った大きな葉っぱが特徴。
意外とよい香り。

今日は花野井の搬出にいってきました。
お忙しい中いらしてくださった皆様、本当にありがとうございました。
参加者皆さんの上達具合はめざましく
どっちがセンセイだかわからないくらい上手い方もいらして
これは私としては嬉しい限り。
また2年後に開催の予定。
ますます楽しみ!

先日のブログのつづきですね。

結局渋谷まで行ったのにソールライターの写真も映画も観られなかったわたくし。
どうしても写真展は観たかったので日を改めていってきた。
映画は夜の7:21の回しかないのでもうあきらめて(きっとまたビール飲んじゃうし)
とりあえず画商さんに勧められた「メットガラ」を文化村ル・シネマで朝イチで観た。
これももう終わり近くて朝イチの回しかやってなかったのでした。

メットガラはですね~、4月にちょっとNYに行ってきましてメトロポリタン美術館も行ってきたので
そこが舞台、ということで観てみたかったのですね。
でもね、よく考えたらアメリカのセレブにもファッションショーにも
実はあんまり興味なかったのね・・・
いままでアートとして認められなかったファッションをアートとして扱い
美術館で見せるという、斬新な試みから数年
さらに大きなイベントにしようと取り組むMETのドキュメント映画。
アンドリューという一見地味な男性キュレーターが
淡々としているように見えながらものすごい情熱で取り組んでいる。
プラダを着た悪魔ことアナ・ウィンターの強いこと。
また美的感覚の鋭いこと。
彼女の理想をかなえるための現実の手配は相当の忍耐力がないとできないと思う。
余談だけれどメリル・ストリープはほんと、名女優だ。
「プラダを着た悪魔」の彼女そのもの!
クライマックスのレセプション本番はアメリカのスターやセレブたちの華やかな衣装が見所。
残念ながら私はジョージクルーニとジャスティン・ビーバーくらいしかわからなかった。
う~ん、これはさらっと流しましょう。
またしてもちょっと寝ちゃったし。

そして同じく文化村のザ・ミュージアムでやっていたソウル・ライター展へ。
あ、あれ?
すごくよかったので紹介しようと思ってたのに明日までじゃん!
ほんっと素晴らしかったですよ!
メットガラが最上のものを作り上げる話だったのに対し
彼の作品は日常の中にある一瞬の美をすっと取り出して見せてくれるもの。
全く対照的でした。
ファッション誌に使われていたおしゃれな写真も
たとえば靴の広告のための写真なのに雨にぬれた地面と傘の合間からちらっと靴が見えてるとか
なんだかちっとも押し付けがましくないの!
それでいて印象的。
街角のガラスに映った一瞬の影
水滴に曇った窓ガラス越しの影
真っ赤な傘と白い雪にのこる足跡
ドキドキするような美しさ。
言葉がまたよいのよね。

Itake photographs my neighborhood.
I think that mysterious things happen in familiar places.
We don’t always need to run to the other end of the world.

僕は身近なものを撮る。
だってミステリアスなことは身近に起きるんだ。
世界の裏側なんて行く必要はないよ。
(あってる?)

カメラを持ち歩きたくなります。

次に向かったのはチケットをいただいて以来ずっと気になっていた根津美術館の「はじめての古美術鑑賞」
実は今はちょっとお休みしてるんだけどかな書道を習い始めていたので
料紙に興味があったのね~。
すこ~しだけどあのくねくねした女手も読めるようになってきたのでそこもたのしめるのではないかと。
そしたらなんと、チケット忘れた~~!
でも観たかったので料金払って観ましたとも。
まず外国人の観光客の多さにびっくり。
お茶室の見学とかもできるし青山にありながら庭がとても美しく
そこも観光のポイントのようです。
その庭園の中にあるレストランに入ってみたくて
おなかぺこぺこでIN!
ミートパイを頼んだのだけれど
あまりの小ささにびっくり・・・
とってもおいしかったけど・・・
気を取り直して展示ですが、せっかくなのでガイドを借りた。
料紙の説明などとてもわかりやすく
その作品の由来とかも興味深かった。
東京国立博物館にあるようなのに比べて
保存状態がよいのが印象的。
やはり個人のコレクションはすごい。
銀はさすがに酸化しているけれど金や墨はまだまだ美しく
書いた人の雰囲気がいまだ漂うようでした。
かな書道の先生に聞いたいろんな料紙の数々を実際に見られて
しかもいろんなパターンもあって
とても興味深かったです。
これは来週までだ!
美術館の雰囲気もとても素敵なのでぜひどうぞ!

