こわいけれど

冬が近づくと水鳥が増える。
もっともここ、花野井の水辺の公園には1年中いるらしいのだけれど。


お外でスケッチをしていて怖いなあと思うのはスズメバチ。
刺されたことはないのだけれど、あの重低音の羽音がこわい。
なにもしなければ刺されないとはおもうのだけれど
偵察するように周りを飛ばれることがあるのでそのたびに身をすくめてしまう。

先日、図書館で百田尚樹さんの「風の中のマリア」を借りてきてあったのを
夕食後に読み始めたらあんまり面白くって一気に読んでしまった。
主人公のマリアはなんとオオスズメバチ。
ワーカーとよばれる働きバチである。
オオスズメバチの独特の生態がわかりやすく頭に入ってくる。
彼らの一生は女王にしてもワーカーにしてもオスにしてもすごく厳しい。
気分はすっかりオオスズメバチ。

そういえば何年か前、自転車で林の中の道を通り抜けようとしたら
大量のスズメバチたちが組んずほぐれつの大騒ぎをしていて
通れなかったことがあった。
あれはきっと女王の巣立ちの日だったんだ。
巣立ちの日には別の巣からきたオスたちが待ち構えている。
ところが女王と交尾しようと近づくオスをワーカーが攻撃するのだそうだ。
ワーカーの攻撃をくぐりぬけたつよいオスだけが子孫を残すことができる。
だからあんなふうに喧嘩してるように見えたんだね。

すこしスズメバチにも親しみが。
・・・とはいえこわいことには変わりないんだけど。

いろいろと悲しかった日

ちょっと前に行った川辺のスケッチ。
たまには風景も描かなくっちゃね。


明日は月に一度の絵手紙の日。
金銀のハガキに秋のモチーフを!

昨日、小川荒野先生の個展で先生がシャンソンを唄う、というので
川越まで自転車で行こうと元気に出発したのはよかったのだけれど
ものすごい風!!!
利根運河の土手に向かい風の中ようようついたのだけれど
土手の上は横風がものすごくてとても自転車での走行はムリ!
それでも自転車を押しつつ江戸川に着いた。
ここからすこし向かい風の中江戸川の土手を走り、
横風の橋を渡らなくてはならない。
ここまで10分で来れる道のりに40分はかかっている。
風はますます強く、シャンソンの時間には到底間に合わない。
すごく残念だったけれどまた来月に吉川でも唄う予定があるようなので
今回は断念して戻った。

帰りに烏瓜のなるスポットによって絵手紙用にゲット。
強い風のせいか、葉っぱは渇き気味だったけれど手の届くところにあり
採るための道具をなんにも持ってなかったけれど採れた。

そして今日、そろそろ実が色づくはずの野葡萄の場所に行ってみた。
3週間ほど前にみて、実がたくさんなり始めていることは確認してあった。
・・・ところが、なんだか様子が変。
あんなにたくさんの緑で覆われていたフェンスが茶色いのである。
近くによって愕然。
茶色く枯れた蔓がわずかにのこっているだけ。
除草剤か~!
ここには毎年野葡萄やヘクソカズラやヒヨドリジョウゴやイヌホオズキ・・・
ほんとにいろんな実がなっていたのに。
これまで除草剤なんて撒かれたことはなかったとおもう。
かなりショック・・・
来年からここにはあのかわいい蔓草たちは生えてこないんだろうか?
除草剤に負けずに復活してほしいと切に願う。。。

ところで子猫は昨日の夕方猫缶を食べた後、どこかに去ってしまった。
お母さんや兄弟を探しに行ったのだろうか、
夕べは寒かったんじゃないだろうか、
いろいろ考えると切ない。
心優しいだれかに拾われていることを祈るのみ・・・

風に乗ってとどく声・・・

描いているときは何のお花かわからなかったけれど
調べたらメハジキ、というらしい。


今朝から家の周りでなんだかにゃあにゃあと甲高い声がする。
いや~な予感・・・
聞こえない、見えない、なんにもいない!
・・・と思ってもやっぱりいるんだ~・・・

ちいさな三毛猫。
三毛だからメスだろうな。
人に慣れていないようで近づくと物陰にかくれてしまう。
おめめが目やにであんまり開かなくなっているみたい。
子猫のころのあんみつみたい。
寒くなる前に保護しなきゃかなぁ。

