個展のご案内。


来月28日から始まる池袋東武デパートでの個展のご案内♪


わたしが会場にいる日は2/28(水)~3/4(月)です。
5(火)・6(水)はおりませんのでご注意くださいね。
あ、でもスタッフの方はいらっしゃいますよ~。

最終日は4時半までです。

花まつほどの春のつれづれ


昨日アップした絵と対になるかんじで描いた辛夷。
今日はまたいちだんと寒かったですね!
春を待つきもちは今も昔もかわらないようで・・・。

おもひやれ 霞こめたる 山里に 花まつほどの 春のつれづれ

上東門院中将

「どうか思いやって下さい。霞の立ちこめた山里
    に住まいして、花の咲くのをじっと待っている
    春二月頃の所在ない寂しさを。」

詞書・・長楽寺に住んでおりました時、二月頃に人に
    送った歌。
上東門院中将:生没年未詳。左京大夫従三位
     藤原道雅(みちまさ)の女(むすめ)。

MicaKatolaの展示会は1月22日~28日。詳しくはMicaKatolaのホームページにて。

君が握れる手の・・・


大好きで毎年描く辛夷。
この踊るような可憐な姿、つかまえようとするもなかなか難しい。
きゅっと握ったつぼみがほろりとひらくころは
まだ寒くってスケッチも大変だったりする。


時しあればこぶしの花も開けたり君がにぎれる手のかかれかし

続詞花集

「コブシの花は時が来れば開きます。あなたも握りしめている手(頑固さ?)をどうか解いて下さい」

続詞花集とは藤原清輔を撰者とする平安末期の私撰集で
『詞花集』に継ぐ第七勅撰集となるところを、
下命者である二条天皇(1143-1165)の崩御に遭い実現しなかった。
辛夷は伝統和歌ではあまり詠まれないらしい。
めずらしい一首。

MicaKatolaの展示会は1月22日~28日。詳しくはMicaKatolaのホームページにて。

野をなつかしみ・・・


MicaKatolaの展示が昨日から始まったのだけれど
わたしは個展の準備がどうしてもおわらず、
申し訳ないのだけれど加藤さんにお任せして今日からまた引きこもり。
あとは最終日、28日に行きます!

ところでDMだけれどこの絵にしようと製版したのだけれど
今日校正をみたらあんまりよくない。
絵自体は10号と大きめなのだけれど
葉書のサイズに縮めるとよくわからなくごちゃごちゃした感じに見える。
日本画家の妹に相談。
スーパー辛口アドバイザーの母にも相談。
結果、こちらにすることにした。


春の野に 菫摘みにと 来し吾ぞ 野を懐かしみ 一夜宿(ね)にける

万葉集 巻八 一四二四 山部赤人

「春の野にすみれを摘もうとやって来たが野の美しさに心惹かれ一晩過ごしてしまったよ」

どんなすみれだったのかしらね~。
風流とも色っぽくともとれる。
そういうところが和歌はおもしろい。

MicaKatolaの展示会は1月22日~28日。詳しくはMicaKatolaのホームページにて。

吹く風の誘ふものとは知りながら・・・


蝋梅が咲いている、との情報をGET。
作業のあいまにちょこっとスケッチにいったけれど
足元の雪もまだ残っていてほんとにほんとにほんっとに寒かった!!
湿気があって気温が低いから絵具が乾かないし
手はかじかむし。。。

うって変わって作品はすっかり春爛漫・・・

桜のつぼみがふくらんでくるとそわそわ。
まだ咲かないのにスケッチブックをしょって自転車で出かける。
彼岸桜から始まって八重桜・・・
桜が散ってしまうまでなんだか落ち着かない。
毎年毎年スケッチはするのに
きちんと桜を正面から日本画で描いたことがなかった。
ちょっとひねくれて
散りかかる足元の草花とか
水面におちた桜吹雪とか
そんなのばっかり。

今回は桜がテーマなのでがっつり正面から描くのに挑戦。

吹く風の誘ふものとは知りながら
  散りぬる花のしひて恋しき

後撰集91

 「風に誘われて散るものとは分かっているが、どうしても散ってしまった花が恋しいのだ」

失った恋に対する未練も歌にすると美しい・・・。

人もつむやと


今日は2月28日からの個展のご案内ハガキの準備を。
絵は迷った挙句これに決めた。

いつも桜を描きに行くところには森があって
ちょうど桜が散りかかるころに
たくさんの芽吹きがある。
アマドコロ、ホウチャクソウ、すみれ、キジムシロ、もみじ
ここには描いていないけれどアケビの芽なんかもいっぱい出る。
ぽかぽかあったかい陽射しにちょっと眠くなる。

今回のテーマは桜と和歌。
添えた歌は藤原興風のもの。
ほんと、だれか摘んでくれないかしら・・・。

春霞 たなびく野辺の 若菜にも
なりみてしかな 人もつむやと

古今和歌集より。
寛平御時后の宮の歌合の歌

 春霞たなびく野辺の、若菜になってみたいものだなあ、
ひとも摘むかなと……
はるが澄みひろがるひら野辺りの若い女になってみようかな
男がつむかどうかなと。

仁和帝(=光孝天皇)の歌「君がため 春の野にいでて 若菜つむ」
にかけているような・・・?

藤原興風: 生没年不明  父は藤原道成
     三十六歌仙の一人。
     官位は低かったが『古今和歌集』の時代における代表的な歌人で、
     「寛平后宮歌合」・「亭子院歌合」などの歌合への参加も多く見られる。
     『古今和歌集』(17首)以下の勅撰和歌集に38首が入集。
     家集に『興風集』がある。
     管弦にも秀でていたという。

MicaKatolaの展示会は1月22日~28日。詳しくはMicaKatolaのホームページにて。
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きのこの版画展軽井沢エブリコでの展示は終了しました。