旅立ち

あんみつさんが亡くなって1週間がたった。
しばらく泣き暮らしていたけれど
すこしずつ不在に慣れてきた。
それでもまだお部屋に帰るのがつらい。
20年も一緒だったんだものね。
まだお部屋のどこかにいるような気がする。

みごとに老衰。
病気ひとつせず、ほんとうに手のかからない子だった。
亡くなる前日まで少なくなってたけれどごはんをたべ
よろよろとしながらもトイレで用を足そうとしていた。
その日は朝からふらふらと階段を何度も下りてきた。
死に場所を探してたんだね。
その度につれもどしたらついにあきらめて
お部屋で横になった。
お仕事から帰ってようすをみて
もうダメだとわかった。
その晩、12時をまわったころちいさく「にゃあ」とないた。
ごあいさつだと思ったので抱き上げた。
腕の中で少しずつ息がちいさくなっていって
そのうちとまってしまった。
きれいなお顔だった。


麝香揚羽 (木版画)12×18cm

明日からすこし旅に出ます。
とりあえずIさんの軽井沢の別荘へ。
そのあともしかしたら新潟まで足を伸ばすかもしれないし
かえってくるかもしれない
そんなかんじで・・・

久しぶりに版画

今日はスケッチではなく版画をアップ。
ベニタケってわりとどこにでもあって
おいしいわけでもないので
無視されがちだけれど
わたしはけっこう好き。
出たてのはベレー帽をかぶった妖精のよう。
ちびっこのころのまるいのもかわいい。
大きくなるとべろべろと裂けたりしちゃうんだけどね。


ベニタケ (木版画)15×17cm

最近墨色に惹かれる。
それでしばらくサボっていた木版画を再開したのであった。

スケッチにも絵墨といって、墨に染料が入ったものをもっていくのだけれど
やっぱり和紙との相性のほうがよいみたいで
水彩紙だとぺたっとしたかんじになる。
ある程度にじみの出る和紙だと
筆の運びや水加減によって勢いや深みが出せるんだけどな。
まあ、そのぶん失敗もしやすいということなんだけど・・・

こつこつ

今日のきのこはおいしいきのこ。
ナラタケモドキ。
この木、よわってるみたいだね。

あんみつさんの具合はちょっと安定している。
お年だから元気になる、ってことはないんだろうけど。
おとといは急によろけだしたのでびっくりした。
けれどごはんは少しずつ食べてるし
トイレも段差解消のスロープを作ってなんとか。
背骨がごつごつととびでるほどやせてしまった背中をなでながら
死ぬのをじっと待っているような寝顔を見てるのはつらい。
でもよく考えたらわたしもおんなじなんだよね。
みんないつかは死ぬのだもの。
元気なときは考えもしないけれど
みんな死にむかってあるいてるんだよね。
そんなことを考えながらこつこつ版木を彫ったり
下図をつくったり
地道な作業をする3日間であった。

ナラタケモドキ
学名:Armillaria tabescens
科・属:キシメジ科
発生地:広葉樹の枯れ木や切り株、弱った木の根の傍になどに束生。
発生時期:夏~秋
傘の表:表面は繊維状、中央部に鱗片があり、そこから周辺部へ長い条線が見られる。
     カサの色は黄褐色~茶褐色。
傘の裏:ヒダはツカに垂生し、ヒダ同士の間隔はやや広く、
     色は白色~褐色。成熟するとじょじょに赤褐色のシミがでてくる。
   柄:カサと同じく表面が繊維状で、色もカサとほぼ同じ色をしている。
   肉:白色~淡いベージュで、カサの部分は肉が薄く、特徴的な味やにおいは特になし。
 食毒:汁物に入れるとぬめりが出て口当たりがよく、よいだしもでる。
     消化が悪いので過食は禁物。
     熱を十分に通し生食は避ける。
*ナラタケとの大きな違いはナラタケモドキにはツバがない事があげられる。

ゆきんこ?

今日はよく降った。
もうすっかり秋の空気。
あんなにうんざりだった夏があっけなく去ってしまった?
それともまだ?

予定通りシロオニタケをアップ。
この翌日にはばーんと開いたんだろうけれど
このきゅっと丸いかんじがカワイイ。
メレンゲ細工のようで甘そうに見えるんだけど
お口に入れてはいけません・・・☆

シロオニタケ
学名:Amanita virgineoides
科・属:テングタケ科
発生地:広葉樹の林やアカマツなどの林の地上。
発生時期:夏~秋
傘の表:直径が9~20cmほどの大きさで、カサの表面は真っ白で微粉に覆われていて
     角錐形の尖ったイボが全体についている。
     シロオニタケは幼菌の時はほぼ、カサの前面にこのイボが見られ丸い形をしているが
     だんだんカサが開いていき最終的には円盤状の平らな形のキノコになる。
傘の裏:ヒダはやや褐色を帯びた白色で密に並んでいて、割と特徴がない。
   柄:長さが15~22cmと長く、カサと同じく白色で根元の部分が太くなっていて
     基部は更に丸く大きく膨らみ、尖ったイボが無数に付いている。
     ツカの上部に布が垂れたようなツバがついている事もあるが、
     成長過程で失われる事から成長したシロオニタケには残らない事の方が多いようだ。 
   肉:表面と同じく白色、乾燥すると異臭を放つ。
 食毒:胃腸などの消化器系の中毒症状や神経系の異常をきたす毒をもっている。

ご近所きのこ

きのこ合宿には参加できなかったけれど
近所にもきのこはある。
この日は朝方に強い雨が降ったので
くずれてしまったりつぶつぶが流れてしまったきのこが多かった。
このツルタケは美しかったな♪

今日はとても蒸し暑い。
急に3日間も空いてしまったものだから
とりあえず作品を作ろうといろいろ広げるのだけれど
どうも手につかない。
そんな中、先日うちにいたルリボシカミキリを木版画にしてみた。
そろそろきのこの版画展をやりたいので
ほんとはきのこを作らなきゃなんだけどね。
このツルタケもモデル候補。
明日アップ予定のシロオニタケも候補のひとつ。
あんみつさんのようすも悪いなりに落ち着いているので
明日はちょこっと理科大でも行ってみようかな。
雨かな?