うちにはもう3匹も猫がいて
これ以上は無理。
どなたか、飼ってくださる方いませんか~~?><

24時間営業で

スケッチはたいてい朝にする。
朝の光が好きだから。
でも、これは夕方。
たまには夕方も素敵。


川べりの草むらに腰をおろす。
このうつむき気味のアザミを見上げるように。
秋の日はあっという間にしずんでゆく。
さっきまで見えていた花びらのピンク色がシルエットとなり
おとなう虫も蜂や蝶から蛾にかわる。
蛾はあんまり好きではないのだけれど
シルエットで見るとなんともきれいでおもわず描いてしまった。

夕方には閉じてしまうお花もあるけれど
アザミは深夜も営業中。
夜には夜のお客様。

森の中・明けの明星

アケボノソウにはたくさん虫が集まる。
描き始めたときは茶色っぽいちょうちょ、
美しい色の虻、蝿に蟻、そしてこの不思議なかたちの虫がわんわんいた。
こういう光景に出会うと「風の谷のナウシカ」の
大きな蟲たちがゆっくりたゆたう腐海をおもいだす。
この株のもういっこ向こうの株にちいさな蜘蛛の巣がかかっていて
巣の大きさからいうと5mmくらいのかわいい蜘蛛がいそうなかんじだったのに
ふと出てきたのが2cmはありそうな赤と白の縞々の
タランチュラ的な丸みのある大蜘蛛だったのでびっくりした。
腐海には危険がいっぱいである。。。

描いているうちに時間がすぎたのかちょうちょと虻はあまり来なくなってしまった。


このつがいになった虫は片方しか蜜を吸わない。
片方は一生懸命羽ばたいてもう片方が蜜を吸うのを支える。
おそらく吸っている方がこれからたまごを産むメスで
支えているほうがオスなのだろう。
眺めていてふと気がついた。
蜜というものはお花の中心から出るものとおもっていたけれど
この虫は花びらの先、黄緑色のてんてんのあたりを舐める。
不思議に思ってよく見ると蟻も虻も蝿もみんな真ん中ではなく
黄緑のてんてんや茶色のそばかすのあたりを舐めている。
蜜はここから出てるのだろうか?
そういえば黄緑色のてんてんはちょっとてかてかしているみたい。
おもわず1輪とってそのあたりを舐めてみた。

・・・なんにも味はしない。

おうちに帰って調べてみたらやっぱりこの黄緑色のてんてんが蜜線なのだそう。
甘くなかったけどなぁ。

みずたま×みずたま

春にちょっぴり不気味なお花を咲かせていたマムシ草。
秋にはこんな実ができる。


毎年見つけては気になっていたのだけれど
どぎついかんじがあんまり好きではなくって描いたことがなかった。

この植物には雄株と雌株がある。
食虫植物をおもわせる器のようなお花。
見た目は雄株の花も雌株の花もそっくりなのだけれど
雄花には出口があり、雌花には出口がない。
雄花で花粉をつけられた虫が雌花に入ると
出られないまま受粉を手伝わされて死んでしまうらしい。
そうしてこんな鮮やかな実が実る。

まじまじと眺める。

虫の命を犠牲にしてできた実。
わたしたちだっていろんなものの命をもらって
こうして生きてるんだよね。
この実を責める資格はない。

草間弥生さんの作品を思わせる黒地に鮮やかで艶やかなみずたま。
枯れ色に染まり始めた緑の中ひときわ目立つ。
おりから落ちてきた雨粒が別のみずたまを画面に作った。

ちょっと見ではわからないこと

個展が終わったらやりたかったこと、第一弾。
スケッチ~!

さっそく見つけたきのこさん。
この前と同じシロオニタケかと思ったら
専門家に聞いたところちょっとちがうらしい。
根元のところがささくれてる。
これはササクレシロオニタケなんだそう。
ふう~ん。。。



これを描いているときに1cmをかるく超える大きな蟻がいた。
3つに分かれてるからだの真ん中が赤っぽい色をしていて
つやつやとしていてなんだか強そう。
咬まれたらこわいから気をつけよう、と思っていた。
そばには5mmほどの大きさのよく見かける黒い普通の蟻もいた。
こちらはそんなに気にしなかった。

しばらくすると信じがたい光景が!
なんとスケッチブックの上を普通の蟻が
あの大きくて強そうだった蟻の死骸を引きずっていくのだ。
どんな戦いが行われたのか残念ながら見逃してしまったけれど
たった1匹で引きずっていっているところをみると
1対1で戦ったのに違いない。

きのこの世界も蟻の世界もまだまだ知らないことだらけ。

終了~!

池袋東武での個展は本日無事終了いたしました!!
ご来場くださった皆様、本当にありがとうございました。
たくさんの方に来ていただいてうれしかった~!