カシワバアジサイ(柏葉紫陽花)
学名:Clematis
科名:アジサイ科(ユキノシタ科)アジサイ属
原産地:北アメリカ東部
主な開花期:5月中旬~7月

葉は大きくて深い切れ込みが入り、その姿がカシワの葉のように見えるところからこの名前がある。
原産地は北米。古くに日本へと渡り、自生する植物だが、園芸用として出回り始めたのは最近。

花言葉:「慈愛 」「汚れなき心」「清純」「優美」「皆を引き付ける魅力」「元気な女性」

急がない、急がない


大好きなクレマチス。
ピンクの薔薇とともに。

先々週、銀座の松屋さんでわたしの大好きな鈴木節子先生の個展を観に行った。
リンクで観て頂くとわかると思うのだけど、ほんとうに素敵で
ふわりとよい香りのする美しい空間に引き込まれるような
そんな絵だった。
行ったのが最終日だったのでご紹介遅れて申し訳ない!
次は早めにご紹介しますのでぜひぜひ行ってみてくださいね。

・・・でこの日
お仕事がおわってから行ったので銀座を出たのが5時。
せっかく都内に行ったのだから観たかった展覧会も観よう!と
渋谷の文化村ザ・ミュージアムでやっているソール・ライター展へ。
この時点で気づくべきだったんだけれど
6時までだったんだよね。
なぜか7時までだと思い込んでいて余裕で電車に乗った・・・
・・・らあれ?反対方向?
なぜか上野方面のに乗っていて
さらに遅れた。
ギャラリーに着いたのがもう5時半すぎ。
まともに電車に乗れてたらギリ間に合ったのにね。

入場が5時半までだったので
あきらめて、でもせっかく渋谷まできたしソール・ライターの映画
を観る事にした。
1時間半くらい時間があいちゃったので
近くでちょこっとお食事をして・・・ちょこっとビールも飲んじゃった♪
一時間半ってちょっと長いよね。
本読みながらもう一杯だけビール、とかやってたらすっかりほろ酔い。
映画始まってすぐ寝ちゃった。。。
はっと目覚めたら、だいぶ後半。
「急がない人生でみつけた13のこと」のうちの8つ目くらいじゃん!!
そんなとこから観たくせに
ちょうどパートナーが亡くなったことについて
淡々と語っているところで
その淡々具合がなんだか泣けちゃって
泣いてるうちにトイレに行きたくなってきた。
ビール飲みすぎだよね。
あと3つくらいみつける予定だからそれまで我慢しようと
がんばって観てたんだけど
12個目で限界がきてトイレへ。
戻ってみたらもうエンドロールになっていた。
がっくし。

もう、いったいなにやってるんでしょうね。
急がないにもほどがある・・・
みつけたこと、13のうちひとつも覚えてないし。

でも日々をゆっくり楽しんで過ごしてきた彼の人となりは伝わってきた。
大切なことは身近にある。
そして、この写真展はどうしてもみたかったので
また後日日を改めていってきました。
ほんとうはその話を書きたかったんだけど
前置き?が長くなっちゃったのでまた明日!