ツルタケ
学名:Amanita vaginata
科・属:テングタケ科
発生地:マツなどの針葉樹またはブナ、コナラなどの広葉樹の林内の地上に発生。
発生時期:夏~秋
傘の表:直径が3~8cmほどで、色は灰褐色~灰褐色で周辺部分は色が薄くなっており、
     中央部から放射状に伸びた条線が見られる。
     また、湿気が多い場所では表面にヌメリが見られ、カサの形は幼い時は卵形で
     成長すると平らに開いていく。
     成長するとカサが裂けやすい事もツルタケの特徴のひとつ。
傘の裏:ヒダはツカに離生していて密に並んでいる。
     ヒダの色は綺麗な白色。
柄:長さが10~20cmとかなり長く、根元に近づくほど、やや太くなっており、中身は細い空洞。
  また、根元部分には膜質のツボがあり、表面は白色。
  上部は粉状、下部は綿毛状の鱗片に覆われている。
  ツバはなし。

食毒:ツルタケは食べる事もできるが、よく似たキノコが多く、しかも毒を持つものが多いので
    確信が持てない場合は食べない方がよい。
    上記のような理由から、ツルタケは食べられないキノコとして紹介されている事も多いようである。
    肉は基本的にどの部分も白色で、味や匂いは殆どない。

ねこまた

今日から日和田高原できのこ合宿!

・・・の予定だった。
とっても楽しみにしてたのだけれど
あんみつさんの具合がわるい。
もう20歳を超えてすっかり骨と皮ばかり。
夏を越せるかどうかというところだったのだけれど
ここのところ急に涼しくなってからというもの
がくっと目に見えて衰えた。

もともと甘え下手な子で
抱っことかは苦手。
そばについてなでたりしてると
うっとおしがられるくらいなんだけれど
やっぱり心配でついてることにした。
昨日からトイレの10cmほどの段差が乗り越えられなくなってしまって
歩くのもやっと。
それでもお腹はすくらしく
少しずつではあるけれど
ごはんは食べる。
這ってでも食べる姿を見て
もうちょっと生きてくれるかも、と淡い望みを抱くけれど
寝ている姿はつらそうで
死ぬ、というのは簡単ではないのだなと
妙な感想を持った。

もともとは野良で
子猫のころお母さん猫と白い子猫と3匹で
うちにごはんを食べにきてた。
そのうち白がいなくなり
お母さんもいなくなった。
用心深い黒い子猫はごはんをあげてもすぐにはこない。
だれもいなくなったころこっそり来て食べていた。
けれどもそのうち真冬の猛烈な寒さがやってきた。
風邪をひいたのか鼻水をたらしていた。
このままでは死んでしまう、と
ダンボールにえさを仕込んだ罠を作って捕獲。
こうして私の部屋で暮らすようになった。
生き残りの子猫だったから
とても丈夫で病気知らず。
用心深いから怪我もない。
それでこんなに長生きしてくれてるのだとおもう。
「あと30年生きたら猫又になれるよ。」
って言うんだけど
まだまだしっぽが割れる気配はない。

ゆるゆる

まだ地獄のような暑さが続いてた日。
水彩画教室のモチーフをみんなが描いてるよこから描いた。


こうやっていいかげん?に描いたほうが
いいかんじになるってどううことなんでしょ?
がっつり一生懸命描いたからってよくはならないのが
水彩画のむずかしいところ。
こういうところが私にはあってるのかもね。
最近は水彩がいちばん楽しい。

なごりの夏の花

夏が終わってしまったかのような今日このごろ。
にもかかわらず今日アップしたのはこの花が咲くと
夏が来たなあとおもうお花、百日紅。

高い木であることが多いので
意外とまじまじと近くで見たことがない方が多いんじゃないだろうか。
ちょっと変わったかたちをしてるんだよね~。


よくみたらこれ、だいぶ実になってる。

じつはいろんなものがもう実り始めていて
植物たちがあの暑い中
着々と秋の準備をしていたことに
改めておどろく。
今日モチーフのお花を買いに行ったら
お月見セット、みたいな花束が組まれていて
そうか、あのやせた三日月がまあるくなったら
中秋の名月なんだ、と気がつく。
季節のうつろい
時の速さに
ついていけない今日このごろ・・・

サルスベリ(百日紅=ヒャクジツコウ)
学名:Lagerstroemia indica
科名:ミソハギ科
開花期:7月-10月
原産地:中国南部原産

樹皮は褐色で所々はがれて白い肌があらわれ、縞模様になる。
樹皮のはがれた部分はつるつるしているところから、
「猿も滑って落ちる→猿滑り」というのが、名前の由来とされている。
漢字では「百日紅」という漢字を当てるが、これは開花期間が長いところにちなむ。

「散れば咲き
  散れば咲きして 百日紅」
   加賀千代女

花言葉:「雄弁」「愛敬」「不用意」