今回は水彩画を主に、ということだったけれど
次回は日本画中心に、という話になりました。
とはいえまだ未定ですので、また決まりましたらお知らせします。

しばらくは充電期間。
またいっぱいスケッチをしよう!
映画も観たい、本も読みたい、やりたいことでいっぱい。



今日も個展で発表した作品を。
うちにはピンクと白と2色のシュウメイギクが咲く。
もうつぼみがいっぱい。
毎年描くのが楽しみなお花。
この花のピンクはとても甘そう。
おしべの黄色もあざやかでこんなお菓子があったような。
そして秋のお空の水色との対比が美しい。
今年も描かなくちゃね。

「秋色のひかり」水彩画 15×40cm



デパートでの展示は売れたらお渡ししてしまったり
配送用にしまっちゃったりするので余分に作品を用意する。
展示されない作品もでてくるというわけ。
こちらはチョウセンゴミシ。
わたしは気に入っているのだけれど
「なんだかわからないからしまっちゃうね~」
といわれてしまわれてしまった。
初日くらいしか出てなかったかも。
知名度をあげなければ!
がんばれ、チョウセンゴミシ!

「実り」水彩画 15×40cm

野分のあと

個展の始まった翌日の朝
ずっと行けずにがまんしていたスケッチに出かけた。
台風のあとの荒れたかんじがまたすてき。
野分、とはよく言ったもので
草むらがあちこちなぎ倒されてかき分けられている。




11時くらいに行くつもりがスケッチに夢中になりすぎて
12時近くに会場に着いてしまった。
翌日からスケッチ禁止令が出された。

スケッチにはとても快適な季節なので惜しいけれど、
もう少しの辛抱。



今日も出品作品を。
こちらは毎年毎年大好きで描くからすうり。
今年も青いのがいっぱいなっていたので
そろそろ赤くなる頃かな、と楽しみにしている。

彩(いろどり)水彩画 F4 



アザミは意外と種類が多くてなかなか覚えられない。
これはヌマアザミの一種で水辺に咲いていた。
前回のデパートのときにトカゲを描いたら
嫌いな方もいるのでやめたほうがよい、と注意を受けたので
今回、虫をもっと描きたかったけれど減らした。
マルハナバチはかわいいし気持ち悪くはないでしょ、と思って描いちゃった。
スケッチのときは何度も来る蜂を待ちながら少しずつ描いた。
ふくふくした胸の辺りの毛がかわいい。
脚には大きな花粉だんごがついていた。

羽音 水彩画 15×40cm

個展中日

個展ももう折り返しを過ぎた。
会場を秋の色に染めて一足早い秋の空気を味わってもらおう、という
わたしの意図は皆さんの反応をみるかぎり伝わっているみたい。

展示作品をぼちぼちアップしていこうかな。



こちらは新潟でみつけた野葡萄のスケッチをもとに描いた作品。
野葡萄はうちの近所にもたくさんあるのだけれど
新潟のは大きさも色のあざやかさもまるでちがう。
いつも見るたび感動してしまうのである。
野葡萄は実の中に虫が入ると色づくのだそう。
新潟にはよっぽど優秀な虫さんがたくさんいるにちがいない。

「色とりどりの」水彩画15×40cm



山梨で見つけた蔓竜胆。
蔓竜胆はお山に行くとけっこう見かける植物なのだけれど
なかなかかっこよく絡んでいるのに出会わない。
これはピカイチでかっこよかった!
見つけたのが夕方だったので
秋の夕日のあまりの早さに参った。
夕日が沈む直前の一瞬、ぱっと美しく明るくなる。
映画の世界でマジックアワーというらしいのだけれど
(三谷幸喜さんの映画にありましたね)
まさにその瞬間を。
この子はめでたくお嫁入りが決まりました。

「今日の終わりに」水彩画15×40cm

そして会場の写真を。
あまりよい写真ではありませんが…





あまり名前の知られていない野の草木、
そして名前の知られていない絵描きでは
なかなか売れず、苦戦しております…
このままでは次回が危ういかなぁ。

でもわたしについてくださっている画商さんは
このままわたしの好きなものを描き続けていってよいと言ってくださる稀有な方。
売るためにきれいなお花など描かなくてもよいという。
ほんとうにわたしの絵を好きでいてくれるのだ。

今回準備期間ははからずも短くなってしまったけれど
絵に妥協や手抜きはまったくしなかったつもり。
わたしにできることはこれだけだけれど
次になんとかつなげたいと祈るばかり。。。