クレマチス
学名:Clematis
科名:キンポウゲ科
別名:鉄線葛、鉄線蓮、鉄線
原産地:中国、日本、ヨーロッパなど
主な開花期:4月から7月

世界中に250種~300種が分布、特に北半球に温帯に多く分布し、
日本にもおよそ20種が自生する。
ほとんどの種がつるを長く伸ばし、名前もギリシア語のクレマ(つる)に由来する。

花言葉:「美しい精神」、「旅人の喜び」

今日もいろいろ連絡事項。。。


毎年描くこの紫陽花はお気に入り。
青い紫陽花にあこがれるけれどうちではあまりきれいに青が出ない。
ピンクはとてもきれいに出るんだけれど・・・

さて、今日は昨日ご案内しました作品展の搬入に行ってきましたよ。
どこの教室にも言えることなんですが
みなさん、確実にレベルアップしてます!!!
どれがセンセイかわからないのでは困るので
わたしもがんばらねば・・・

入って左側からご紹介。

すばらしく上手い方もいらっしゃいます。
個性的な方も。
モチーフの選び方のセンスもみなさんそれぞれに個性があって
それぞれに味があります。
写真ではわかりにくいので、お近くの方はぜひいらしてくださいね。
ただ、場所がちょっと不便で交通手段がお車かバスになります。
よろしくおねがいいたします。

そして明日第二日曜日は月に一度の絵手紙講座の日・・・・のはずですが
今月は第三日曜日、18日になります
先月いらしてくださった方にはお伝えしてあるので大丈夫かとはおもうのですが
お間違えのないようよろしくおねがいいたします。
なんで第三になったのかって・・・?

では先月の講評後のやり取りを再現しましょう。

「来月(六月)は第二ではなく第三日曜日になります!
 えっと、理由は・・・(カトラとわたし、もじもじ・・・)」

生徒さん:「理由、言って下さい!」「どうしてですか?」

カトラとわたし:「えっと~」もじもじ・・・

生徒さん:「え、結婚?!」ざわざわ・・・「結婚?!」「結婚じゃない?」

カトラとわたし:「ちがいます!!

「え~、来月は流山市にのど自慢がくるんですが・・・加藤さんと私で応募しまして
 それが11日でして・・・
 まだ往復はがきを出しただけなので落ちたらただの休みですが・・・」

(爆笑)

もう、出る気満々でしたとも。
カトラに衣装を作ってもらうことにして
練習日もいろいろ考えて
YouTubeで振り付け何度も見て・・・

そして数日後、往復はがきの片割れがうちに届き・・・

ただの休み確定!!!
がーん

まさかの抽選もれ。
ちゃんちゃん。

あ~あ、ウォンテッドやりたかったな~。

アジサイ(紫陽花)
学名:Hydrangea macrophylla
科名:アジサイ科アジサイ属
別名:「七変化」「八仙花」
原産地:日本
主な開花期:6月から7月

最古の和歌集『万葉集』では「味狭藍」「安治佐為」、平安時代の辞典『和名類聚抄』では
「阿豆佐為」の字をあてて書かれている。
日本語で漢字表記に用いられる「紫陽花」は、
唐の詩人白居易が別の花、おそらくライラックに付けた名で
平安時代の学者源順がこの漢字をあてたことから誤って広まったといわれている。
花(萼)の色はアントシアニンという色素によるものでアジサイにはその一種のデルフィニジンが含まれている。
これに補助色素(助色素)とアルミニウムのイオンが加わると、青色の花となる。
アジサイは土壌のpH(酸性度)によって花の色が変わり、一般に「酸性ならば青、アルカリ性ならば赤」になると言われている。
これは、アルミニウムが根から吸収されやすいイオンの形になるかどうかにpHが影響するためである。
すなわち、土壌が酸性だとアルミニウムがイオンとなって土中に溶け出し、アジサイに吸収されて花のアントシアニンと結合し青色を呈する。
逆に土壌が中性やアルカリ性であればアルミニウムは溶け出さずアジサイに吸収されないため、花は赤色となる

花言葉:「辛抱強い愛情」「一家団欒」「家族の結びつき」

ひさびさ~!そしてお知らせ!


