森の中・明けの明星

アケボノソウにはたくさん虫が集まる。
描き始めたときは茶色っぽいちょうちょ、
美しい色の虻、蝿に蟻、そしてこの不思議なかたちの虫がわんわんいた。
こういう光景に出会うと「風の谷のナウシカ」の
大きな蟲たちがゆっくりたゆたう腐海をおもいだす。
この株のもういっこ向こうの株にちいさな蜘蛛の巣がかかっていて
巣の大きさからいうと5mmくらいのかわいい蜘蛛がいそうなかんじだったのに
ふと出てきたのが2cmはありそうな赤と白の縞々の
タランチュラ的な丸みのある大蜘蛛だったのでびっくりした。
腐海には危険がいっぱいである。。。

描いているうちに時間がすぎたのかちょうちょと虻はあまり来なくなってしまった。


このつがいになった虫は片方しか蜜を吸わない。
片方は一生懸命羽ばたいてもう片方が蜜を吸うのを支える。
おそらく吸っている方がこれからたまごを産むメスで
支えているほうがオスなのだろう。
眺めていてふと気がついた。
蜜というものはお花の中心から出るものとおもっていたけれど
この虫は花びらの先、黄緑色のてんてんのあたりを舐める。
不思議に思ってよく見ると蟻も虻も蝿もみんな真ん中ではなく
黄緑のてんてんや茶色のそばかすのあたりを舐めている。
蜜はここから出てるのだろうか?
そういえば黄緑色のてんてんはちょっとてかてかしているみたい。
おもわず1輪とってそのあたりを舐めてみた。

・・・なんにも味はしない。

おうちに帰って調べてみたらやっぱりこの黄緑色のてんてんが蜜線なのだそう。
甘くなかったけどなぁ。

みずたま×みずたま

春にちょっぴり不気味なお花を咲かせていたマムシ草。
秋にはこんな実ができる。


毎年見つけては気になっていたのだけれど
どぎついかんじがあんまり好きではなくって描いたことがなかった。

この植物には雄株と雌株がある。
食虫植物をおもわせる器のようなお花。
見た目は雄株の花も雌株の花もそっくりなのだけれど
雄花には出口があり、雌花には出口がない。
雄花で花粉をつけられた虫が雌花に入ると
出られないまま受粉を手伝わされて死んでしまうらしい。
そうしてこんな鮮やかな実が実る。

まじまじと眺める。

虫の命を犠牲にしてできた実。
わたしたちだっていろんなものの命をもらって
こうして生きてるんだよね。
この実を責める資格はない。

草間弥生さんの作品を思わせる黒地に鮮やかで艶やかなみずたま。
枯れ色に染まり始めた緑の中ひときわ目立つ。
おりから落ちてきた雨粒が別のみずたまを画面に作った。

野分のあと

個展の始まった翌日の朝
ずっと行けずにがまんしていたスケッチに出かけた。
台風のあとの荒れたかんじがまたすてき。
野分、とはよく言ったもので
草むらがあちこちなぎ倒されてかき分けられている。




11時くらいに行くつもりがスケッチに夢中になりすぎて
12時近くに会場に着いてしまった。
翌日からスケッチ禁止令が出された。

スケッチにはとても快適な季節なので惜しいけれど、
もう少しの辛抱。



今日も出品作品を。
こちらは毎年毎年大好きで描くからすうり。
今年も青いのがいっぱいなっていたので
そろそろ赤くなる頃かな、と楽しみにしている。

彩(いろどり)水彩画 F4 



アザミは意外と種類が多くてなかなか覚えられない。
これはヌマアザミの一種で水辺に咲いていた。
前回のデパートのときにトカゲを描いたら
嫌いな方もいるのでやめたほうがよい、と注意を受けたので
今回、虫をもっと描きたかったけれど減らした。
マルハナバチはかわいいし気持ち悪くはないでしょ、と思って描いちゃった。
スケッチのときは何度も来る蜂を待ちながら少しずつ描いた。
ふくふくした胸の辺りの毛がかわいい。
脚には大きな花粉だんごがついていた。

羽音 水彩画 15×40cm

いよいよ明日から

お庭にあるものを集めて花瓶へ。
色づき始めた紫式部、乾燥気味だけれど細々咲き始めたコスモス
ろうそくの炎のような鶏頭。


台風がやってきた。
今日はお教室が終わった夕方から
会場に行って飾りつけをする予定だった。
スタッフの方には申し訳ないけれど
吹き荒れる風と雨の中、
電車がぼちぼち止まり始めていたので行くのをあきらめた。

明日からいよいよ池袋東武での個展が始まる。
なんだか前回も台風にたたられたけれど…
明日からはきっと大丈夫!

