春の妖精


描いてからまた時間が経ってしまった。
ゴールデンウィークに行った新潟のスケッチ。
かの地はまだ春の初めの植生だったけれど
夏のように気温が高く日差しもつよく
昼間は半そで。
なのに雪がだいぶ残っているという
とても不思議な気候だった。

目的だったカタクリは見ごろ!
ショウジョウバカマとともに斜面にいっぱい咲いていた。
このすぐ脇には雪渓。

新潟にはブヨが多い。
冬に入る直前まで元気で
刺されるとパンパンに腫れる。
以前連休に行ったときは
まだいなかったと思うのだけれど
今年はいた~!!
すっかり油断して刺されてしまった。
今年はどこも夏が来るのがはやいみたいだ。

もうすぐ梅雨かな。
今週半ばくらいからお天気がよくないらしい。

カタクリ(片栗)
学名:Erythronium japonicum
科目:ユリ科カタクリ属
別名:古語では「堅香子(かたかご)」と呼ばれていた。
開花期:4-6月

早春に地上部に展開し、その後葉や茎は枯れてしまう。
地上に姿を現す期間は4-5週間程度で、
群落での開花期間は2週間程と短いため
ニリンソウなど同様の植物とともに
「スプリング・エフェメラル」(春の妖精)と呼ばれている。
種子にはアリが好む薄黄色のエライオソームという物質が付いており、
アリに拾われることによって生育地を広げている。
発芽1年目の個体は細い糸状の葉を、
2年目から7-8年程度までは卵状楕円形の1枚の葉だけで過ごし、
鱗茎が大きくなり、2枚目の葉が出てから花をつける。
毎年少しずつ鱗茎に養分が蓄積され
発芽から開花までには7-8年を要する。
開花初期は開花と結実がある有性生殖と結実がない無性生殖を繰り返し、
個体が大きく成長した後は複数年に渡り開花が継続する。
カタクリの平均寿命は40-50年ほどと推定されている。

花言葉:「初恋」「嫉妬」「寂しさに耐える」

もののふの 八十娘子らが 汲みまがふ
寺井の上の かたかごの花 
大伴家持 巻十九 4143

ショウジョウバカマ(猩々袴)
学名: Heloniopsis orientalis
科目:ユリ科ショウジョウバカマ属
分布:北海道から九州までの、やや湿った場所に生える。
開花期:低山では3~4月であるが、高山では雪渓が溶けたあとの6~7月

繁殖は種子のほか、葉の先にできる不定芽によっても殖えることができる。
名前は、花が赤いのを猩々(中国の伝説上の動物のこと)になぞらえ、
根生葉の重なりが袴に似ていることから名付けられたとされる。

花言葉:希望

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