久々の更新です♪

スケッチはいただきものの矢車草。
ツタンカーメンの棺の上に供えられていた花束がこの花だったそう。
若くして夫を亡くしたやはり若いお后が
どんな気持ちでこの美しい清楚な花を供えたのか・・・
(諸説あるみたいですが)

しばらくさぼってしまったのでいろいろお知らせが!!!

まずこちらの作品展のご案内。
花野井の絵画サークルの講師をしておりまして
2年に一度、東急ビレッジ内のはなみずきで作品展をします。
今年は3回目!

そして大変申し訳ありません、確認不足でハガキがまちがっております。
明日10日から、となってますが
明日の夕方まで別の方の展示が入ってまして
それが終わってから入れ替えることになってます。
しかも日曜日はおやすみなので12日(月)からになります。

そしてそして最終日、午後から映画鑑賞会が入っているということで
展示は1時までになります。
つまり

初日は12日(月)11:00~、最終日は24日13:00までです。
ほんと、申し訳ありません!
お間違えのないよう、いらしてください。

私はこちらの薔薇とこちらの竹林をだしてます。

カフェ内の展示で
お食事もお茶もお手ごろ価格で美味しいので
ぜひ涼みにいらしてくださいね。
和菓子が手作りの紫陽花のかたちをしたもので
とてもかわいくて美味しかったですよ♪

ヤグルマギク(矢車菊)
学名:Centaurea cyanus
科名:キク科 ヤグルマギク属
別名:矢車草・ヤグルマソウ・コーンフラワー
原産地:ヨーロッパ
主な開花期:4~5月

もとは麦畑などに多い雑草だったが、園芸用に改良され桃色などの品種が作られた。
ドイツ連邦共和国、エストニア共和国、マルタ共和国の国花である。
その青紫色の美しさから、最高級のサファイアの色味を「コーンフラワーブルー」(ヤグルマギクの花の青)として引き合いに出される。
ツタンカーメン王の棺の上にはヤグルマギク、蓮、オリーブ等で作られた花輪が載せられていた。
マリー・アントワネットが好んだ花であり、洋食器の『小花散らし』の模様は彼女がデザインしたヤグルマギクの柄に由来する。

花言葉:「繊細」「優美」「教育」「信頼」

週末は・・・


こちらもYさん宅のブラン・ピエール・ロンサール。
ふつうのロンサールより白っぽいのね。
心惹かれてやまないロンサール。
このブランの微妙な色のグラデーションもなんとも美しかった。

この土日は体調悪く
薔薇を描きに行きたいと思いながら
ほぼ寝込んでた。。。ので
久々に本を読んだ。

「百年法」山田宋樹

原爆が6発も落とされ廃墟となった戦後日本にアメリカから導入された
不老不死の肉体を持てるHAVIというワクチン。
導入には受けた者は100年後には死ななければならないという法律を設けるのが条件だった。
・・・という完全フィクションの世界なのだけれど
とてもリアルでいろいろ考えさせられた。
永遠の若さを手に入れて人は幸せになれるのか?
若い体のままなのに100年経ったからといって自らの死を受け入れることができるのか?
本当の危機が訪れたとき民主主義で正しい方向に歩めるのか?
独裁は本当に悪いのか?
永遠に若いまま変わらずに生きることとは無間地獄と変わりないのかもしれない。
物語は後半、ものすごい勢いで大きな事件が立て続けにおこり
またたく間に収束に向かう。
分厚い上下巻だったけれど
あっという間に読んでしまった。

さて、明日からは絵も描くしお仕事も行くよ~。
命も若さも限りあるから美しい!
暑くなるみたいだけどがんばりましょ~