みなさん、どうぞよろしくお願いいたします。

いろんな色のあるうちに

春にふんわりとした白いお花を咲かせるミズキ。
その実が色づき始めた。


そのうち全部黒っぽくなってしまうのだけど
今はいろんな色があってたのしい。

個展の準備もようやく最終段階。
あと1枚で目標枚数に達する!!!

でも2~3枚描き直したいのがあったりして…
結局ぎりぎりまでうだうだ描いているのが常なんである。
しかもぎりぎりのほうがテンションがあがっていていいのが描けたりする。
風邪がいつまでも治らないので1日くらい休んだほうがよいとはおもうのだけど
なかなか休む気になれないのであった。

細かいけれどがんばりました!

今日も和の情緒たっぷりのお花、萩。

横長~に描いたので左を上にご覧ください。



お花も葉っぱも細かくて途中でどこ描いてたんだかわかんなくなっちゃったりして。
でもわたしはその場の雰囲気がでてればよし、としちゃう。
こういったスケッチをもとに絵を描くときに細かいディテールよりも
雰囲気が思い出せたほうがよい絵になるようにおもう。

虫の声が響く。
秋だなあ。
でも毎日暑いなあ。

月に合う花

中秋の名月はすぎたけれど
まだまだ月はうつくしい。

草むらはすっかり秋の草花でいっぱい。

こちらはオミナエシ(女郎花)



風邪はのどの痛みがひいたのでもう治る方向へ向かっている模様。
でもこれ以上時間のロスはゆるされないので
おとなしくしている。

あそこにあった吾亦紅が描きたいな、とか
アザミがきれいだったな、とか
ぐっとがまん。

プールで一汗流したいのももうちょっとがまん。

明日の夕方以降から池袋東武デパートで「次回の予告」というかたちで
作品が5点だけ展示される予定。
搬入まであと1週間…!

ちいさな宇宙生物?

ヤブミョウガ。

白く清楚なお花はやがてかわいらしい白くて丸い実となり
やがて黄緑色に色づき、それがだんだん紺色のつややかな実となる。

今は群生しているところで全部の姿を見ることができる。


葉っぱの所に乗っているのはザトウムシ。
足の長い奇妙な蜘蛛、くらいの認識だったのだけれど
蜘蛛とはちょっとちがうらしい。
ちょうどこのスケッチをするちょっと前にザトウムシは約3億年前からこのかたちだった、という記事をみつけて
おお、すごい!とちょっと興味をもったところだった。
ちいさなお豆のような体に針金のようなそれでいてしなやかな動きをする長い脚。
前の2本の脚をまわりの葉っぱのかたちを確認するように動かしながら移動してる。
この手探りするようなしぐさがザトウムシの名前の由来なのかな。
ふわりゆらり一見たよりなげだけれども
意外と歩くのが速かったりする。
ほんとに宇宙生物みたいだ。

スケッチ再開

まだまだ暑いけれど朝晩は涼しい。

そうなるとやはりうずうず。
お外にスケッチに行きたい!!

まだまだ個展の準備はできていないのだけれど
先週の木曜日から早起きスケッチを再開することにした。

まず向かったのが蓮池。
きっともう実がかっこよくなっているころ!




おお!やっぱり!!
枯れた葉もよいね~!(^^)
葉脈だけが残ってレースのようになったところがなんとも。

そしてその犯人は…

下のスケッチのほうに描いてあるので見つけてね。

これな~んだ?

いただきもののヤマボウシの実。

ごつごつカワイイ!
これが食べられるとは知らなかった。
いわれてつまんでみたら
ほんのり甘酸っぱくってなかなか美味しい。
ジャムにできるのだそう。


今日は風がぶんぶん吹いて
時折雨がザザっと降って
台風が遠くにあるのがわかるお天気だった。

こうして少しずつ秋に近づいてゆくのだね。